『マネーボール』☆☆☆☆☆☆☆☆☆ パパはおバカ もっと野球を楽しんで ネタバレ映画レビューブログ

マネーボール ☆☆☆☆☆☆☆☆☆




マネーボール

これは映画みたいな本当の話し。

【ストーリー】

元プロ野球選手で短気な性格のビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、アスレチックスのゼネラルマネージャーに就任する。チームはワールド・チャンピオンになるには程遠い状態で、優秀な選手は雇えない貧乏球団だった。あるとき、ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)というデータ分析にたけた人物との出会いをきっかけに、「マネーボール理論」を作り上げる。しかし、「マネーボール理論」に対し選手や監督からは反発を受けてしまい……。

【キャスト】

ブラッド・ピット:ビリー・ビーン

ジョナ・ヒル:ピーター・ブランド

フィリップ・シーモア・ホフマン:アート・ハウ監督

ロビン・ライト:シャロン

クリス・プラット:スコット・ハッテバーグ

ケリス・ドーシー:ケイシー・ビーン

スティーヴン・ビショップ:デヴィッド・ジャスティス

【スタッフ】

監督:ベネット・ミラー

製作総指揮:アンドリュー・カーシュ/シドニー・キンメル/マーク・バクシ

原作:マイケル・ルイス

脚本:スティーヴン・ザイリアン/アーロン・ソーキン

音楽:マイケル・ダナ

2011年 133分

<シネマトゥデイより>

マネーボールは映画みたいな本当の話。

マネーボール

途中は鳥肌の連続です。

ブラッド・ピットの抑えた演技と下ネタを一切言わないジョナ・ヒルの演技に鳥肌。

ありえない試合展開に鳥肌。

ひっそり出ていたクリス・プラットに鳥肌。←嘘です。クリス・プラットは出ていますが。

この映画はブラッド・ピット演じるメジャーリーグのGMは主役。

この時点で女性は興味を失うかもしれない。男性もチラホラか、、

日本の野球の事すら知らないのに、さらに海を渡ってメジャーリーグ、しかも選手じゃなくてGM。

GMの仕事すらよく分からないですよね。馴染みがない。

簡単に言うとチームの編成を決める仕事です。

船を作って指針を決めるのがGM。船長が監督。

野球の事を全く知らない人はしんどいかもしれない。

出塁率?四球?長打率?盗塁?バント?ヤンキース?レッドソックス?ジアンビー?

みたいな感じでちょっと混乱するかもしれません。

試合展開の鳥肌も薄れるかもしれません。

それでも、是非見てほしい。この映画のような実話を。

ちなみに監督はベネット・ミラー、脚本はアーロン・ソーキン、スティーブン・ザイリアン。

これはめっちゃ豪華スタッフです。

ちなみにこの映画はアカデミー賞作品賞にノミネートされています。

野球界に一石を投じたマネーボールの理論。

マネーボール

元メジャーリーガーだったビリー(ブラッド・ピット)はアスレチックスのGMでチームの再建に着手する。

貧乏クラブのアスレチックスは毎年のように有望な選手を金満クラブに引き抜かれていた。

旧式のスカウトの眼力にだけを頼った選手補強ではいつまでたっても勝てないと思ったビリーは、インディアンスに選手の交渉に行った際にやたら選手のデータに詳しいピーター(ジョナ・ヒル)と出会う。

選手ではなくピーターを引き抜いたビリーはチームの再建に”セイバーメトリクス“を導入する。

セイバーメトリクスとは各種統計から選手を客観的に評価する事だ。

全く新しい手法で選手の獲得を望むビリーにスカウトマンは反発する。

監督(フィリップ・シーモア・ホフマン)もビリーが獲得した選手を使わない。

そのまま連敗街道まっしぐらだったアスレチックスにビリーは鞭を入れる。

ビリーの意図した選手を使わせる為に他の選手をトレードに出したり降格させたのだ。

仕方なくビリーの選手を使うようになり意図したチームが作れるようになったのと、選手のデータが溜まってきて1人1人にアドバイスを送れるようになったチームは激変する。

シーズン中盤には20連勝というメジャー新記録を叩き出すのだ。

それでもアスレチックスはワールドシリーズでは勝てず敗退。

シーズン終了後、ビリーはレッドソックス(金満クラブ)からオファーをもらう。

セイバーメトリクスを駆使した手腕が評価されたのだ。

契約金はスポーツ史上最高額のGMが誕生する金額。1250万ドル。

だが、ビリーはこの話を蹴ってアスレチックスに残る。


これが実話っていうのが一番の驚きです。

野球を少しでも知っている人なら分かる20連勝の凄さ。

ここまでの展開が鳥肌ものでして。

最初は全然勝てないんです。

補強した選手を使わない監督とずっと揉め続けるし、スカウトの1人も辞めます。

でも、信念を曲げないビリー。

自分が獲得した選手を使わせる為にオールスターに選出される選手までトレードに出す。

慌てて止めようとするピーターにビリーは言う。

「きっとクビになる その時俺は高卒の44歳で、大学へ行かせたい娘もいる 君は25歳 イェール大学卒 立派な職歴もある だが何が大切だ 大切なのはこれを本気で信じているかだ 誰に説明が必要だ? 誰にも必要ない」

ビリーは過去に有望な若手選手だった。

スカウトにおだてられ大学に行けるにも関わらずプロ契約を結んだ。

でも、プロ入りしてからは鳴かず飛ばずで結果をだせないまま引退した過去があるのだ。

GMになってからも旧体質なままのスカウト陣に対してフラストレーションを溜めていたのもある。

このままではいつまで経っても金満クラブのファームになってしまう危機感もある。

でも周りの野球関係者は誰もその危機を感じていない。

そこで出会ったのがピーターなのだ。彼のセイバーメトリクスの考え方なのだ。

それを諦めてしまったらいつまで経ってもチームも野球界は変わらない。

“人は野球に夢を見る”

ビリーはこれを実証したいのだ。

自分の考えの為に選手をトレードに出し、スカウトもクビにするビリーを身勝手な人と捉える人もいるだろう。

特に監督はかわいそうだ。自分が使ってた選手が何の相談もなしに使えなくなったのだから。

でも、それまでのビリーを見ていたら彼の執念が分かる。

そして仕事としてプロに徹しているのがどちらなのかは一目瞭然だ。

これは草野球ではなくメジャーリーグなのだ。

そこでビリーが学生の頃にスカウトマンに言われたセリフが蘇る

「誰でも少年野球を卒業する日が来る それがいつかは人による ある者は18歳だし40歳の者もいる だがいつか来る これは生涯一度のチャンスだ」

ビリーはとっくに少年野球を卒業しているのだ。

これを知っていたらビリーをただの非常な人物と受け取るのはお門違いだろう。

マネーボールでアカデミー賞主演男優賞も助演男優賞もノミネート。

マネーボール

この映画を見た人なら納得すると思う。

ブラッド・ピットが主演男優賞、ジョナ・ヒルが助演男優賞にノミネートされたのだ。

ちなみにその年の受賞は主演は『アーティスト』の”ジャン・デュジャルダン”。助演は『人生はビギナーズ』の”クリストファー・プラマー”。まあしょうがないか。

ジョナ・ヒルは下ネタを一切言わず、おどおどしてるけど信念があり、ブラッド・ピットとの関係の変化が見ていて微笑ましい。

でも、この映画はやはりブラッド・ピットだろう。

いつものブラッド・ピットは封印。普通の44歳のおじさんだ。

それでも信念を曲げず、時には辛辣な言葉をあえて吐き、娘の前では良きパパを演じる。

20連勝をかけた試合。1人ロッカールームでガッツポーズをする所は鳥肌がたつ。

彼ら以外にもフィリップ・シーモア・ホフマンや若かりしクリス・プラットが出演しています。

でも、やはりこの映画の成功はブラッド・ピットのお陰だろう。

『マネーボール』のまとめ

マネーボール

「もはや野球はスポーツではなく、金銭ゲームになってしまった」

こう嘆かれていたメジャーリーグに一石を投じたある男の信念の物語です。

野球に興味がなくても見ましょう。

自分を信じ続けた男がチームを変えて行く様を是非見てほしい。

終盤、レッドソックスからオファーがあった事をピーターに話すシーンがある。

ビリー「人生を金で決めた事がある だが、もうしないと誓った」

ピーター「この金額が示す価値に本当の意味がある」

この会話を噛みしめてほしい。

最後の娘からの歌もしっかり聞くように。

「パパはおバカ もっと野球を楽しんで」

Netflixで配信中。

「マネーボール』のスタッフとキャストの他の映画

監督:ベネット・ミラー:『フォックスキャッチャー

脚本:アーロン・ソーキン:『ソーシャル・ネットワーク

脚本:スティーヴン・ザイリアン:『ボビー・フィッシャーを探して

ブラッド・ピット:『ファイト・クラブ』/『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』/『マネー・ショート 華麗なる大逆転

ジョナ・ヒル:『スーパーバッド 童貞ウォーズ』/『21ジャンプストリート』/『22ジャンプストリート

フィリップ・シーモア・ホフマン:『25時』/『その土曜日、7時58分』/『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』/『リプリー』/『レッド・ドラゴン


*本ページの情報は2018年11月時点のものです。
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