
最高で最低のおっさん2人。
【ストーリー】
作家志望のマイルス(ポール・ジアマッティ)と売れない役者のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は、ジャックの結婚祝いを兼ねてカリフォルニアのワイナリーを巡る旅に出発する。
【キャスト】
ポール・ジアマッティ:マイルス
トーマス・ヘイデン・チャーチ:ジャック
ヴァージニア・マドセン:マヤ
サンドラ・オー:ステファニー
メアリールイーズ・バーク:マイルズの母
ジェシカ・ヘクト:ヴィクトリア
デューク・ムースキアン
M・C・ゲイニー
フィル・リーヴス
ピーター・デニス
ミッシー・ドーティ
アリシア・ライナー
【スタッフ】
監督:アレクサンダー・ペイン
原作:レックス・ピケット
脚本:アレクサンダー・ペイン/ジム・テイラー
音楽:ロルフ・ケント
2004年 130分
<シネマトゥデイより>
サイドウェイの見どころは田舎の風景。

遠い昔、何かおすすめの映画ない?
と聞かれた時に『サイドウェイ』をおすすめしたら怒られました。
オッサン2人の珍道中の何が面白いんだよ!と。
まあ言いたい事は分かるけど、僕は好きなんです。
性格が真逆のオッサン2人がぶつかり合いながらもぐだぐだ過ごす様が。
そして何よりも舞台のカリフォルニアの景色と雰囲気が。
一応ワインを飲みまくる旅に出ているので、巡る所はワイナリーがほとんどです。
なので映し出されるのは基本的に長閑な風景。
そこに出てくるのがオッサン2人。
見ていて癒やされるんです。
恋仲になる女性も妙齢なのでキラキラはしてない。
なんかそれも見ていて落ち着くんです。
都会に疲れたな、なんか閉塞感を感じるなと思った時に見てください。
サイドウェイは涙を流すような映画じゃないけど、心に沁みる映画です。
そしてポール・ジアマッティの魅力に気づく映画です。
サイドウェイのストーリー(ネタバレ)

英語教師をしつつ作家として本の出版を夢見るマイルズ(ポール・ジアマッティ)と結婚を翌週に控えた売れてない俳優のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は、ジャックの結婚祝いを兼ねてカリフォルニアのワイナリー巡りの旅行に出る。
マイルズはワイン好きでずっとこの旅行を楽しみにしていた。
ただ、ジャックの目的はナンパだった。
マイルズ行きつけの店で、ウェイトレスのマヤを見たジャックはマイルズとくっつけようとする。
マイルズは離婚した後、ずっと前妻の事を引きずっていて新しい恋が出来ずにいたのだ。
マヤも離婚したばかりでマイルズの事をよく思っていた。
この3人にマヤの友人のステファニーを加えた4人でご飯をする事に。
その夜、ジャックとステファニーは関係を持つのだった。
だが、マイルズとマヤは微妙な距離を保っていた。
ジャックは自分が結婚する事を伏せてステファニーと付き合う。
マイルズも口止めされていたが、ある日マヤにジャックの結婚の事を言ってしまう。
それを聞いたマヤは激怒。
マイルズも同罪だと嫌われてしまう。
ステファニーもその事実を知り、ジャックはステファニーにボコボコにされるのだった。
大怪我をしたジャックだったが、その後も懲りずに別の女性を追いかけ回し関係を持ち、またもトラブルになる。
マイルズはそんなジャックに呆れるが、友人の事を温かい目で見守るしかなかった。
散々だった旅を終えて帰宅した2人。
結婚式ではマイルズがジャックの付添人として、友の結婚を祝福する。
その結婚式で前妻と遭遇したマイルズ。
彼女には子供が出来ていて幸せそうに暮らしていた。
1人取り残されたマイルズだったが帰宅するとマヤから留守番電話が入っている。
その留守番電話を聞いたマイルズは慌ててマヤに会いに行くのだった。
サイドウェイはおっさんのグダグダを楽しむ映画。

真面目でネガティブなマイルズと、歩く性器ジャックのぐたぐだ旅行です。
性格は真逆。
趣味嗜好も合わない。
でも、不思議と仲の良いおっさんを見てると癒やされます。
おっさんでもこんなにネガティブで落ち込んでへこたれててもいいんだって。
おっさんでも性欲丸出しでもいいんだって。
サイドウェイは普通にダメなおっさんを描いてくれます。
無理して笑いに走らないし、破天荒でもないし、ぶっ飛んでない。
ワイナリーでワインのがぶ飲みとか、裸で一夜を共にした女の家から逃げてくるとかはありますが、この2人だとリアルに見える。
サイドウェイは何が面白いのかは上手く言えない。
正直、マヤやステファニーとの関係はどうでもいい。
もちろんストーリー上は必要だし、マヤとの関係性が大事なんだけど、僕が印象に残ってるのはおっさん2人だ。
お互いにうんざりする事も沢山あるけど離れられない。
結婚式の時のマイルズの表情は本当に嬉しそうだった。
数日前まで他の女とセックスばかりしていた男の結婚を笑顔で祝福している。
女性は嫌悪感を抱くと思うけど、男の友情はやっぱりいい!
『サイドウェイ』のまとめ

どのワインも生きてるからよ
日ごとに熟成して複雑になっていく
ピークを迎える日まで
ピークを境にワインはゆっくり坂を下り始める
そんな味わいも捨てがたいわ。
これはマヤがマイルズに言うセリフです。
サイドウェイが言いたかった事は全部このセリフに凝縮されている。
ワインだけに(やかましいわ!)
男としても女としてもピークを過ぎている登場人物。
人生が上手くいってるとも言い難い。
でも、そんな人生も悪くないのだ。
相手のピークが過ぎていても、複雑な過去も含めて愛したいのだ。
サイドウェイはワインを通して人生観を語り合います。
だから饒舌だ。
好きな事を話している時は誰だって楽しい。
でも、そこからその人の人生観を読み取れるのが聞いていて楽しい。
サイドウェイは誰かとワインを飲みながら語り合いたくなる映画です。
ちなみにアカデミー賞では脚色賞を受賞しています。
U-NEXTで配信中。
『サイドウェイ』のスタッフとキャストの他の映画。
監督:アレクサンダー・ペイン:『ファミリーツリー』
ポール・ジアマッティ:『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』/『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』/『シューテム・アップ』/『WINWIN ダメ男とダメ少年の最高の日々』
*本ページの情報は2019年3月時点のものです。
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