設定を受け入れよう!
【ストーリー】
無人島で遭難してしまったハンク(ポール・ダノ)は生きる気力を失い、悲嘆のあまり自殺しようとする。ちょうどそのとき、海岸に流れ着いた男性の死体(ダニエル・ラドクリフ)が目に飛び込んでくる。その死体からはガスが出ており、浮力があった。ハンクが飛び乗ると、死体は水上バイクのように動き始め……。
【キャスト】
ポール・ダノ:ハンク
ダニエル・ラドクリフ:メニー
メアリー・エリザベス・ウィンステッド:サラ
【スタッフ】
監督:ダニエル・シュナイナート/ダニエル・クワン
製作総指揮:ギデオン・タドモア/ジム・カウフマン/ウィリアム・オルソン
脚本:ダニエル・シュナイナート/ダニエル・クワン
音楽:アンディ・ハル/ロバート・マクダウェル
2016年 97分
<シネマトゥデイより>
スイス・アーミー・マンは考えちゃダメだ。
スイス・アーミー・マンほど期待させてくれる映画は少ない。
死体役にダニエル・ラドクリフ。
これだけで意味分からん。
何で死体に役があるんだよと。
色々とあって死体になるんじゃなくて、最初から死体役。
そして、それを乗りこなすポール・ダノ。
文字通り乗りこなすんです。死体のダニエル・ラドクリフを。
これはもう見るしかないじゃないですか。
っで観終わった今、思ったのは大いに人を選ぶだろうなです。
僕は楽しんだけど、頭の3割ぐらいはどこか冷めている。
そんな感じでした。
スイス・アーミー・マンは設定を全て受け入れないといけません。
それが出来るかどうかで楽しめるかどうかが決まります。
死体が喋っても大丈夫!気にしないよ!
って方は心から楽しめる作品です。
何で喋るんだ?何で動くんだ?何で勃起するんだ?
こんな風に何でを考えてしまう人は向いてないかも!
ちなみにスイス・アーミー・マンの意味は、死体がスイスアーミーナイフのように様々な機能を備える事からです。
マジでこの死体は様々な機能を備えてました。
スイス・アーミー・マンのストーリー(ネタバレ)
無人島に流れ着いてしまっていたハンク(ポール・ダノ)は自殺をしようとしていた。
すると目の前に一体の死体(ダニエル・ラドクリフ)が流れ着いているのを発見する。
その死体は腐敗ガスのせいでずっとオナラを出し続けていた。そのガスのせいで沖合に出ようとしていた。
それに自殺の気持ちを削がれたハンクは死体に近づき、死体を乗りこなし無人島を脱出するのだった。
だが、行き着いた先は別の無人島。
そこでハンクは死体と共に生活する事に。
洞窟で夜を過ごした翌朝、死体が口から水を流している事に気づくハンク。
さらに腹を押すとさらに水が出るのだった。
そして、なんと喋りだし自らの事をメニーと名乗る。
メニーは水筒の役割の他にも様々な使いみちがあり、ハンクの生活を助ける。
メニーの勃起したチンコが方位磁石の役割をしている事に気づいたハンクはその方角に歩き出し街に帰ろうとする。
その道すがら、ハンクは好きだった女性の話をメニーに聞かせ、メニーもその女性に胸をときめかすのだった。
様々な障害を乗り越えて、なんと街に出た2人。
そこは好きだった女性サラの家だった。
急に現れた2人にサラは驚き、警察を呼ぶ。
全く動かなくなったメニーは死体袋に入れられ、ハンクはテレビインタビューを受けていた。
だが、メニーが見知らぬ土地に埋葬され名のない墓標が立つことを嫌がったハンクは死体を奪う。
メニーはいくら呼びかけても反応しなくなっていた。
だが、海辺まで行きハンクが警察に逮捕されそうになる時、メニーはオナラで動き出し沖合に向かう。
その時の表情は笑顔だった。
スイス・アーミー・マンのメニーとは何だったのか?
あらすじだけ読んでもよく分からないでしょう。
最初のメニーのオナラの力で違う島に向かう所で観るのを諦める人もいると思う。
スイス・アーミー・マンはありえない出来事の連続だ。
メニーはただの死体ではない。
水筒、銃、斧、火打ち石、コンパス、ジェット噴射…
こんな生活に役立つ機能がある。
そして話すのだ。
感情もしっかりあり、自分の意見も述べる。
でも記憶を失ってるから過去に何があったのかは語られない。
この設定を受け入れられますか?
僕は何かオチがあると思っていた。
実はハンクも死んでいて、全てはハンクが夢見ていた幻の世界だった。
メニーが実は生きていて、仮死状態だった(ありえないけど)。
メニーはハンクが作り出した幻だった。
こんな感じで何かしらの説明を期待してしまった。
でも、最後までなかった。
そんな事を求める映画ではなかったのだ。
こんなぶっ飛んだ映画に理屈を求める方が間違いなのだ。
死体は喋るし動くし感情を持つ。
それが何か?って感じなのだ。
メニーが幻だった説もあるみたいですが、、まあ解釈は人それぞれですからね。
僕の解釈は、メニーは死体で、喋るし、動く。
ただ、それだけです。
それが何か?
スイス・アーミー・マンの主演、ポール・ダノとダニエル・ラドクリフ
この2人は最高だった。
死体役のダニエル・ラドクリフ。
こんなに死体が似合う人いるのかな?
こんなに死体なのに動いても違和感ない人いるのかな?
って感じで完全にはまり役だった。
ハリーの次に似合っていたと言っても過言ではない。
最後、沖合に出る時の笑顔はぐっときてしまった。
オナラで進んでるのに、、すっかり下品さを忘れていた。
ポール・ダノもバッチリでした。
無人島でもイケてない役がしっくり来る。
何よりもまるで似合ってない女装。
そこから我に帰るポール・ダノ。
最高でした。
『スイス・アーミー・マン』のまとめ
好き嫌い分かれて当然の作品です。
僕は下品さに少し白けてしまったけど、劇場だったら笑ってる人いるんだろうなと思いました。
この下品で死体が喋るっていう奇妙な設定に、めちゃくちゃ綺麗な映像。
このギャップは良かったです。
手作り映画館やカフェを作るシュールさは良かった。
後は終盤、ハンクがサラに話しかける事が出来なかった事を責めるシーン。
怖かったからだよ 怯えてて醜い役立たずな男だから。
みんな少しは醜い 人はみんな醜いのかも 1人が”それでも平気だ”と言えば みんな歌って踊りオナラする 寂しくなくなるさ。
下品な死体にこんな事言われるなんてね。
でも、この言葉は真実だし名言だと思う。
U-NEXT/Netflixで配信中。
『スイス・アーミー・マン』のキャストと他の映画。
ポール・ダノ:『LOOPER/ルーパー』/『テイキング・ライブス』/『リトル・ミス・サンシャイン』/『ルビー・スパークス』/『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
ダニエル・ラドクリフ:『グランド・イリュージョン2 見破られたトリック』
*本ページの情報は2019年3月時点のものです。
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