随所に古さを感じてしまう。
【ストーリー】
若い女性を殺害しその皮を剥ぐという猟奇事件が続発。捜査に行きづまったFBIは、元精神科医の殺人鬼ハンニバル・レクターに示唆を受けようとする。訓練生ながらその任に選ばれたクラリスは獄中のレクターに接触する。レクターはクラリスが、自分の過去を話すという条件付きで、事件究明に協力するが……。トマス・ハリスの同名ベストセラーを完全映画化したサイコ・スリラー。アカデミー賞の作品・監督・主演女優・主演男優賞といった主要部門を独占。
【キャスト】
ジョディ・フォスター:クラリス・スターリング
アンソニー・ホプキンス:ハンニバル・レクター
スコット・グレン:クロフォード主任捜査官
テッド・レヴィン:バッファロー・ビル
アンソニー・ヒールド:チルトン医師
ケイシー・レモンズ:マップ
ダイアン・ベイカー:マーティン上院議員
ブルック・スミス:キャサリン・マーティン
フランキー・R・フェイソン:バーニー
ロジャー・コーマン:FBI長官
チャールズ・ネイピア:ボイル警部補
ジョージ・A・ロメロ:FBI捜査官
【スタッフ】
監督:ジョナサン・デミ
製作総指揮:ゲイリー・ゲッツマン
原作:トマス・ハリス
脚本:テッド・タリー
音楽:ハワード・ショア
1991年 118分
<allcinema ONLINEより>
羊たちの沈黙は名作に間違いない!けど、、、
1992年、アカデミー賞の作品賞・監督賞・主演女優賞・主演男優賞・脚色賞を受賞した名作。
監督はジョナサン・デミ。
以前紹介した『クライシス・オブ・アメリカ』はとんでもないクソ映画ですが、羊たちの沈黙は別です。
2018年も終わりの今、公開から26年経っていても名作は名作です。
ただ、正直に言います。
今見るとどうしても古さが目立つ。
後は名作と呼ばれている分ハードルが高くなっている。
特にストーリーに関しては絶賛するほどではない。
これはもうしょうがない。
劇場公開時に大人じゃなかった自分を恨むしかない。
連続猟奇的殺人事件が起きていてそれを捜査するって話なんだけど、この犯人に魅力がないのだ。
5人の女性を殺害し皮を剥ぐ。
こんなとんでもない気持ち悪さ全開の犯人にしては魅力がない。
もちろんレクター博士の前ではどんな殺人犯も霞んでしまうからしょうがないかもしんないけど。
事件解決のあっさりした終わり方は正直イマイチだった。
それでもやはり名作だと思わせるのはキャストの説得力が半端ないからだろう。
羊たちの沈黙のストーリー(ネタバレ)
アメリカ各地で若い女性が皮膚を剥がされて殺される事件が多発する。
この事件はバッファロービル事件と呼ばれていた。
FBI訓練生のクラリス(ジョディ・フォスター)は上司からこの事件の解決の為にある人物に会ってほしいと頼まれる。
その人物はハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)
レクターは元精神科医で、過去の事件から人食いハンニバルと呼ばれる。
FBIは1人だけ事件解決の協力をしないレクターに協力してもらう為に、ダメ元でクラリスをレクターの元に向かわす。
レクターとクラリスは対面する。
異常な観察力と推理力、嗅覚や言葉でレクターのペースに惑わされるクラリス。
だがレクターはクラリスを気に入った。
バッファロービル事件の資料をクラリスに持って来させる。
ある日、上院議員の娘が誘拐される事件が起きる。
犯行の手口からバッファロービル事件の犯人と同じだった。
クラリスはレクターに助けを求める。
もし上院議員の娘が助かったらより良い環境の刑務所に移す事を約束する。
レクターは情報を提供する代わりにクラリスの過去を話す事を条件として提示する。
子供時代の最悪な出来事は?
クラリスは父の死について正直に話す。
その後、羊の牧場を経営しているおじさんの元に引き取られ、でもそこから逃げた話をする。
レクターは事件についての幾つかのヒントを与える。
その後、レクターは精神病院院長のチルトンから取引を提案される。
チルトンはクラリスが約束した事は事実ではないと説明。
だが、俺に協力すればもっと良い環境の刑務所に移せると約束する。
レクターは直接議員に名前を言う条件を出し、空港で議員と対面する。
そこで犯人の名前を告げるレクター。
彼は刑務所に戻らず、ある場所で幽閉される。
そこにクラリスが現れる。
クラリスはレクターが犯人だと告げた名前は嘘だと気づいていた。
犯人の情報を話すレクター。
だが、またもクラリスの過去を聞く。
クラリスはおじさんの家から逃げ出した理由を話す。
子羊たちが悲鳴を上げて屠殺されている。
クラリスは助けようとしたが、羊たちは逃げなかった。
その時助けられなかった羊たちの悲鳴で朝目覚めると。
レクターは捜査資料をクラリスに返す。
そこにヒントを書いていた。
レクターはその後、幽閉されていた所から監視員を殺し脱走する。
レクターからのヒントで犯人を突き止めたクラリスはバッファロービルを射殺し事件は解決。
クラリスは正式にFBI捜査官に就任。
そのパーティーの途中レクターからお祝いの電話が入る。
そしてチルトンの殺害を仄めかして電話は切られるのだった。
羊たちの沈黙は名作だけど、このストーリーは本当に名作か?
タイトルの『羊たちの沈黙』
個人的にかっこいい映画タイトル上位に入る。
このタイトルから内容が全く想像できない感じ。
でも、どこか不穏さを感じさせる。
パッケージと相まって期待値上がりまくりです!
っで、タイトルの元となったクラリスの過去。
屠殺(家畜を殺す事)される羊を助けられず、その時の羊たちの悲鳴が聞こえる。
このトラウマで悩まされるシーンや過去に囚われるシーンがあればよかったんだけど、、
そんな描写あった?
ここがそんなに深くないなーと思えてしまい、、羊殺してたのも仕事だからなぁと、、、
このクラリスの過去があまり意味あるとは思えず肩透かしでした。
レクターが拘ってたから何かあると思っていたのに、、
レクターは天才で変態ですね。
FBIが全く解決出来ない事件を捜査資料だけで解決しますからね。
そんなレクターに犯人の名前を恥ずかしがる事なく聞きに行くクラリスって、、と思っちゃいました。
何で犯人のフルネーム知ってんだよ!
もし知ってたら捜査資料に載ってるって事だろ!
そしたらFBIも容疑者として候補にでも入れてんだろ!
みたいな感じでした。
そして最後までFBIは無能のまま。
誰もいない家を破壊。強制捜査。
何だそれ!もっとやり方あるだろ!
一方のクラリスは最後に見せ場!
結局地道な捜査なんかい!って思っちゃいましたが手に汗握る展開でした。
ただ、犯人よ。
お前何なんだ!
暗視スコープまで用意しといて、引き金がカチリって、、、
いやいや、油断!!!
そして、直前までクラリスを触ろうとしたりして変態性抜群でよかったのに、、
結局何もせずに引き金を引き、カチリと音がし、返り討ち。
ショボすぎるだろ!!!
女性の皮膚を剥がす連続殺人犯の最後がこれかい!
拍子抜けじゃい!
じゃあ何で名作なのかと言えばレクター博士(アンソニー・ホプキンス)
ストーリーには若干拍子抜けでしたが、羊たちの沈黙は多分そこを楽しむ映画じゃない。
やはりハンニバル・レクターでしょう。
羊たちの沈黙を見ていなくても、この名前は知っているという人は多いはず。
それくらい知名度があり、変な話レクターというキャラクターのハードルが上がっているはず。
どんな人なんだろう。何をするのだろうと。
でも実は彼の登場時間は約18分。
2時間ある映画のたったの18分です。
その間に彼は様々な殺人を起こします。
まあでも一番ショッキングなのは監視員2人を殺害する所です。
手錠を器用に外し、1人は撲殺。
そして自分が幽閉されていた檻に貼り付け。
しかも腹を割かれてパックリしている。
この時点で恐怖なんですが、、
もう1人も殺します。、、そして顔の皮膚を剥ぎます!
お前も剥ぐんかい!
とは思いましたが、この皮を被る事によって成り済まして脱走するんです。
救急車で運ばれる途中に、まさに化けの皮を剥ぐんですけど、、ゾッとします。
あとはクラリスとの会話。
彼はほとんど瞬きをしません。
あの底知れぬ眼でクラリスを見つめて会話をします。
クラリスも負けん気が強いので対抗しようとするのですが、全てレクターの手のひらで踊らされる。
この瞬きのしない顔。
これだけで恐怖心を煽るんです。
アンソニー・ホプキンスをオーディン(マイティ・ソー)でしか知らない不届き者は見てください。
あんなダサい服を着せられた神よりも、拘束着の方が似合いますからね。
底知れない不気味さ。
そして猟奇さ。
ちょっとトラウマレベルです。
『羊たちの沈黙』のまとめ
名作なのは間違いないです。
ちょっと古さを感じさせる部分は仕様が無いでしょう。
ただ、あまりにも上がっているハードルを超えられるかどうかは人によると思います。
レクター博士とクラリスは魅力的ですが。
クラリスを演じたジョディ・フォスターは言う事ありません。
逞しく見せながらも、心には傷を負っている(ちょっと理解は出来なかったけど)
まだ女性差別の根強い時代、好奇の目で見られながらも仕事を遂行する姿は単純にかっこいい。
続編として『ハンニバル』『レッド・ドラゴン』『ハンニバル・ライジング』が作られているけど、これは納得だ。
羊たちの沈黙を見た人はレクター博士の過去と未来をどうしても気になるだろう。
ライジング以外はアンソニー・ホプキンスがレクター博士を演じているので是非見てほしい。
『羊たちの沈黙』のスタッフとキャストの他の映画
続編:『ハンニバル』
監督:ジョナサン・デミ:『クライシス・オブ・アメリカ』
ジョディ・フォスター:『おとなのけんか』/『パニック・ルーム』/『インサイドマン』
*本ページの情報は2019年1月時点のものです。
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