王道ストーリだけども!
【ストーリー】
怒りを力に変える過激な戦闘スタイルのボクサー、ビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、試合にまつわるいざこざが原因で妻を亡くす。生きる気力をなくした彼は世界チャンピオンの座から転落し、まな娘とも離れ離れになってしまう。全てをなくしたビリーはアマチュアボクサーのトレーナーを務めるティック(フォレスト・ウィテカー)の協力を得て、栄光と娘の信頼を取り返すため再起を図る。
【キャスト】
ジェイク・ギレンホール:ビリー・‘ザ・グレート’・ホープ
フォレスト・ウィテカー:ティック・ウィルズ
レイチェル・マクアダムス:モーリーン・ホープ
ナオミ・ハリス:アンジェラ・リヴェラ
カーティス・“50 Cent”・ジャクソン:ジョーダン・メインズ
ウーナ・ローレンス:レイラ・ホープ
ヴィクター・オルティス
ボー・ナップ
ミゲル・ゴメス
スカイラン・ブルックス
クレア・フォーリー
リタ・オラ
ロイ・ジョーンズ・Jr
【スタッフ】
監督:アントワーン・フークア
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン/ジリアン・チャオ/ゲイリー・チェン/ジョナサン・ガリソン/カート・サッター/デヴィッド・ブルームフィールド/デヴィッド・レイネス/ディラン・セラーズ/エズラ・スワードロウ/ポール・ローゼンバーグ/スチュアート・パー/デヴィッド・シフ
脚本:カート・サッター
音楽:ジェームズ・ホーナー
2015年 123分
<シネマトゥデイより>
サウスポーは王道の再生物語。
分かっていてもグッときてしまう映画だ。
監督はアントワーン・フークア。
この人が描く男は全員カッコイイ。
男が惚れる男を描く。
『トレーニング デイ』『ザ・シューター』『イコライザー』なんかが分かりやすい。
で、サウスポー。
ジェイク・ギレンホールの体を見れば誰もが惚れるでしょう。
全くアクションのイメージがなく、怪演のイメージが強い。
そんな彼がタトゥーが入り、ムッキムキのバッキバキ。
これだけで見る価値がある。
体だけで説得力があるのだ。
ストーリーは非常に分かりやすい再生物語。
世界チャンピオンが全てを失い、再起を賭けて因縁の敵と戦うってだけ。
あまりにも捻りのないストーリー。
簡単に命を失う展開。
背景が薄いキャラクター。
ちょっとフークア監督らしからぬ薄さが気になるけど、、、
誰もが楽しめる映画になってます。
サウスポーのストーリー(ネタバレ)
孤児院育ちで無敗の世界ライトヘビー級王者ビリー(ジェイク・ギレンホール)
彼は怒りを力に変えるアグレッシブなファイトスタイルのボクサーだ。
防衛戦をこなした後、ライバルのミゲルが挑戦を表明する。
ビリーはミゲルの挑発もあり対戦を希望するが、プロモーターのジョーダンは試合を組まなかった。
ジョーダンにとって、試合は金を稼ぐ手段であり、危ない挑戦をさせる気はなかった。
ある日、孤児院のチャリティパーティで講演をした後、再度ミゲルに挑発される。
最愛の妻モーリーン(レイチェル・マクアダムス)の事を言われたビリーは切れる。
ミゲルともみ合いになり、それぞれの取り巻きも巻き込んでの大乱闘。
その時、相手の取り巻きが発砲した弾がモーリーンに命中し命を落とす。
最愛の妻を失ったショックでビリーは生活もままならなくなり、困窮する。
ジョーダンは金がなくなったビリーに試合を組むが、その試合も無気力な戦いで負けてしまう。
さらに自殺未遂を起こしたビリーはボクシングのプロライセンスの剥奪、1人娘の養育権も奪われる。
何もかもを失ったビリーは再起をかけ、過去の対戦相手で唯一自分を苦しめた選手のトレーナーティック(フォレスト・ウィテカー)の元に行く。
彼はビリーのアグレッシブなファイトスタイルを変え、ディフェンスの基礎を教える。
また、ジムの掃除の仕事を与え、娘の養育権を取り戻すための手伝いもしてくれるのだった。
娘との仲は険悪になっていたが、ビリーが真面目にボクシングと向き合うようになり元の関係に戻る。
そんなビリーに現在ミゲルのプロモーターとなっているジョーダンが声をかける。
世界チャンピオンとなったミゲルの防衛戦にビリーを当てるのだった。
そこからビリーはティックの元で本気で練習し、様々な戦術を学ぶ。
試合本番、序盤はミゲル優勢で進んでいくが、ティックの元で学んだディフェンスを武器に中盤から盛り返す。
最終ラウンド、一進一退の攻防が続く中、サウスポーの戦術が決まりミゲルからダウンを奪う。
判定の結果、ビリーの勝利。
世界チャンピオンに返り咲くのだった。
サウスポーは人の死を安易に描きすぎなのが、、、
最初にも書きましたが、王道中の王道ストーリーです。
無敗のチャンピオン→妻と娘を失う→トレーナーに弟子入り→因縁の敵に勝利。
途中、本当にビリーが全てを失います。
妻、娘、仲間(1人を除く)、プロモーター、トレーナー、地位、収入、家、車、ファイトスタイルまで。
孤児から這い上がった男があらゆる物を失う。
そして最後は大事な物を再び手に入れる。
娘、地位、仲間。
分かっていてもグッとくる訳だ。
まるで池井戸潤の小説みたい。
幾つかにになった点を。
妻を失うシーン。
あの流れで死ぬのかと思ったのは僕だけじゃないはず。
無理矢理殺した感が満載だ。
映画を盛り上げる為には仕方がないが、妻を殺すのはあまりにも安易だ。
そこから娘との確執もちょっと急すぎる。
パパは嘘つきだ、会いたくない、などなどお決まりの言葉がありつつ、
「ママじゃなくパパが死ねばよかったのよ」
と1発KOされかねないパンチラインを吐いた時には娘にイラっとした。
お決まりの展開だからしょうがない、と見過ごす事も出来るが、正直物足りない。
後はトレーナーのティックの物語。
彼はプロは教えないと言っときながら、、めっちゃ教える!
プロライセンスを剥奪されてるから問題ないってスタンスは、、誰に向けての言い訳なんだ?
そこから片目を失ったのは過去の試合が原因なんだけど、それがストーリーに絡む訳でもなく。
何よりジム生が死んでティックが悲しみ奮起する場面があるんだけど、、
また人の死かよ、、、
これには心底萎えた。
“駄目な映画を盛り上げる為に簡単に命が捨てられていく”
ミスチルのHEROの歌詞ですが、この映画にはピッタリだ。
ちょっとディスりましたが、決してつまらない訳じゃないんですけどね!
右利きなのにサウスポー?
この映画のタイトルにもなってる”サウスポー”
でも主人公は右利きです。
このタイトルの意味は試合に決着をつけた必殺技の事です。
右を打つと同時に右足も踏み込み、左にスイッチする。
文字だと分かりづらい!
ただ、まあ必殺技みたいな扱いですが地味です。
試合展開はライトヘビー級なのに1Rから壮絶な打ち合い。
ちなみにライトヘビー級は上から3つ目。
ヘビー級→クルーザー級→ライトヘビー級→スーパーミドル級→ミドル級(村田諒太)
要するに重量級に分類される階級です。
その2人が1Rからパンチを頭に当てまくり。
それが12Rまでもつれて、地味なサウスポーでダウンを奪って勝利。
映画としては100点の展開なのかもしんないけど、、
あまりにもただの殴り合いになってないかい?
ちょっと説得力に欠ける試合展開でした。
サウスポーのジェイク・ギレンホールの体とフォレスト・ウィテカーの涙。
あまりにも展開が単純すぎなのと、薄いので悪い点を挙げてしまいましたが、キャストは抜群です。
ジェイク・ギレンホールの体の仕上がり。
憂いと苦悩の表情。
切れた時の怖さ。
ボクシング映画に説得力を持たせた彼の演技には言う事なしです。
フォレスト・ウィテカーの演じるティックのキャラは最高です。
汚い言葉を嫌い、ボクシングを通して子供達を人として成長させる好好爺的な存在。
そんな彼はジム生の1人が死んだ後に一心不乱にサンドバックを殴り汚い言葉を使う。
そして、ビリーに話しながら流す涙。
これにはお決まりの展開だけどグッときてしまった。
ビリーとティックの距離感の変化は見ていて微笑ましかった。
忘れちゃいけないのが早い段階で死んでしまうレイチェル・マクアダムス。
純なイメージの強い彼女が派手なボクサーの妻を演じてます。
普段見れないエロさがね、、良かった。
娘との数々の写真で見せる変顔もよかった。
だからこそ、殺さなくても!!!
『サウスポー』のまとめ
あまりにも捻りのないストーリーをどう捉えるか。
そこを注視してしまうと非常に物足りない。
これぐらい分かりやすくないとね!
って感じで割り切れる人は十分に楽しめる映画です。
ストーリーについて色々と粗を書いてきましたが、それでもグッときます。
親子の関係も分かっちゃいるけど、、やっぱいい。
一応、エミネムの半生を映画化し主演もやるはずだったみたいですが、、
正直どうでもいいです。
これが実話かどうかとか、誰がってのは大事じゃないです。
U-NEXT/PrimeVideo/Netflixで配信中。
『サウスポー』のスタッフとキャストの他の映画。
監督:アントワーン・フークア:『トレーニングデイ』
ジェイク・ギレンホール:『ゾディアック』/『ラブ&ドラッグ』/『ナイトクローラー』/『ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー』/『ノクターナル・アニマルズ』/『エンド・オブ・ウォッチ』
フォレスト・ウィテカー:『フェイクシティ ある男のルール 』/『パニック・ルーム』
レイチェル・マクアダムス:『アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜』/『アロハ』/『ミッドナイト・イン・パリ』
*本ページの情報は2019年1月時点のものです。
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