勝ち馬と負け犬。
【ストーリー】
小太りの眼鏡っ子、オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)の夢は美少女コンテストで優勝すること。地方予選で繰り上げ優勝した彼女は、独自の成功論に取りつかれる父リチャード(グレッグ・キニア)や母のシェリル(トニ・コレット)、自殺を図ったゲイの伯父フランク(スティーヴ・カレル)らと車で決勝大会の会場を目指す。
【キャスト】
グレッグ・キニア:リチャード・フーヴァー
トニ・コレット:シェリル・フーヴァー
スティーヴ・カレル:フランク
アラン・アーキン:グランパ
ポール・ダノ:ドウェーン・フーヴァー
アビゲイル・ブレスリン:オリーヴ・フーヴァー
マーク・タートルトーブ
ベス・グラント
ゴードン・トムソン
メアリー・リン・ライスカブ
マット・ウィンストン
ジェフ・ミード
ジュリオ・オスカー・メチョソ
ウォレス・ランガム
ジャスティン・シルトン
ディーン・ノリス
【スタッフ】
脚本:マイケル・アーント
音楽:マイケル・ダナ
2006年 100分
<シネマトゥデイより>
リトル・ミス・サンシャインを嫌いな人っていんの?
リトル・ミス・サンシャインを嫌いな人っているんだろうか。
誰しもにオススメの映画です。
まあ名作だから今さらオススメしなくてもって感じですが。
家族がミスコンに参加する為に、カリフォルニアに向かう話。
移動手段は黄色のワーゲンバス。
父、母、息子、娘、祖父、義兄。
全員がくせ者です。
母と娘だけはまともか。
道中は不幸な事ばかり起きます。
それなのに重くならない。
なんなら笑顔になれる不思議な映画。
ワーゲンバスが壊れて良かったなと心から思う。
全員でバスを押す描写は何回見ても心が穏やかになる。
リトル・ミス・サンシャインのストーリーとキャスト(ネタバレ)
フーヴァー家の物語です。
父・リチャード:グレッグ・キニア
独自の9段階の理論を出版しようとしているが、編集者と連絡がつかなくて焦っている。
子供に勝ち馬になれ、負け犬になるなと教育している。
母・シェリル:トニ・コレット
兄のフランクが自殺未遂をした為、病院に迎えに行き一緒に住む事に。
リチャードの理論を疑っている。
息子・ドウェーン:ポール・ダノ
テストパイロットになる事を夢見ていて、肉体改造を怠らない。
ニーチェの影響で9ヶ月口を利かず、人間を嫌っている。
娘・オリーヴ:アビゲイル・ブレスリン
ミスコンに夢中。
地方予選を繰り上げ優勝した為、カリフォルニアで行われる本線に出場する。
ぽっちゃり体型で、大きなメガネをかけている。
祖父・エドウィン・フーヴァー:アラン・アーキン
リチャードの父。
ヘロインを嗜み、性にも積極的。
老人ホームでは女性を侍らかせた為に退所させられる。
第二次世界大戦の生き残り。
義兄・フランク:スティーヴ・カレル
恋人と破局し自殺未遂をしたゲイ。
自称マルセル・プルースト学者の第一人者。
オリーヴがミスコンの予選を勝ち抜いた為、本戦出場の為にワーゲンバスで会場に向かう。
バスは途中で故障し、最初は手で押さないと出発出来ないようになる。
途中、リチャードの出版の話は無くなり、その事でシェリルと揉める。
エドウィンはヘロインの過剰摂取の為か、眠ったまま起きなくなりそのまま死亡する。
ドウェーンは色弱だと分かり、パイロットの夢を絶たれる。
なんとか会場に到着したフーヴァー家。
だが、ミスコンの控室や出場者を見ると、オリーヴじゃ太刀打ちできないと分かる。
ドウェーンとフランクは出場を止めさせようとするが、シェリルは今まで頑張ってきたオリーヴの気持ちを大事にし、出場させる。
最後のアピールタイム。
オリーヴはミスコンには相応しくない下品なダンスを披露する。
振り付けしたのはエドウィンなのだ。
主催者側は止めようとするが、フーヴァー家はそれに反抗し、最後は全員ステージに上りダンスを披露するのだった。
その後、フーヴァー家はカリフォルニアのミスコンへの出場は今後一切禁止に。
フーヴァー家は壊れたバスで家に帰るのだった。
リトル・ミス・サンシャインは不幸の連続なのに、、、
めちゃめちゃ不幸な話しだ。
勝ち馬になるか、負け犬になるかで言えば、この家族は負け犬だ。
リチャードは出版がなくなり破産するかもしれない。
ドウェーンは色弱のせいでパイロットの夢は破れた。
オリーヴはミスコンで優勝なんて到底出来ない。
フランクは恋人も奪われ、世間だとマルセル・プルースト学者の第一人者ではない。
エドウィンはヘロインのせいで死んでしまった。
世間一般だと負け犬家族になる。
でも、彼らはそうではない。
“負け犬”の意味を知ってるか?
負けるのが怖くて挑戦しないことだ。
エドウィン曰く、これが負け犬の定義だ。
この家族は挑戦はしてきた。
リチャードは出版の一歩手前まで行った。
ドウェーンは肉体改造をして、口も利かずに努力を続けた。
オリーヴはダンスの練習を頑張った。
フーヴァー家は決して負け犬ではない。
だから、どんなに不幸が起きても悲壮感はない。
みんな必ず立ち上がる。
リトル・ミス・サンシャインの太陽オリーヴ。
オリーヴの可愛さに悶絶するでしょう。
彼女がいたからこの映画は明るさを保つ事が出来た。
純真無垢を絵に描いたような少女。
計算ではない優しさが家族を救っている。
だから、家族はオリーヴの為なら頑張れる。
特にドウェーンを慰めに行く所は誰もがグッとくるだろう。
ストイックに夢に向かって努力してた兄の夢が破れたのだ。
そんなドウェーンにオリーヴは黙って寄り添う。
ドウェーンはオリーヴの為に切り替えて会場に向かう。
そこに余計な言葉はない。
でも、兄として何が出来るのかを考えたドウェーンは気持ちを切り替えた。
これが出来たのはオリーヴの為だったからに違いない。
リトル・ミス・サンシャインのバッチリはまったキャスト達。
本当に言うことがないキャストです。
全員がはまり役。
アラン・アーキンがアカデミー賞で助演男優賞をとったけど、他の人達も全員表彰されてほしい。
特にスティーヴ・カレルは良かった。
企画の段階ではビル・マーレイやロビン・ウィリアムズの名前が挙がってたみたいです。
でも監督はスティーヴ・カレルに決めた。
英断!
スティーヴ・カレル演じるフランクは家族ではない。
シェリルの兄ってだけだ。
でも、家族にとって貴重な存在だった。
そして、フランクも家族に救われた。
自殺をするほど追い込まれていたのに、この無茶苦茶な家族を目の当たりにした。
面と向かって文句を言うリチャード。
純粋に疑問に思った事を真っ直ぐに聞くオリーヴ。
ゲイは気持ち悪いと切り捨てつつ、馬の合うエドウィン。
会話は出来ないが、心で繋がっていたドウェーン。
この家族は気づかぬうちにフランクを救っていた。
リトル・ミス・サンシャインのまとめ。
誰しもにオススメ出来る数少ない映画です。
この映画を嫌いって人はひねくれてます。
認めてください。
ただのハートウォーミング映画に留まらず、ミスコン文化への嫌悪や、資本市場主義への皮肉も微妙に込められてます。
でも、そんな難しい事は考えなくていいと思う。
オリーヴの可愛さに心を洗われてください。
家族がバスを押すシーンは笑みがこぼれます。
この演出を考えた人は天才だ。
ただ、バスを押すだけで名場面にしてしまったんだから。
U-NEXTで配信中。
『リトル・ミス・サンシャイン』のスタッフとキャストの他の映画。
監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス:『ルビー・スパークス』
アビゲイル・ブレスリン:『ゾンビランド』
グレッグ・キニア:『ギフト』
トニ・コレット:『ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー』
スティーブ・カレル:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『ラブ・アゲイン』/『30年後の同窓会』/『ハンズ・オブ・ラブ 手のひらの勇気』/『40歳の童貞男』/『デート&ナイト』/『エンド・オブ・ザ・ワールド』/『ゲットスマート』
ポール・ダノ:『LOOPER/ルーパー』/『テイキング・ライブス』/『ルビー・スパークス』/『スイス・アーミー・マン』/『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
*本ページの情報は2019年2月時点のものです。
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