『ヴィンセントが教えてくれたこと』☆☆☆☆☆☆ 油断してたら悲しくなった。ネタバレ映画レビューブログ

ヴィンセントが教えてくれたこと ☆☆☆☆☆☆




ヴィンセントが教えてくれたこと

油断してたら悲しくなった。

【ストーリー】

アルコールとギャンブルが大好きで、ちょっとクセのあるヴィンセント(ビル・マーレイ)は、隣家に引っ越してきたシングルマザーの12歳の息子、オリバー(ジェイデン・リーベラー)の世話をすることになる。酒場や競馬場へと連れ回し、ろくでもないことを教え込むヴィンセントに反発するオリバーだったが、嫌われオヤジに隠された真の優しさや心の傷に気付いてから、徐々に二人は心を通わせていき……。

【キャスト】

ビル・マーレイ:ヴィンセント

ジェイデン・リーバハー:オリバー

メリッサ・マッカーシー:マギー

ナオミ・ワッツ:ダカ

クリス・オダウド:ブラザー・ジェラティ

テレンス・ハワード:ズッコ

【スタッフ】

監督:セオドア・メルフィ

製作総指揮:ボブ・ワインスタイン

製作総指揮:ハーヴェイ・ワインスタイン

<シネマトゥデイより>

ヴィンセントが教えてくれたことはよくある映画だけれでも。

ヴィンセントが教えてくれたこと

癖のあるおっさんの隣家に引っ越してきた子供が、学校では学べない事を学ぶ。

なんてよくある設定なのだ。

典型的なハートウォーミングドラマ。

おっさんには色々な過去があって、今は悲惨な生活を送っている。

子供は家庭に問題を抱えていて転校先ではいじめられる。

なんてよくある設定なのだ。

それでもたくさんある見たい映画のリストからこの映画を選んだのには訳がある。

ビル・マーレイが主演だから。あと、

こんな話が見たかったからである。

よくある話だが見たくなってしまう。これはきっと僕だけではないだろう。

だからこそ同じような映画がたくさん作られてるのだと思う。

ただ、よくあるなーと思い見ていると、

油断し思わず悲しくなってしまったシーンがあった。

ビル・マーレイ演じるヴィンセントの奥さんはアルツハイマーで施設に入っている。

そこに週に一回洗濯物を取りに訪れるのだが(これも会いに行く口実が欲しいだけで、施設には洗濯をするサービスはある。)

ヴィンセントが脳卒中を起こし入院している間に、亡くなっていた。

さらに施設は事前に取り決めていた通りに火葬をしていた。

死に目に会えない所ではない。姿すら見れず、灰になりバンカーボックスに入れられていたのだ。

このシーンは予想外だった。

この類の映画に悲しい場面は必要不可欠だ。

わがままで、だらしなくて、周りに迷惑をかけている事を何とも思っていない(ふうに見える)人物にお灸をすえる。

それで改心し周りのありがたさに気づくみたいなのはよくある。

が、この仕打ちはあまりにも悲しくなった。

愛していた人が知らないうちに灰になっているのである。

もう先が長くない事は気づいていただろう。

それでもこんな形でお別れするなんて思ってもみなかった。

その時のヴィンセントの表情。

自分に対しての不甲斐なさや後悔が滲み出ている。

この時はヴィンセントも普通のおじさんに見えてしまった。

ヴィンセントが教えてくれたことの主演。ビル・マーレイの映画。

ヴィンセントが教えてくれたこと

ビル・マーレイの主演の映画は少ない。

有名だし、何かしらのタイミングで見ている俳優さんだが主演があまりないのである。

元々は俳優としてではなく、コメディ番組「サタデーナイト・ライブ」で人気になった人物である。

そんな彼の主演映画。しかも偏屈なおじさん役。似合うに決まっている。

はっきり言う。ビル・マーレイがまともな役なんて似合わないのだ。

まともにしててもまともに見えないのだから。見た目は普通のおじさんなのに。

ありきたりなストーリーだからこそ癖のあるキャラクターが際立っている。。

めちゃめちゃ失礼な事を真顔で言うのだ。それも自然に。普段から言ってるんじゃないのかと思うぐらい。

「あんたは食う為に働いている単なる歯車。引っ込んでろと言われる前に黙って仕事しろ」と。

この映画の序盤はこんなセリフのオンパレードである。ビル・マーレイ以上に似合う役者はいるだろうか。

オリバー役のジェイデン・リーバハーも素晴らしいのだが、この映画はビル・マーレイの映画だ。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』のまとめ

ヴィンセントが教えてくれたこと

物語の終盤では定番のお涙頂戴の流れである。が、分かっていてもグッとくるものだ。

ヴィンセントとオリバーの言い争い。

ヴィンセント:「しっかり生きろ。俺を真似るな。ロクでもない人生だ。」

オリバー:「嘘だ」

ヴィンセント:「俺の何を知っている。何も知らない。ただのバカの子だ。」

オリバー:「確かにバカだよ。思ってたヴィンはただの酔っ払いのひねくれ者じゃないって。あなたは悲しい人だ」

こんなセリフを小学生のオリバーに言わせてしまうのだ。

オリバーは知っているのだ。ヴィンセントとの生活でヴィンセントがどんな人か。

逆にヴィンセントが知らないのだ。自分がどんなに周りから愛されているか。

この後クライマックスを迎える。完璧でよくあるクライマックスだ。

誰もが見た後心が軽くなるだろう。誰にでもお勧めしやすい映画である。

ちなみにエンドロール時に流れるボブディランに合わせて歌うビル・マーレイが何とも心地よかった。

PrimeVideoで配信中。 

『ヴィンセントが教えてくれたこと』のスタッフとキャストの他の映画

監督:セオドア・メルフィ:『ドリーム

ビル・マーレイ:『ゾンビランド』/『ムーンライズ・キングダム』/『アロハ

ジェイデン・リーバハー:『アロハ


*本ページの情報は2018年11月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。