『トレーニングデイ』☆☆☆☆☆☆☆☆ ハードな訓練日 ネタバレ映画レビューブログ

トレーニングデイ ☆☆☆☆☆☆☆☆




トレーニングデイ

これが1日の出来事だったなんてね、、、

【ストーリー】

ロサンゼルス市警の麻薬取締課に配属となった新人刑事ジェイク。一緒にコンビを組み彼に麻薬捜査のいろはを教え込むのはベテラン刑事のアロンソ。数々の大事件を解決し、麻薬に絡むあらゆることを熟知している伝説的カリスマ刑事だ。まさにジェイクの手本であり憧れの存在。そんなアロンソはジェイクにまずはじめに「かよわい子羊でいるのか。獰猛な狼になるのか。それを選べ」と忠告する。そして、ジェイクが目にしたのは、犯罪摘発のためにはいともたやすく自ら法を犯すアロンソの姿だった。とまどうジェイクをよそにアロンソの行動はエスカレートしていく……。

【キャスト】

デンゼル・ワシントン:アロンゾ・ハリス

イーサン・ホーク:ジェイク・ホイト

スコット・グレン:ロジャー

エヴァ・メンデス:サラ

シャーロット・アヤナ:リサ・ホイト

トム・ベレンジャー:スタン

スヌープ・ドッグ:ブルー

ハリス・ユーリン:ダグ

レイモンド・J・バリー:ルー

クリフ・カーティス:スマイリー

レイモンド・クルツ:スニッパー

ドクター・ドレー

【スタッフ】

監督:アントワーン・フークア

製作総指揮:ブルース・バーマン/デイヴィス・グッゲンハイム

脚本:デヴィッド・エアー

音楽:マーク・マンシーナ

2001年 120分

<allcinemaONLINEより>

トレーニングデイは1日の出来事。

トレーニングデイ

とんでもない訓練日 (トレーニングデイ)の映画です。

新人警察官がL.A市警麻薬捜査課に配属された1日を描きます。

アントワーン・フークアの出世作。

デヴィッド・エアーの初単独脚本の作品。

この2人が組んで生温い映画になるはずがない。

これは警察なのか?

と思わせるほど腐敗が進んでいる麻薬捜査課。

手を貸す検事や警部やギャング達。

そんな中に正義感の強い新人が入ってくる。

最初は馴染めない新人が、徐々に馴染み手を取り合って巨悪を逮捕する。

そんなあるあるな展開は一度もない。

恐ろしく怖い先輩捜査官に言葉たくみに脅され、協力させられ、売られ、反撃する。

こんなとんでもない映画なのだ。

こんな警察映画は他では見れない。

トレーニングデイのストーリー(ネタバレ)

トレーニングデイ

L.A市警麻薬捜査課に希望して配属された新人警官ジェイク(イーサン・ホーク)

彼は麻薬捜査課で実績を上げ、妻と一人娘の為に出世を夢見ていた。

そんなジェイクとバディを組むのがベテラン捜査官のアロンゾ(デンゼル・ワシントン)

アロンゾはとても警官とは思えない服装と言動、そして車でジェイクの教育をしていく。

ある若い連中が麻薬を買っている現場を発見した2人。

2人は大麻を押収し、若者達を帰す。

するとアロンゾは押収した大麻をジェイクに吸わせようとする。

正義感が強く真面目なジェイクは断るが、物凄い剣幕と拳銃で脅され大麻を吸う。

アロンゾ曰く、一流の捜査官は麻薬の事を知らなければ駄目だという事だった。

ジェイクはラリったままだが、大物麻薬密売人のロジャーに会いに行く2人。

アロンゾとロジャーは旧知の仲で、アロンゾはロジャーを見逃す代わりに情報を仕入れていた。

ロジャーはアロンゾがラスベガスでロシアンマフィアと揉めた事を気にしていたが、アロンゾは大丈夫だと言う。

ロジャーの家から去った2人は、ある少女がレイプされそうになっている所を発見する。

アロンゾは興味を示さなかったが、ジェイクは慌てて助けに行く。

ジェイクはレイプ犯から金だけを奪い、逮捕をしないアロンゾに苛立ちを覚える。

アロンゾは下っ端の逮捕には興味がないのだった。

2人の価値観は合わないままだったが、訓練は続く。

ある、麻薬売人から胴元の情報を仕入れたアロンゾ。

その家に行き、偽の捜査令状を使っていきなり家宅捜査を始める。

そこでアロンゾは大金を盗むのだった。

その後、アロンゾは1人では絶対に行ってはいけないと言われているギャングのエリアに。

アロンゾはそこに愛人を囲っているのだった。

事を済ませたアロンゾは、ロス市警の幹部や検事などと会う。

そこでロシアンマフィアから狙われている事を忠告されるが、金で解決すると言う。

その金を用意する為に狙ったのはロジャーだった。

麻薬の胴元から仕入れた金で逮捕令状を買い、仲間を数人連れてロジャーの元に向かう。

ロジャーは老後にフィリピンで悠々と暮らす為の隠し財産があった。

それを知っていたアロンゾは金を奪い、ロジャーを射殺する。

ジェイクは奪った金や、今回の捜査の違法性に嫌気が差す。

だが、アロンゾはジェイクを仲間に引き入れる為に、ロジャーを撃ったのはジェイクという事にする。

大事なのは事実ではなく、証言だと周りの仲間と口裏を合わせジェイクの反抗を抑え込む。

その後、アロンゾは服役中の情報屋の家に行く。

家族の世話をする約束をしていると。

そこで、アロンゾはジェイクを置いて消える。

アロンゾはそこにいるギャング達にジェイクを殺すように頼んでいたのだった。

ジェイクが殺されそうになる間際、財布を漁ろうとしたギャングがあるパスケースを見つける。

それは昼間助けた少女のパスケースだった。

その少女とギャングは従兄弟で、昼間助けた事を確認するとジェイクを解放する。

裏切りにあったジェイクはアロンゾを探しにギャングエリアの愛人の元に。

そこでアロンゾを見つけたジェイクは銃撃戦や格闘の末、アロンゾから金を奪う。

この金で自らの無実を証明しようとしたのだった。

金を奪われたアロンゾは車でその場を離れる。

だが、黒塗りのバンに囲まれたアロンゾはロシアマフィアに蜂の巣にされるのだった。

とんでもないトレーニングデイ(訓練日)

トレーニングデイ

新人警官配属→ベテラン捜査官の借金返済の為に濡れ衣着せられ、殺されそうになる→なんとか逃げ、金を奪う→ベテラン捜査官は蜂の巣に。

こんな話です。

都合の良すぎる展開で若干冷めます。

ストーリーだけ見ると凄い面白いわけではない。

レイプされそうな少女を助けるシーンは伏線だってバレバレ。

ロシアマフィアとの揉め事の清算が最後にあるなってのも丸わかり。

終盤、銃口を突きつけられピンチになったジェイクが死ぬ訳ないと分かっている。

 

それでも、緊張感が終始漂います。

 

何故か?

 

抜群にリアルな雰囲気が終始漂っているからだ。

 

街の雰囲気、出てくるギャング達、愛人まで。

 

細かい所に物凄いこだわりを感じる。

実際のギャングの街でロケをしているだけある。

ただ、何よりも緊張感を醸し出すのがアロンゾ。

彼が何者か分からないのだ。

警官の制服も着てなければ、パトカーにすら乗っていない。

数々のギャングと持ちつ持たれつの関係を築き、ジェイクにも違法行為を強要する。

当たり前のように友人だと言っていた人を撃ち殺す。

そんな彼も正義を語る。

レイプ犯を逮捕しなかった事をジェイクに責められた時だ。

「ほかの悪党どもが始末してくれる」

「正義は?」

「正義だろ」

「悪のね」

「悪いか?」

「殺し合いをさせて?」

「そうとも 構うか どうせ悪党だ だが、現実は善良な市民が殺される 児童、母親、家族思いの夫 流れ弾に当たってな 羊を守る為に狼を捕まえる 狼を倒せるのは狼だけ」

アロンゾは自分が逮捕した連中の服役年数は1万5千年以上だと得意げに言う。

悪徳刑事でも彼なりの正義がある。

だからこそジェイクは簡単に突き放せない。

ジェイクは出世を夢見る若手捜査官だ。

出世の為に先輩の言う事は聞く。

でも、正義感が強すぎるあまり何度もアロンゾと衝突する。

だけど、いつも折れるのはジェイクだった。

脅され、言い包められてる感じもするが、アロンゾの言葉にも説得力を感じている。

そして、自分の後継者だと賞賛される事で、ますますアロンゾを裏切れなくなる。

だが、最終的にジェイクは売られ、殺されそうになったのをきっかけにアロンゾと袂を別つ。

そこには、警察としても正義と言うよりも、私怨を感じさせた。

ジェイクもトレーニングデイを経て、アロンゾの雰囲気の一部を纏っていた。

デンゼル・ワシントンとイーサン・ホークの説得力。

トレーニングデイ

この映画で、アカデミー賞主演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントン。

アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたイーサン・ホーク。

この2人の説得力でトレーニングデイは成立している。

ベテラン汚職刑事、アロンゾ:デンゼル・ワシントン。

風貌からして刑事に見えない。

相手を見事に言い包める話術、当たり前のように突きつける銃口。

容赦のない暴力に、情けをかけない冷徹さ。

ギャングの大物じゃねーか!

愛人(エヴァ・メンデス )も可愛いし。

それを演じるデンゼル・ワシントンのカッコ良さ。

基本的に優しくて大らかで正義の味方を演じる事が多いが、悪も似合いますね。

最後の散り際も良かったです。

そこまで撃つかっていうロシアマフィアの容赦ない最後が似合ってた。

使命と野心に溢れた若き警察官、エディ:イーサン・ホーク

アロンゾにやられっぱなしのエディを演じたイーサン・ホークにもアカデミー賞をとってほしかった。

それぐらいハマってます。

正義感からくる葛藤。

嫁と娘の為に出世したい。

でも、自分の命を守らなきゃ。

エディはめちゃくちゃ可哀想なキャラなんです。

だって異動初日にこんなんなってますからね。

相棒に売られてるんですから。

それでも、最後アロンゾを追い詰めた所はカッコよかった。

最後までやられっぱなしじゃない所に惚れました。

『トレーニングデイ』のまとめ。

トレーニングデイ

悪徳警官が出てくる映画は沢山あります。

以前紹介した『フェイクシティ ある男のルール』なんかもそうです。

ちなみに脚本も同じデヴィッド・エアー。

だけど、クオリティは全然違う。

リアルな雰囲気。

キャストの説得力。

これらが合わさったこの映画は間違いなく名作です。

 

ちなみに『マグニフィセント・セブン』で、監督とキャストは再共演しています。

U-NEXT/Hulu/PrimeVideoで配信中。 

『トレーニングデイ』のスタッフとキャストの他の映画。

監督:アントワーン・フークア:『サウスポー

脚本:デヴィッド・エアー:『フェイクシティ ある男のルール

デンゼル・ワシントン:『インサイドマン』/『マイ・ボディガード』/『デンジャラス・ラン』/『2ガンズ』/『ザ・ウォーカー』/『クライシス・オブ・アメリカ』/『ペリカン文書』/『悪魔を憐れむ歌』/『アンストッパブル

イーサン・ホーク:『イーサン・ホーク おすすめ映画ランキングまとめ


*本ページの情報は2019年1月時点のものです。
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