『危険なメソッド』☆☆☆ 理屈を並べ立てるおじさん達 ネタバレ映画レビューブログ

危険なメソッド ☆☆☆




危険なメソッド

理屈ばっかりこねやがって。

【ストーリー】

1904年、若き精神科医ユング(マイケル・ファスベンダー)は高名な精神分析医フロイト(ヴィゴ・モーテンセン)が提唱する画期的な治療法を、新しく受け持った患者ザビーナ(キーラ・ナイトレイ)に実践する。そしてユングは彼女が抱えるトラウマの原因を突き止めるが、二人は医師と患者の一線を越え禁断の関係に。やがてザビーナの存在は、ユングとフロイトとの関係に確執をもたらしていき……。

【キャスト】

キーラ・ナイトレイ:ザビーナ・シュピールライン

ヴィゴ・モーテンセン:ジークムント・フロイト

マイケル・ファスベンダー:カール・グスタフ・ユング

サラ・ガドン:エマ・ユング

ヴァンサン・カッセル:オットー・グロス

【スタッフ】

監督:デヴィッド・クローネンバーグ

製作総指揮:トーマス・スターチ/マティアス・ジマーマン/カール・シュポエリ/シュテファン・マルマン/ピーター・ワトソン

原作:ジョン・カー

脚本:クリストファー・ハンプトン

音楽:ハワード・ショア

2011年 99分

<シネマトゥデイより>

危険なメソッドの登場人物。フロイトとユングとザビーナを知ってる人〜?

危険なメソッド

この映画は2回目ですが、2回見ても良さが分からなかった。

それは僕の無知のせいでもある。

“フロイト”と”ユング”と”ザビーナ”を知っている人はどれぐらいいるのだろう?

名前を聞いた事がある人は多いかもしれない。

でも何をやっていたかまで知っている人となるともっと少なくなると思う。

この映画は主にユングとザビーナの関係の変化を中心に進んでいきます。

ユングが彼女との一線を超えたことによってフロイトとの関係も拗れていく過程を描写している。

思った事はプライド高いおじさんは面倒だな。である。

この3人の事を何も知らない人は眠くなる事必至。

小難しい会話。

理屈ばかり並び立てた会話。

プライドを守る為の会話。

ユーモアゼロ。

こっちが息つまるわ!

それでも最後まで見れるのはキーラ・ナイトレイ/ヴィゴ・モーテンセン/マイケル・ファスベンダー

この3人のお陰です。

危険なメソッドで際立つキーラ・ナイトレイの熱演。

危険なメソッド

キーラ・ナイトレイといえば『パイレーツ・オブ・カリビアン』のイメージがいまだにある。

当時17歳の彼女の可愛さに日本国民全員がビックリしたはず。輝きまくりでしたね。

そんな彼女がこの映画では大胆な演技を見せます。印象がガラリと変わりました。

キーラ・ナイトレイ演じるザビーナは重度のヒステリー患者の役。

ストーリーの序盤から彼女のぶっ飛び具合に誰もがビックリするでしょう。

あの可愛い顔がめちゃくちゃに動くのだ。本当の病人のように。ちょっとひいてしまった。

ヒステリーの原因が幼い頃に父から受けた性的トラウマだとユングに分析されてからは性に貪欲な女性になる。

ユングに関係を迫り、SMプレイを懇願する。

この時の彼女の表情、そして乳首がさりげなく露わになっている描写に役者魂を感じました。

ヴィゴ・モーテンセンとマイケル・ファスベンダー目当てに鑑賞したのに、彼女に圧倒される映画です。

危険なメソッドはデヴィッド・クローネンバーグとヴィゴ・モーテンセンのコンビだけれども。

危険なメソッド

このコンビが大好きでして、、

ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イースタン・プロミス』に続いて3作品目がこの映画です。

これだけホント全然違う。過去の2作品は丁寧に凶暴な暴力が描かれていた。指を切り落としたりね。

この映画の暴力シーンがあるとすればキーラ・ナイトレイのお尻をベルトで叩いてた所ぐらいで、、これは暴力ではなくプレイです。

過去の2作品が大好きなだけに、この映画の退屈さにはショックを隠せません。

テーマや内容は全く違っていても、もう少し楽しませてくれればよかったのですが全然楽しめずでした。

ただ、フロイト役のヴィゴ・モーテンセンの格好良さは相変わらずで、今回は割と歳の行った教授役。

渋すぎる。彼ほど葉巻の似合う役者はいないんじゃないか。

そして若き精神科医役のマイケル・ファスベンダー。

この2人が一緒に見れるなんてオジさん好きには堪らない映画です。

『危険なメソッド』のまとめ。

危険なメソッド

フロイト/ユング/ザビーナの事を何も知らない人は見ても退屈に違いない。

全く知らなくてもストーリーが楽しければいいが、この映画は楽しい話ではない。

新しい考えを受け入れない頭の固い先輩(フロイト)。

新しい発想の後輩(ユング)。

彼らによるプライドが高すぎる2人の確執は醜い。

ユングがザビーナと関係を持った後、何度も言い訳を重ねザビーナから離れようとするが、結局離れられず関係を続けるユングには嫌悪感すら抱きます。

ちなみにユングはザビーナと離れた後にも愛人を作っているという、、ただの女好きじゃないかと思わずにはいられない。

様々な意識の高い会話が多く、理屈をこねくりまわした会話は理解するのに苦労します。

でも、こんな過去の偉人も女性に溺れ、その言い訳を探している所はその辺のオッサンと何ら変わりないんだなと思いました。

この映画の時代は1900年代前半。それから100年経った今でもオッサン達は女性との関わりの言い訳を探しています。

U-NEXTで配信中。 

『危険なメソッド』のスタッフとキャストの他の映画。

監督:デヴィッド・クローネンバーグ:『マップ・トゥ・ザ・スターズ』/『ヒストリー・オブ・バイオレンス

マイケル・ファスベンダー:『エージェント・マロリー

ヴィゴ・モーテンセン:『はじまりへの旅』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』/『オン・ザ・ロード』/『ダイヤルM』/『ギリシャに消えた嘘』/『28DAYS

キーラ・ナイトレイ:『素晴らしきかな、人生』/『エンド・オブ・ザ・ワールド』/『はじまりのうた


*本ページの情報は2018年10月時点のものです。
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