マーク・ラファロだけ浮いてるぞ
【ストーリー】
同じ父親を持つジョニ(ミア・ワシコウスカ)と弟レイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)は、それぞれの母親と一緒に仲良く幸せに暮らしていた。そんなある日、自分たちの父親ポール(マーク・ラファロ)の存在が気になり始めた姉弟は、2人で彼を訪ねる。そのことがそれぞれの母親ニック(アネット・ベニング)とジュールス(ジュリアン・ムーア)に知れたことから、家族の関係がきしみだす。
【キャスト】
アネット・ベニング:ニック
ジュリアン・ムーア:ジュールス
ミア・ワシコウスカ:ジョニ
マーク・ラファロ:ポール
ジョシュ・ハッチャーソン:レイザー
ヤヤ・ダコスタ:タニア
クナル・シャーマ:ジャイ
エディ・ハッセル:クレイ
ゾーシャ・マメット:サシャ
ホアキン・ガリード:ルイス
レベッカ・ローレンス:ブルック
【スタッフ】
監督:リサ・チョロデンコ
製作総指揮:スティーヴン・サクストン/ロン・スタイン/J・トッド・ハリス/アン・オシェイ/クリスティ・キャッシュマン/リーヴァ・マーカー/アンドリュー・ソーヤー/ニール・カッツ
脚本:リサ・チョロデンコ/スチュアート・ブルムバーグ
音楽:カーター・バーウェル
2010年 110分
<シネマトゥデイより>
キッズ・オールライトは家族の繋がり
レズビアンの夫婦に子供2人の家族。子供2人が精子提供者にこっそり会いに行き関係が崩れていく。
このストーリーだけ見たら重い話しなのかなと思うかもしれない。
レズビアンが抱える葛藤とか、特殊な家庭環境のせいで子供が鬱屈しているとか、精子提供者がちょっとおかしいとか、、
見る前に色々と考えていたので構えてしまっていた。
でも、この映画は全く重さを感じさせない。テーマは軽くないけどタッチが軽いのだ。
舞台であるカリフォルニアの気候も相俟ってより明るく感じさせてくれる。
1人だけノリの軽いマーク・ラファロのおかげで、家族の絆の強さを再確認する映画である。
アネット・ベニング演じるニックの男前だけど不器用な性格。
ジュリアン・ムーア演じるジュールスの弱さ。
ミア・ワシコウスカ演じるジョニの純真さ。
ジョシュ・ハッチャーソン演じるレイザーの若さゆえの苛立ちと父親への戸惑い。
この4人の個性あるキャラが際立っていてよかった。
キッズ・オールライトにおけるマーク・ラファロの軽さ
キッズ・オールライトで唯一浮いていたのがマーク・ラファロ演じるポール。精子提供者だ。
こいつのせいで色々と家庭にヒビが入る。何かと行動が軽く迂闊なのだ。
ポールの全てが詰まっているのが精子提供した理由。
“献血より面白いと思ったから“
この発言の後、取って付けたように”人の役に立ちたかった”と言っていたが、間違いなく前者が本当の理由だろう。
特に考えず今が楽しければ良いと考えるタイプなのだ。
子供のまま大人になってしまった一番タチの悪いタイプ。
結婚もせず、良い暮らしをして、今を楽しむ。
BMWのバイクを乗っているところにポールの生き方が見える。
その時の勢いで物事を進めるから平気でジュールスと関係を持ち、一緒に暮らそうとか言える。運命だったんだと。
相手の家庭の事とか考えない。子供も一緒に住もうとか言うし。リスペクトに欠けているのだ。
でもポールとは誰も上手くいかない。
この家族はバカじゃない。
なんたってジョニの成績はオールAで大学では奨学金も貰えるほどなのだ。
物語の終盤、ニックがポールに対して『侵略者』と表現したのは過激だけど適切だった。
終わってみればポールは家族のみんなに嫌われ、ただの精子提供者に戻る。
これが可哀想とは全く思わない。自業自得だ。
でも、マーク・ラファロが演じてるからか憎めないキャラではあった。
後、こういう奴は何故かモテる。多分ジョニも好きだった。
キッズ・オールライトのミア・ワシコウスカは天使なのか
キッズ・オールライトでは主演のアネット・ベニングとマーク・ラファロがアカデミー賞にノミネートされました。
もちろん2人とも素晴らしく、アネット・ベニングは保守派の男前キャラが似合っています。
ただ、ミア・ワシコウスカの透明感と清潔感。
友達からは堅物と言われてましたが、それが抜群に似合っていまして、、
高校卒業前で親が鬱陶しくなる時期特有のイライラしてる感じもリアルだし、多分ポールに思いを寄せていたけど気持ちを伝えられない所とか、、こっちの胸が苦しくなりました。ポールに手を出されなくて本当によかった。
この映画のハイライトはジョニが一人暮らしを始める所だろう。
新しい部屋の片付けを両親がしようとするのだが、「1人にして」と家族を追い出す。
だが、1人になった途端寂しさが込み上げてきて慌てて外に探しに行くのだが、
この時の家族みんなの表情、、見送った後のジョニの泣きそうな顔、、泣かせます。
その帰り道、弟のレイザーが「別れちゃダメだよ。もう年なんだから」で追い打ち。
あーーいい映画だ。
『キッズ・オールライト』のまとめ
特殊な家庭環境ではあるが、気持ちの良い家族の話だ。
色々とトラブルは起きる。
普通ならそのまま離婚してもおかしくないし、子供も離れていってもおかしくない。
でもこの家族は何があっても一緒の家にいる。
お互いに文句を言い合いながらも共に過ごしていくのだ。
それはこの特殊な家庭環境だからこそかもしれない。
特殊な分簡単に切り捨てられる繋がりではないのだ。
それがこの家族がポールを受け入れられなかった要因だと思う。
ポールは人との繋がりを簡単に考えすぎている。
ちなみに、マークラファロとジュリアンムーアは『ブラインドネス』では夫婦になっています。
U-NEXTで配信中。
『キッズ・オールライト』のキャストの他の映画
アネット・ベニング:『ルビー・スパークス』/『20センチュリー・ウーマン』
ジュリアン・ムーア:『ジュリアン・ムーア おすすめ映画ランキングまとめ』
ミア・ワシコウスカ:『欲望のバージニア』/『マップ・トゥ・ザ・スターズ』/『イノセント・ガーデン』/『永遠の僕たち』
マーク・ラファロ」:『それでも、やっぱりパパが好き』/『グランドイリュージョン』/『グランド・イリュージョン2 見破られたトリック』/『ブラインドネス』/『コラテラル』/『エターナル・サンシャイン』
ジョシュ・ハッチャーソン:『疑わしき戦い』
*本ページの情報は2018年10月時点のものです。
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