L.Aサウス・セントラルには一生行きません。
【ストーリー】
ロサンゼルスの重犯罪多発地区サウス・セントラルを担当する白人巡査テイラー(ジェイク・ギレンホール)とメキシコ系巡査ザヴァラ(マイケル・ペーニャ)は、固い絆で結ばれた警官コンビ。パトロール中に通報を受けて向かった家で、図らずもメキシコ麻薬カルテルの秘密に触れてしまう。組織の怒りを買った二人は命を狙われてしまい……。
【キャスト】
ジェイク・ギレンホール:ブライアン・テイラー巡査
マイケル・ペーニャ:マイク・ザヴァラ巡査
アナ・ケンドリック:ジャネット
ナタリー・マルティネス:ガビー・ザヴァラ
アメリカ・フェレーラ:オロス巡査
フランク・グリロ:巡査部長
デヴィッド・ハーバー:ヴァン・ハウザー
ハイメ・フィッツシモンズ
モーリス・コンプト
クリー・スローン
ションドレラ・エイヴリー
【スタッフ】
監督:デヴィッド・エアー
製作総指揮:ランドール・エメット/ステパン・マーティローシアン/レミントン・チェイス/アダム・カッサン/クリサン・ヴァージェス/ガイ・イースト/トビン・アームブラスト/ジェイク・ギレンホール
脚本:デヴィッド・エアー
音楽:デヴィッド・サーディ
2012年 109分
<シネマトゥデイより>
エンド・オブ・ウォッチは警察24時シリーズみたいだと思ってたら、、、
テレビ番組改編期によくあるやつで、密着!警察24時!みたいなのがある。
警察官の日常や逮捕の瞬間が描かれるノンフィクションだ。
っで、エンド・オブ・ウォッチ。
密着!L.A(サウス・セントラル)警察24時!である。
ジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャがバディを組んで町中をパトロールします。
パトロール前の気の抜けた会話。
同僚との軽いやりとり。
パトロール中の緊張感。
黒人とヒスパニックの縄張り争い。
休日の彼女との日常。
エンド・オブ・ウォッチは途中まで大きな事件は起こらない。
なんだ刑事の日常映画か。
タフな日常だけど、常に気を張ってる訳じゃないのね。
この人達も僕らと同じ人間なんだって事を言いたいのかな。
って、思っていたらである。
完全に気を抜いていたらである。
まさかの超ハードな展開に。
なるほど。
ちょくちょく挟んでた事件は意味があった訳ね。
ここに繋げる為だったのか。
にしても、、、
エンド・オブ・ウォッチを見ると、確実にジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャのファンになります。
この2人のやり取りは心地よく、見ていてニヤつきます。
日常会話系が大好きな僕は大ハマリしました。
なのに、、、
エンド・オブ・ウォッチは、日本の警察24時の100倍ヤバイ。
これは大袈裟ではない。
サウス・セントラルには一生行きたくない。
ジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャがパトロールしている街は、そんな所でした。
エンド・オブ・ウォッチのストーリー(ネタバレ)
ロサンゼルスの中でも特に治安の悪いサウス・セントラル地区。
ブライアン(ジェイク・ギレンホール)とマイク(マイケル・ペーニャ)は仲良しのバディ。
ブライアンは付き合いたてのジャネット(アナ・ケンドリック)、マイクには奥さんがいた。
2人はパトロール中に偶然遭遇した事件や、火事、ギャング同士の抗争などに遭遇しながらも、充実した生活を送っていた。
ある日、偶然にもメキシコ麻薬カルテルのアジトを何度か発見してしまう。
それにより麻薬カルテルの大物に目をつけられた2人は命を狙われる。
そして、重武装したギャングに追い詰められ、ブライアンは胸を撃たれて意識を失う。
マイクはブライアンをかばうように撃たれて死んでしまうのだった。
ブライアンは奇跡的に意識を取り戻す。
マイクの警察葬が執り行われ、ブライアンは壇上に呼ばれる。
「彼は兄弟だった」
ブライアンはこの言葉しか言えなかった。
エンド・オブ・ウォッチの終わり方。
初めて見た時の衝撃はなかなか忘れられない。
まさかマイクが死んでしまうなんて。
2人のパトロールの映像で、サウス・セントラルの治安の悪さは十分に描かれる。
ヒスパニック系のギャングが、黒人の家を襲撃する映像。
幼児虐待をする家族。
警官を前にしても大麻をふかすギャング達。
普通のルートでは出回らないAK-47(自動小銃)を持つギャング。
大量の麻薬に札束。
人身売買される人々が集められた劣悪な部屋。
何かの儀式が行われ、バラバラになった死体が散乱している部屋。
目にナイフを突き立てられた同僚に、ボコボコにされた新人女性警察官。
とても、これが日常だとは思えないハードな環境だ。
そんな中でも、ブライアンとマイクは楽しんでいた。
2人でいる時は、くだらない会話や家族について話し笑い合っていたのだ。
そこには事件で遭遇する過酷な環境を忘れさせる幸せな空間が描かれていた。
なのに、、、
ストーリーは8割ぐらい進んだあたりで、急変する。
今まで偶然にも遭遇してしまっていた麻薬カルテルの大物を怒らせてしまったのだ。
それまでにも、何度か2人は警告されていた。
FBIやギャング達にも気をつけるように言われていたのだ。
それでも描かれていたのは日常だった。
だから、敵に追い詰められ逃げ場がない状況でも、死ぬわけがないと思っていた。
だってエンド・オブ・ウォッチは映画だから。
リアルに描いているけど、これはフィクションだ。
最後に大きな山場を作っただけで、逃げれると思っていた。
もしくは助けが来て、返り討ちにすると思っていた。
だけど、まずブライアンが撃たれて意識を失う。
そしてブライアンを介抱している背後には、ギャングが銃を持って立っていた。
そしてマイクは蜂の巣にされる。
これほど悲しいシーンはない。
散々2人の幸せな風景を描いていたのに、どん底に落とされる。
ブライアンは生きていて(この辺は映画らしい)警察葬での言葉。
「彼は兄弟だった」
この言葉しか言えなかった。
思いは溢れているのに言葉にはならなかった。
2人の関係は言葉に出来るほど簡単ではないのだ。
そして、自分をかばって死んだ友にかける言葉なんてないのだ。
エンド・オブ・ウォッチは、この警察葬のシーンの後、2人が襲撃された日の映像で終わる。
普通の映画なら、警察葬のシーンで終わってもおかしくないのに。
そこで描かれるのは何てことない日常の会話だった。
しかもなかなか下品な会話だ。
そんな多幸感ある風景を見せてエンド・オブ・ウォッチは終わる。
このせいで、より悲しさが増した。
エンド・オブ・ウォッチのキャストのハマり具合。
エンド・オブ・ウォッチのキャストは最高だった。
主演はジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャ。
もう最高です。
二人共ユーモアのセンスが抜群。
ジェイク・ギレンホールは可愛いダンスと、抜群のメキシカンいじり。
事件の時と、プライベートの時ではまるで表情が違う。
でも、やはり最後の警察葬のシーンは忘れられない。
彼は目に涙をためながらも泣かない。
でも、言葉が出てこない。
こっちが泣きそうになります。
マイケル・ペーニャはおしゃべりクソ野郎です(良い意味で)
ジェイク・ギレンホールとの絡みはもちろんですが、嫁さんとの絡みが最高でして。
もうね、見ていて幸せなんですよ。
嫁さんも下ネタをいっぱい言うけど、下品じゃない。
家族を愛する描写が多いのはわざとだったんでしょう。
最後の悲しみを深くさせる為に。
エンド・オブ・ウォッチには出番は多くないけど、大好きなアナ・ケンドリックも出演しています。
ジェイク・ギレンホールの彼女役。
初めて家に泊まった後、1人こそこそ起きて、カメラで録画するシーンがあるんです。
男性用の大きなTシャツを着てるだけで大満足なんですが、そこからが可愛い。
もうね、可愛い。
説明したくないから見てください。
『エンド・オブ・ウォッチ』のまとめ。
なかなかハードな警察物です。
何も知らずに観たら、最後の展開に悲しくなるでしょう。
ただ、監督がデヴィッド・エアーだと知ってたら覚悟は出来てたはず。
この人が生ぬるい映画を撮るわけがないのだ。
『トレーニングデイ』の脚本や『フューリー』の人ですからね。
エンド・オブ・ウォッチは警察物だけど珍しい。
汚職はしないし、1つの事件を解決するって話ではない。
警官の日常を切り取った傑作映画です。
U-NEXT/Netflixで配信中。
『エンド・オブ・ウォッチ』のスタッフとキャストの他の映画
監督:デヴィッド・エアー:『フェイクシティ ある男のルール』/『トレーニングデイ』(脚本)
ジェイク・ギレンホール:『ゾディアック』/『ラブ&ドラッグ』/『サウスポー』/『ナイトクローラー』/『ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー』
マイケル・ペーニャ:『 L.Aギャングストーリー』/『素晴らしきかな、人生』/『アントマン&ワスプ』/『バッドガイズ!!』
アナ・ケンドリック:『50/50 フィフティ・フィフティ』/『マイレージ、マイライフ』/『ハッピーボイス・キラー』/『バッド・バディ!私と彼の暗殺デート』
*本ページの情報は2019年2月時点のものです。
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