『ルビー・スパークス』☆☆☆☆☆☆☆ サマーよりも苦い ネタバレ映画レビューブログ

ルビー・スパークス ☆☆☆☆☆☆☆




ルビー・スパークス

結局は空想なんだよな、、、

【ストーリー】

若くして天才作家としてもてはやされたカルヴィン(ポール・ダノ)だったが、今ではひどいスランプに陥ってしまっている。そこで、理想の女の子“ルビー・スパークス”の物語を書くことに。執筆に没頭していたある日、何とカルヴィンの前に自分が空想して作り上げていたルビー(ゾーイ・カザン)が現われ……。

【キャスト】

ポール・ダノ:カルヴィン

ゾーイ・カザン:ルビー

アントニオ・バンデラス:モート

アネット・ベニング:ガートルード

スティーヴ・クーガン:ラングドン

エリオット・グールド:ローゼンタール博士

クリス・メッシーナ:ハリー

アーシフ・マンドヴィ

トニ・トラックス

デボラ・アン・ウォール

アリア・ショウカット

イードゥン・ブローリン

【スタッフ】

監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス

製作総指揮:ロバート・グラフ/ゾーイ・カザン/ポール・ダノ

脚本:ゾーイ・カザン

音楽 :ニック・ウラタ

2012年 104分

<シネマトゥデイより>

ルビー・スパークスはキュートで苦くてサマーよりも重い。

ルビー・スパークス

リトル・ミス・サンシャイン』の監督×『(500日)のサマー』のスタジオが贈るキュートで新しい、ミラクル・ラブストーリー!

ルビー・スパークスの公式ホームページに大々的に書いている。

これが余計だった。

公式が変な先入観を持たせないでほしい。

見る側はどうしても類似点を探すし、違いも探す。

そして比較をする。

ポール・ダノはジョセフ・ゴードン=レヴィットに。

ゾーイ・カザンはゾーイ・デシャネルに。

ルビー・スパークスはもっとフラットな気持ちで楽しみたかった。

そしたらもっと楽しめたし、別の感情を持つことが出来たはず。

ルビー・スパークス自体は何も悪くないのに。

『(500日)のサマー』のノリでパートナーと見るにはちょっと重い。

そして、ポール・ダノ演じるカルヴィンはジョセフ・ゴードン=レヴィット演じるトムほど爽やかではない。

特に終盤、見ていてキツイし、イライラするし、悲しくなる。

そして、最後のオチも残念だ。

これも『(500日)のサマー』と比べてしまうから。

何で比較対象を自分たちで言ってしまうのか。

それを大幅に上回る楽しさがあれば別にいいけど、、ルビー・スパークスはそうではない。

全然悪い映画じゃないのに。

ルビー・スパークスのストーリー(ネタバレ)

ルビー・スパークス

若くして偉大な作品を生み出してからスランプに陥り、新しい本を書けずにいるカルヴィン(ポール・ダノ)。

ある日、通っている精神科医の勧めで、夢で見た女性について書いたらいいと言われる。

カルヴィンは夢で見た理想の女性を書き始める。

夢中で書いた後、そのままタイプライターの前で寝てしまったカルヴィン。

目が覚めて階下に降りると、そこには夢で見た女性、ルビー(ゾーイ・カザン)が立っていたのだ。

この現実が信じられないカルヴィンはルビーを連れて外に出る。

すると街行く人々にもルビーが見えるのだった。

これは現実だと確信したカルヴィンはルビーについて書くことを止める。

全て自分の思い通りになってしまうからだ。

ルビーにどんどん惹かれていくカルヴィンだったが、徐々に距離が出始める。

ルビーは社交的で魅力的だった。

カルヴィンはこのままだと自分が捨てられると思い始める。

そこでまた、自分の思い通りになるようにルビーの事を書き始めるのだった。

あるパーティーでカルヴィンが元カノと話している間、ルビーは時間を持て余す。

その時にベテラン作家のラングドンに誘惑されたルビーは下着姿でプールに入ろうとしていた。

その場面にカルヴィンが現れ、慌ててルビーを連れて帰る。

ルビーはカルヴィンへの不満をぶつけ出ていこうとする。

するとタイプライターの前に座ったカルヴィンはルビーを操り、ルビーが自分の創作物だと告げる。

ルビーを好き勝手に操ったカルヴィンは自己嫌悪と虚しさを覚え、ルビーを開放する。

次の日目覚めるとルビーの姿はなくなっていた。

傷心のカルヴィンを、ルビーの事を知っていた兄のハリーは慰める。

そして、2人の事を小説にしたらいいと勧める。

カルヴィンはルビーとの事を書いた小説『The Girlfriend』を出版。

この本は大ヒットとなる。

ある日、愛犬を散歩している時に『The Girlfriend』を呼んでいる女性と出会う。

彼女はルビーそっくりだった。

ルビー・スパークスのカルヴィンを好きになれない。

ルビー・スパークス

おい!公式!何がミラクルラブストーリーじゃ!

ただ、カルヴィンが自分の好きな女の子を創作し、好き勝手に性格をいじってご奉仕させてるだけじゃないか。

そして気に入らなかったら捨てる。

結構不快だった。

特に終盤、カルヴィンがルビーに創作物だという事実を告げた後、めちゃくちゃするシーン。

この時のカルヴィンの顔は怖かった。

そして、ルビーへの愛が全く感じられないのが辛かった。

フランス語を話させ、犬にさせ、自分を天才と呼ばせる。

感情に任せてルビーの尊厳を踏みにじるのだ。

その後、我に返ったカルヴィンはルビーを解放する。

だけど、それは愛してるからではなかった。

ルビーがただの創作物だと気づいただけなのだ。

そして、ルビーとの事を本にしてベストセラー?

都合良すぎるだろ!

もっと苦悩しろ!

最後にルビーそっくりの女性と出会うってオチ。

どうせ上手くいかないって。

前の彼女にもルビーにも同じことを言われる。

自分しか愛してない。

ルビー・スパークスは、ルビーを通して過去の自分の駄目だった所を直して、人として成長するって映画ではない。

自分の思い通りにいかなかったら不機嫌になり、周りに気を遣わせ、最後には相手の性格を変えてしまう。

そんな主人公の話し。

もう一度言う、何がミラクルラブストーリーじゃ!

ルビー・スパークスの脚本はゾーイ・カザン。

ルビー・スパークス

ゾーイ・カザンには恐れ入りました。

こんな不幸な役柄を自身が書いていたなんて。

カルヴィンなんかよりよっぽど天才じゃないか。

そして、自分が可愛く見える演出もよく分かっている。

もちろん演出は別の人だろうけど、実際の彼氏のポール・ダノも制作に携わってるのが大きいはず。

だって、誰もが崇める美女とは言い難い(失礼なのは百も承知)ゾーイ・カザン演じるルビーが抜群に可愛いのだ。

カラータイツが好きな男なんていないけど、彼女だと可愛いのだ。

赤いエプロンも抜群に似合うし、セクシーじゃない下着も絶妙なのだ。

だからこそ、最後の尊厳を踏みにじられる所で憤慨するのだ。

カルヴィン、、殺す。

こう思った男は多いと思う。

途中の自由奔放さはサマーを感じさせる。

そして女性としての魅力はルビーの方が上だと思う。

『ルビー・スパークス』のまとめ。

ルビー・スパークス

『リトル・ミス・サンシャイン』の監督×『(500日)のサマー』のスタジオが贈るキュートで新しい、ミラクル・ラブストーリー!

この言葉は無視してください。

完全に記憶から消してください。

その方が楽しめます、、って言った所で無駄か。

7割ぐらいまでは軽めのラブストーリーでテンポよく進む話とルビーに夢中になります。

ただ、カルヴィンが実家に行くあたりから雲行きが怪しくなる。

そして気分が悪いまま終わってしまった。

このラストの流れが『(500日)のサマー』を匂わせながらも超えられなかったと大きく印象づけたと思う。

U-NEXTで配信中。

『ルビー・スパークス』のスタッフとキャストの他の映画。

監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス:『リトル・ミス・サンシャイン

ポール・ダノ:『LOOPER/ルーパー』/『テイキング・ライブス』/『リトル・ミス・サンシャイン』/『スイス・アーミー・マン』/『ラブ&マーシー 終わらないメロディー

アネット・ベニング:『キッズ・オールライト


*本ページの情報は2019年2月時点のものです。
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