デヴィッド・フィンチャーじゃなければ!
【ストーリー】
その4階建ての高級タウンハウスにはある隠された部屋が存在した。コンクリートの厚い壁。他とは完全に独立した電話回線と換気装置。そして、家中を映し出すモニターと完璧なまでの防犯システム。その部屋が作られた目的は、たったひとつ、決して誰も侵入させないこと――。離婚して娘とふたりだけで新しい家に移り住んだメグ。そこへ、突然3人の残忍な強盗が押し入ってきた。メグは、咄嗟に一人娘を抱えとある部屋に身を隠す。しかし、“パニック・ルーム”と呼ばれるその秘密の隠れ部屋こそ、彼らが目指していた場所だった……。
【キャスト】
ジョディ・フォスター:メグ・アルトマン
フォレスト・ウィテカー:バーナム
ジャレッド・レトー:ジュニア
クリステン・スチュワート:サラ・アルトマン
ドワイト・ヨーカム:ラウール
パトリック・ボーショー:スティーヴン・アルトマン
イアン・ブキャナン:エヴァン・カーランダー
アン・マグナソン:リディア・リンチ
アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
ニコール・キッドマン:スティーヴンの恋人(電話の声)
ポール・シュルツ
【スタッフ】
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:デヴィッド・コープ
音楽:ハワード・ショア
2002年 112分
<allCINEMA onlineより>
パニック・ルームはデヴィッド・フィンチャーじゃなければ、、、
パニック・ルームは面白い。つまらないという人は少ないはずだ。
パニックルームという隠れ部屋に身を隠しながら強盗との対決。
テンポが良く最後まで飽きずに見られるし、どうやってこの事件を解決するんだろうと期待させる。
でも、正直物足りなかった。
パニック・ルームの監督はデヴィッド・フィンチャーなのだ。
それなのにストーリーが普通すぎる。
予測可能な事ばかり。
パニック・ルームはデヴィッド・フィンチャーの監督5作品目。
デビュー作の『エイリアン3』は置いといて、、『セブン』『ゲーム』『ファイト・クラブ』に次ぐ作品だ。
この並びは圧巻。全部面白い。全部名作。
なのでパニック・ルームの期待値がどうしても上がってしまう。何か得意のどんでん返しが用意されているのだろうと。
『ファイトクラブ』みたいに大きくなくてもいいから、少しでもビックリさせてくれと。
でも、その期待は大きく裏切られた。
最初から最後まで普通だった。
映像はスタイリッシュだけれども、、
パニック・ルームのフォレスト・ウィテカーのはどんでん返しとは呼べない!
パニック・ルームのストーリーは分かりやすい。
父親が3流モデルと浮気した為に離婚をし、その当て付けで買わせた豪邸は元大富豪の持ち物で、パニックルームと呼ばれる防犯システムが完璧な隠し部屋があった。
そこにまさか住んでる人がいるとは知らず強盗に入った3人組。実はこの家には隠し財産があったのだ。
強盗から逃げる為にパニックルームに逃げ込む親子。
隠し財産はパニックルームにある為、そこから親子を引きずり出したい強盗。
この駆け引きが楽しいんだけど、、ピークはわりと序盤に来てしまって、ガスをパニックルームに送り込む所だった。
このシーンは良かった。
ただやられるだけではなく、やり返す!
しかもガスが充満した部屋でチャッカマンで火をつけるなんて。
無謀すぎるだろと突っ込まずにはいられませんでしたが、彼女の本気度と逞しさが伝わる良い部分でした。
この後、色々な駆け引きがあったり外部との接触を試みたりするのだが、あまり上手くいかない。
元夫と連絡が取れて助けに来たのだが強盗にボコボコにされる始末。この夫は本当に可哀想だった。
最後、娘が人質にとられ、ジョディ・フォスターもやられるって所で強盗の1人であるフォレスト・ウィテカーが助けてくれます。
彼は実は優しいやつで強盗当初から母子への暴力はしないという平和主義者だった。目的はお金だけ。
ただ、その優しい人アピールが最初から最後まで過度に描かれていた為に驚きはなかった。
どうせ助けてくれるんでしょって安心して見ていられる。
これで、フォレスト・ウィテカーが極悪人で母子殺害とかだったら後味は最悪だけど、もっと緊張感でたのにな〜と勝手に思ってます。それか実は元夫が黒幕でボコボコにされたのもシナリオ通りみたいな。
こうでもしないと元夫が救われない気がする、、何も良い所なかったぞー。
警官とのやり取りももっと面白く出来たはずだぞー。
パニック・ルームはキャスト良し。逞しいジョディ・フォスターと幼いクリステン・スチュワート。
パニック・ルームはキャストが良かった。
ジョディ・フォスターはさすがです。
キャミソール一枚で露出度高めの服装だけど、見る人にエロさを感じさせない逞しさと母の顔。
自身が閉所恐怖症の為、パニックルームにいるのがキツいはずなのに娘の為に強がる母親を完璧に演じています。
たまに見せる娘への苛立ちもリアルで良かった。
娘役のクリステン・スチュワートはこの映画で注目されました。この頃から顔が変わってない!
ちょっと反抗期に入っていて拗ねた役がよく似合うちょっとキツめの顔。
この映画の10年後に出演した『オン・ザ・ロード 』では脱ぎっぷりと色気が際立っていて、、成長を感じます。
フォレスト・ウィテカーは心の優しさが隠せない顔がいいですね。強盗がまあ似合わない。
この人が『ラストキング・オブ・スコットランド』で凶悪アミン大統領を演じた時は衝撃でした。
アホな強盗役リーダーとしてジャレッド・レトーも出演していますが、『ダラス・バイヤーズ・クラブ』や『スーサイド・スクワッド』の時みたいな魅力は当時はあまり感じさせませんでした。人って変わるなー。
『パニック・ルーム』のまとめ
何の予備知識もなくパニック・ルームを見たら普通に楽しめる映画です。
でも、デヴィッド・フィンチャーの映画となると物凄い物足りない。
それほど彼の名前は偉大なのだ。
彼を知るにはパニック・ルームではなく、他の映画を見てほしい。全部面白いので!
『パニック・ルーム』のスタッフとキャストの他の映画
監督:デヴィッドフィンチャー:『ファイト・クラブ』/『ソーシャル・ネットワーク』/『ゾディアック』/『ゲーム』
脚本:デヴィッド・コープ:『プレミアムラッシュ』
ジョディ・フォスター:『おとなのけんか』/『羊たちの沈黙』/『インサイド・マン』
フォレスト・ウィテカー:『フェイクシティ ある男のルール 』/『サウスポー』
ジャレッド・レトー:『ファイト・クラブ』
クリステン・スチュワート:『オン・ザ・ロード』/『アドベンチャーランドへようこそ』/『エージェント・ウルトラ』/『アリスのままで』