『リトル・ミス・サンシャイン』☆☆☆☆☆☆☆☆☆ バスが壊れてよかった。ネタバレ映画レビューブログ

リトル・ミス・サンシャイン ☆☆☆☆☆☆☆☆☆




リトル・ミス・サンシャイン

勝ち馬と負け犬。

【ストーリー】

小太りの眼鏡っ子、オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)の夢は美少女コンテストで優勝すること。地方予選で繰り上げ優勝した彼女は、独自の成功論に取りつかれる父リチャード(グレッグ・キニア)や母のシェリル(トニ・コレット)、自殺を図ったゲイの伯父フランク(スティーヴ・カレル)らと車で決勝大会の会場を目指す。

【キャスト】

グレッグ・キニア:リチャード・フーヴァー

トニ・コレット:シェリル・フーヴァー

スティーヴ・カレル:フランク

アラン・アーキン:グランパ

ポール・ダノ:ドウェーン・フーヴァー

アビゲイル・ブレスリン:オリーヴ・フーヴァー

ブライアン・クランストン

マーク・タートルトーブ

ベス・グラント

ゴードン・トムソン

メアリー・リン・ライスカブ

マット・ウィンストン

ジェフ・ミード

ジュリオ・オスカー・メチョソ

ウォレス・ランガム

ジャスティン・シルトン

ディーン・ノリス

【スタッフ】

監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス

脚本:マイケル・アーント

音楽:マイケル・ダナ

2006年 100分

<シネマトゥデイより>

リトル・ミス・サンシャインを嫌いな人っていんの?

リトル・ミス・サンシャイン

リトル・ミス・サンシャインを嫌いな人っているんだろうか。

誰しもにオススメの映画です。

まあ名作だから今さらオススメしなくてもって感じですが。

家族がミスコンに参加する為に、カリフォルニアに向かう話。

移動手段は黄色のワーゲンバス。

父、母、息子、娘、祖父、義兄。

全員がくせ者です。

母と娘だけはまともか。

道中は不幸な事ばかり起きます。

それなのに重くならない。

なんなら笑顔になれる不思議な映画。

ワーゲンバスが壊れて良かったなと心から思う。

全員でバスを押す描写は何回見ても心が穏やかになる。

リトル・ミス・サンシャインのストーリーとキャスト(ネタバレ)

リトル・ミス・サンシャイン

フーヴァー家の物語です。

父・リチャード:グレッグ・キニア

独自の9段階の理論を出版しようとしているが、編集者と連絡がつかなくて焦っている。

子供に勝ち馬になれ、負け犬になるなと教育している。

母・シェリル:トニ・コレット

兄のフランクが自殺未遂をした為、病院に迎えに行き一緒に住む事に。

リチャードの理論を疑っている。

息子・ドウェーン:ポール・ダノ

テストパイロットになる事を夢見ていて、肉体改造を怠らない。

ニーチェの影響で9ヶ月口を利かず、人間を嫌っている。

娘・オリーヴ:アビゲイル・ブレスリン

ミスコンに夢中。

地方予選を繰り上げ優勝した為、カリフォルニアで行われる本線に出場する。

ぽっちゃり体型で、大きなメガネをかけている。

祖父・エドウィン・フーヴァー:アラン・アーキン

リチャードの父。

ヘロインを嗜み、性にも積極的。

老人ホームでは女性を侍らかせた為に退所させられる。

第二次世界大戦の生き残り。

義兄・フランク:スティーヴ・カレル

恋人と破局し自殺未遂をしたゲイ。

自称マルセル・プルースト学者の第一人者。


オリーヴがミスコンの予選を勝ち抜いた為、本戦出場の為にワーゲンバスで会場に向かう。

バスは途中で故障し、最初は手で押さないと出発出来ないようになる。

途中、リチャードの出版の話は無くなり、その事でシェリルと揉める。

エドウィンはヘロインの過剰摂取の為か、眠ったまま起きなくなりそのまま死亡する。

ドウェーンは色弱だと分かり、パイロットの夢を絶たれる。

なんとか会場に到着したフーヴァー家。

だが、ミスコンの控室や出場者を見ると、オリーヴじゃ太刀打ちできないと分かる。

ドウェーンとフランクは出場を止めさせようとするが、シェリルは今まで頑張ってきたオリーヴの気持ちを大事にし、出場させる。

最後のアピールタイム。

オリーヴはミスコンには相応しくない下品なダンスを披露する。

振り付けしたのはエドウィンなのだ。

主催者側は止めようとするが、フーヴァー家はそれに反抗し、最後は全員ステージに上りダンスを披露するのだった。

その後、フーヴァー家はカリフォルニアのミスコンへの出場は今後一切禁止に。

フーヴァー家は壊れたバスで家に帰るのだった。

リトル・ミス・サンシャインは不幸の連続なのに、、、

リトル・ミス・サンシャイン

めちゃめちゃ不幸な話しだ。

勝ち馬になるか、負け犬になるかで言えば、この家族は負け犬だ。

リチャードは出版がなくなり破産するかもしれない。

ドウェーンは色弱のせいでパイロットの夢は破れた。

オリーヴはミスコンで優勝なんて到底出来ない。

フランクは恋人も奪われ、世間だとマルセル・プルースト学者の第一人者ではない。

エドウィンはヘロインのせいで死んでしまった。

世間一般だと負け犬家族になる。

でも、彼らはそうではない。

 

“負け犬”の意味を知ってるか?

負けるのが怖くて挑戦しないことだ。

 

エドウィン曰く、これが負け犬の定義だ。

この家族は挑戦はしてきた。

リチャードは出版の一歩手前まで行った。

ドウェーンは肉体改造をして、口も利かずに努力を続けた。

オリーヴはダンスの練習を頑張った。

 

フーヴァー家は決して負け犬ではない。

だから、どんなに不幸が起きても悲壮感はない。

みんな必ず立ち上がる。

リトル・ミス・サンシャインの太陽オリーヴ。

リトル・ミス・サンシャイン

オリーヴの可愛さに悶絶するでしょう。

彼女がいたからこの映画は明るさを保つ事が出来た。

純真無垢を絵に描いたような少女。

計算ではない優しさが家族を救っている。

だから、家族はオリーヴの為なら頑張れる。

特にドウェーンを慰めに行く所は誰もがグッとくるだろう。

ストイックに夢に向かって努力してた兄の夢が破れたのだ。

そんなドウェーンにオリーヴは黙って寄り添う。

ドウェーンはオリーヴの為に切り替えて会場に向かう。

そこに余計な言葉はない。

でも、兄として何が出来るのかを考えたドウェーンは気持ちを切り替えた。

これが出来たのはオリーヴの為だったからに違いない。

リトル・ミス・サンシャインのバッチリはまったキャスト達。

リトル・ミス・サンシャイン

本当に言うことがないキャストです。

全員がはまり役。

アラン・アーキンがアカデミー賞で助演男優賞をとったけど、他の人達も全員表彰されてほしい。

特にスティーヴ・カレルは良かった。

企画の段階ではビル・マーレイやロビン・ウィリアムズの名前が挙がってたみたいです。

でも監督はスティーヴ・カレルに決めた。

英断!

スティーヴ・カレル演じるフランクは家族ではない。

シェリルの兄ってだけだ。

でも、家族にとって貴重な存在だった。

そして、フランクも家族に救われた。

自殺をするほど追い込まれていたのに、この無茶苦茶な家族を目の当たりにした。

面と向かって文句を言うリチャード。

純粋に疑問に思った事を真っ直ぐに聞くオリーヴ。

ゲイは気持ち悪いと切り捨てつつ、馬の合うエドウィン。

会話は出来ないが、心で繋がっていたドウェーン。

この家族は気づかぬうちにフランクを救っていた。

リトル・ミス・サンシャインのまとめ。

リトル・ミス・サンシャイン

誰しもにオススメ出来る数少ない映画です。

この映画を嫌いって人はひねくれてます。

認めてください。

ただのハートウォーミング映画に留まらず、ミスコン文化への嫌悪や、資本市場主義への皮肉も微妙に込められてます。

でも、そんな難しい事は考えなくていいと思う。

オリーヴの可愛さに心を洗われてください。

家族がバスを押すシーンは笑みがこぼれます。

この演出を考えた人は天才だ。

ただ、バスを押すだけで名場面にしてしまったんだから。

U-NEXTで配信中。

『リトル・ミス・サンシャイン』のスタッフとキャストの他の映画。

監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス:『ルビー・スパークス

アビゲイル・ブレスリン:『ゾンビランド

グレッグ・キニア:『ギフト

トニ・コレット:『ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー

スティーブ・カレル:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『ラブ・アゲイン』/『30年後の同窓会』/『ハンズ・オブ・ラブ 手のひらの勇気』/『40歳の童貞男』/『デート&ナイト』/『エンド・オブ・ザ・ワールド』/『ゲットスマート

ポール・ダノ:『LOOPER/ルーパー』/『テイキング・ライブス』/『ルビー・スパークス』/『スイス・アーミー・マン』/『ラブ&マーシー 終わらないメロディー

アラン・アーキン:『ガタカ』/『ゲット・スマート


*本ページの情報は2019年2月時点のものです。
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