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あの頃は良かった、、、
【ストーリー】
ギル(オーウェン・ウィルソン)は婚約者(レイチェル・マクアダムス)と共に、彼女の両親の出張に便乗してパリを訪れる。彼はハリウッドで売れっ子脚本家として成功していたが、作家への夢も捨て切れずにいた。ロマンチストのギルは、あこがれの作家ヘミングウェイや画家のピカソらが暮らした1920年代の黄金期のパリに郷愁を抱いており……。
【キャスト】
キャシー・ベイツ:ガートルード・スタイン
エイドリアン・ブロディ:サルバドール・ダリ
カーラ・ブルーニ:美術館ガイド
マリオン・コティヤール:アドリアナ
レイチェル・マクアダムス:イネズ
マイケル・シーン:ポール
オーウェン・ウィルソン:ギル
ニナ・アリアンダ:キャロル
カート・フラー:ジョン
トム・ヒドルストン:F・スコット・フィッツジェラルド
ミミ・ケネディ:ヘレン
アリソン・ピル:ゼルダ・フィッツジェラルド
レア・セドゥ:ガブリエル
コリー・ストール:アーネスト・ヘミングウェイ:
デヴィッド・ロウ
ソニア・ロラン
【スタッフ】
監督:ウディ・アレン
製作総指揮:ハビエル・メンデス
脚本:ウディ・アレン
2011年 94分
<シネマトゥデイより>
ウディ・アレンの名作!ミッドナイト・イン・パリ。
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誰もが一度は思った事があるであろう、過去への憧れ。
このどうする事も出来ない虚しさを軽やかに描いた映画です。
最近のウディ・アレン映画を見て、面白くなかった、何が良いのか分からないと言う人がいる。
全くもって同意します。
このブログでも幾つか紹介していますが、、やはり昔の方が良かったと思う。
ミッドナイト・イン・パリの主人公達が言っていたように。
ウディ・アレンの黄金時代は1970年代か80年代だったのだろう。
でも、2011年に発表された『ミッドナイト・イン・パリ』は別だ。
間違いなく名作です。
舞台はパリ。
現代のパリと1920年代のパリを往復する摩訶不思議なストーリー。
ウディ・アレンが乗り移ったかのように喋るオーウェン・ウィルソン。
無駄に多い過去の偉人達。
アメリカが一番だと考えてる親子を冷笑する描き方。
知識と見た目だけが一丁前の博識人には皮肉をこめる。
ミッドナイト・イン・パリでは最近丸くなってなかなか見れない、ウディ・アレン特有の皮肉が炸裂してます。
ミッドナイト・イン・パリのストーリー(ネタバレ)
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小説の執筆が進まない作家のギル(オーウェン・ウィルソン)は婚約者のイネズ(レイチェル・マクアダムス)と共にパリに来ていた。
ギルはパリに強い憧れを抱いており、住みたいとまで思っていたが、イネズにはそんな気はさらさらなかった。
2人は食事中に偶然イネズの大学時代の友人のポール(マイケル・シーン)と出会う。
ポールはフランスの大学に招待されて講演を行う予定だった。
イネズは大学時代、ポールに夢中だった。
ポールからの提案で、ギルとイネズはポールと共にパリの観光をする事に。
ギルはポールの知識人ぶった話し方や、振る舞いが嫌いだったが、イネズはポールに夢中だった。
食事を共にした後、ダンスに行きたい2人と分れて、ギルは夜のパリを散歩する。
道に迷ってしまったギルは、途方に暮れて階段に座り込んでしまう。
時計の針が24時を指した時、古いプジョーがギルの前に停まる。
中からは愉快な声が聞こえ、ギルも誘われてその車に乗り込む。
向かった先はジャン・コクトーが主催したパーティだった。
客の中にはコール・ポーターやフィッツジェラルド、妻のゼルダがいるのだった。
自分が憧れの1920年代にタイムスリップした事に戸惑うギル。
だが、フィッツジェラルド等の誘いで2件目のバーに行く。
そこにはヘミングウェイがいた。
ギルは憧れの作家であるヘミングウェイに自身の書いた小説を読んでほしいと言う。
だが、ヘミングウェイは作家同士はライバルという事で読んではくれなかった。
その代わりに、信頼しているガートルード・スタインを紹介してもらえる事に。
小説を取りにホテルに戻ろうとバーを出た途端、そこは現代のパリだった。
次の日、夢か現実か定かではなく、イネズには頭がおかしいと言われるが彼女を誘う。
だが、イネズは24時になる前に帰ってしまい、ギルはまた1人で昔のパリに行く事に。
ヘミングウェイと共にスタインのサロンに行く。
するとそこにはピカソと愛人のアドリアナ(マリオン・コティヤール)がいた。
スタインはピカソが書いたアドリアナの肖像画に駄目出しをしていたのだ。
ギルは小説をスタインに渡し、アドリアナには一目惚れをしてしまう。
その後、アドリアナとイネズとの間で揺れるギル。
ギルは過去に行った時にアドリアナと2人の時間を過ごし、いい感じになる。
だが、ひょんな事から婚約している事をアドリアナに知られて振られるのだった。
その後、現代のパリの蚤の市でアドリアナの日記みたいな物を発見する。
慌てて読むと、そこにはギルへの気持ちが書かれていたのだった。
過去に行ったギルはアドリアナに好意を伝えキスをする。
すると2人の前に馬車が停まり、呼ぶのだった。
その馬車が向かった先は19世紀のベル・エポック時代のパリだった。
そこで出会ったのがゴーギャンやドガ。
アドリアナはこの時代こそが黄金時代だと言い、この時代に残ろうと言いだす。
ギルは人間は現在に不満を持つものだという事に気づく。
ゴーギャンやドガもルネサンス期こそ黄金時代だと話していた。
アドリアナを置いて、1920年代に戻るギル。
そこでスタインから小説の事を言われる。
なんで主人公は婚約者の浮気に気づかないのかと。
ギルは私小説を執筆していたのだ。
その事を問われたギルは”拒絶の心理”と言い、その場を去る。
現代に戻ったギルはイネズの浮気を問いただす。
そして浮気を認めたイネズと別れるのだった。
パリの街を1人歩いてたギルの前に、旅行中知り合った女性が現れる。
彼女は雨のパリが一番素敵だと、ギルと同じ事を言うのだった。
ミッドナイト・イン・パリの著名人達
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F・スコット・フィッツジェラルド:演トム・ヒドルストン
劇中でギルが最初に出会う過去の著名人。
20世紀のアメリカ文学を代表する作家の1人。
代表作は『華麗なるギャッツビー』
ロバート・レッドフォードやディカプリオで映画化されてます。
『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』ではガイ・ピアースが演じています。
妻のゼルダ(アリソン・ピル)も作家として有名。
アーネスト・ヘミングウェイ:演コリー・ストール
ギルの小説をスタインに紹介してくれた人物。
アメリカを代表する作家。
1954年にノーベル文学賞を受賞。
代表作は『老人と海』『武器よさらば』
ガートルード・スタイン:演キャシー・ベイツ
ギルの小説を見てくれた人物。
ピカソやヘミングウェイと親交があり、パリでサロンを開いていた美術収集家。
現代芸術と現代文学の発展を作った人物と言われている。
サルバドール・ダリ:エイドリアン・ブロディ
ギルがアドリアナに振られた所に現れた人物。
スペイン出身の天才画家。
奇妙な口髭がトレードマーク。
この他にも、ゴーギャンやドガ。
コール・ポーターにマン・レイにルイス・ブニュエルなどが登場します。
ミッドナイト・イン・パリは楽しい人はより楽しい作品。
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上記したように、ミッドナイト・イン・パリにはたくさんの偉人が出てくる。
彼らの事を知っている方がより楽しめるのは間違いない。
でも、そうでなくても楽しめるのがミッドナイト・イン・パリの凄い所だ。
現在から逃げて黄金時代へ行きたい。
もしこの時代に残っても、また別の時代に憧れる。
その時代こそ黄金時代だと。
“現在”って不満なものなんだ それが人生だから。
後悔した 悪い選択だったさ でも自分で選んだ事だ。
もし、このまま過去に住んだら上手くいかない。
何か価値ある物を書こうと思ったら幻想は捨てるべきなんだ。
過去への憧れもその1つだよ。
これらの言葉はジルが最後にアドリアナに言うセリフだ。
ジルは過去へ行き、憧れの人物や偉人達と出会い、気づいた。
昔は良かったと言う人は多い。
SNSなんかでもよく見る。
それらはただの逃げだ。
現状の不満を時代のせいにしている。
そして過去を美化している。
幻想なのに。
価値あるものを残す人は現状と向き合い、不満があったら戦う人だ。
ミッドナイト・イン・パリは非常にタッチが軽い。
ジャンルもラブストーリーやコメディ扱いされている。
でも、このジルの言葉は重みがあった。
何故なら、監督はウディ・アレン。
彼ほど多作で、コンスタントに作品を発表している人はいない。
そして映画業界の黄金時代を知っている人物だから。
『ミッドナイト・イン・パリ』のまとめ
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ウディ・アレンらしい、言葉数が多く皮肉の効いたセリフ。
冒頭映し出されるパリの街並みは綺麗で、過去に戻った時との対比も素晴らしい。
過去の偉人達が沢山出てきますが、個人的にはダリが一番です。
エイドリアン・ブロディが演じているのですが弾けてるので是非みてほしい。
ちょっとしか出てこないので見逃さないように。
過去へのタイムスリップですが、細かいツッコミを入れる人は向いてません。
何でタイムスリップ出来るかとか、住むのは無理じゃない?とか、、、
そんなんどうでもいいんですよ!
ウディ・アレンの映画は理屈じゃないんです!
ただ、珍しくメッセージ性のある映画です。
“過去への憧れは捨てろ”
気楽にのんびり見ていたらとハッとしてしまいました。
U-NEXT/Hulu/PrimeVideo
/Netflixで配信中。
『ミッドナイト・イン・パリ』のスタッフとキャストの他の映画。
監督:ウディ・アレン:『マッチポイント』/『タロットカード殺人事件』/『教授のおかしな妄想殺人』/『ローマでアモーレ』/『マジック・イン・ムーンライト』
オーウェン・ウィルソン:『ダージリン急行』
レイチェル・マクアダムス:『サウスポー』/『アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜』/『アロハ』
マリオン・コティヤール:『アサシンクリード』
エイドリアン・ブロディ:『ダージリン急行』
*本ページの情報は2019年1月時点のものです。
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