みんなウディア・レンに引っ張られる。
【ストーリー】
魔法や超能力など信じない皮肉屋のイギリス人マジシャン、スタンリー(コリン・ファース)は、ある大富豪をとりこにしているアメリカ人占い師の正体を暴いてほしいと頼まれる。南フランスの富豪宅を訪ねるも占い師ソフィ(エマ・ストーン)が発揮する驚異的な透視能力にただただ驚かされ、それまでの人生観を覆される羽目に。その上、かれんな容姿で明るく活発な彼女に魅了されてしまい……。
【キャスト】
アイリーン・アトキンス:ヴァネッサおばさん
コリン・ファース:スタンリー
マーシャ・ゲイ・ハーデン:ベイカー夫人
ハミッシュ・リンクレイター:ブライス
サイモン・マクバーニー:ハワード・バーカン
エマ・ストーン:ソフィ
ジャッキー・ウィーヴァー:グレース
キャサリン・マコーマック
エリカ・リーセン
リオネル・アベランスキ
【スタッフ】
監督:ウディ・アレン
製作総指揮:ロナルド・L・チェズ
脚本:ウディ・アレン
2014年 97分
<シネマトゥデイより>
マジック・イン・ムーンライトはウディ・アレンのファンだけ!
ウディ・アレンらしい映画です。
軽快な音楽に言葉数が多く、捻りのあるセリフ。
舞台となっている南仏の景色は素晴らしく、1920年代のファッションも良い。
ただ、凄い面白いのかと言えばそうでは無い。
ウディ・アレンの映画なので好き嫌いがはっきり分かれます。
好きな人でも、ちょっと面白いぐらい。
苦手な人は全く面白くないんじゃないかな。
盛り上がりも捻りもないストーリー。
ただ、甘ったるいだけのストーリー。
ウディ・アレン特有の毒も少なく、聞いてて耳馴染みは良いが、物足りない。
マジック・イン・ムーンライトは言ってしまえばただのオシャレ映画だ。
コリン・ファースはウディ・アレンが乗り移ったような演技で賛否が分かれそう。
僕は好きでした。
表情は厳しいイギリス紳士を崩さない。
心はエマ・ストーンにゾッコン。
このギャップはなかなか愉快でした。
エマ・ストーンは衣装の移り変わりが楽しいです。
ただ、それを眺めてるだけで幸せだった。
男だったら分かるはずです。
マジック・イン・ムーンライトのストーリー
舞台は1928年。
世界的なマジシャンであるスタンリー(コリン・ファース)は親友のハワードの頼みで南仏にいるソフィ(エマ・ストーン)に会いに行く。
ソフィは大富豪ブライスのお気に入りの占い師で、母親と一緒に大富豪に取り入っていた。
親友はスタンリーに彼女の占いのトリックを暴いてほしいと頼みにきたのだ。
スタンリーは科学主義の皮肉屋で、占いなど信じず、神すら信じないような人物だった。
スタンリーはソフィのトリックを暴こうとするが見破れない。
逆にソフィの能力を信じるようになり、共に過ごすにつれ彼女に惹かれていく。
ソフィもまたブライスから求婚されながらもスタンリーに惹かれる。
ある日、スタンリーはソフィの能力は本物だとマスコミの前で発表。
今まで占いの類を信じなかった過去を改めると発表した。
発表後、スタンリーは叔母が入院したと聞き、病院に向かう。
そこで神に祈りを捧げている時に気づく。
スタンリーはソフィに惑わされていたが、やはりトリックがあると勘付いたのだ。
ソフィ達のいる部屋に行き、叔母の無事を報告するスタンリー。
その報告を聞き、スタンリーを含むみんなが部屋を出る中残ったのがソフィとハワード。
そこでハワードはスタンリーを騙せた事を祝おうと言う。
ソフィの様々な占いなどの協力者はハワードだったのだ。
幼い頃からスタンリーとマジックの差をつけられたハワードは嫉妬していたのだ。
その復讐の為に、ソフィを使ってスタンリーに一泡吹かせていたのだ。
生活の為には仕方がなかったとはいえ、ソフィは騙していた事に心を痛める。
だが、その話を出て行ったはずのスタンリーが椅子に腰掛けて聞いていた。
スタンリーはハワードが協力者だという事に気付いていたのだ。
見事にトリックを暴いたスタンリーはロンドンに帰ろうとする。
だが、心の中にはソフィがいた。
ソフィの事を愛していたのだ。
最後はソフィもブライスからの求婚を断り、スタンリーと結ばれるのだった。
マジック・イン・ムーンライトはウディ・アレンらしくない皮肉も少なく平坦なストーリー。
ストーリーは本当に本当に普通だ。
科学至上主義で皮肉屋のスタンリーが可愛い占い師に恋をする。
ただこれだけ。
マジックの種明かしもそうだろうなって感じで、そこを楽しむ映画ではない。
マジック・イン・ムーンライトのメッセージは2つ。
恋愛は人を変える。
嘘は時には必要。
ただ、これだけだろう。
自分の価値観を貫き、友達が1人しかいないおじさんが、小娘に価値観を変えられるのだ。
恋愛感情は科学や合理主義の真逆だろう。
言葉では説明出来ない感情だ。
この感情をなかなか認めないスタンリーの奮闘映画です。
だから、ソフィに気持ちを伝える言葉も遠回りで皮肉を交えてしまう。
そんなスタンリーは一度ソフィに振られる。
そして傷心の彼はおばさんに愚痴を吐く。
その時の言葉は今までにない程ストレートで感情的だった。
これまでのスタンリーを見てきた人は驚く。
この後ソフィは登場し、無事に結ばれるんだけど良いシーンだった。
絶対出てくるって分かってるけどグッときたシーンでした。
マジック・イン・ムーンライトはウディ・アレンらしい皮肉が少なく、やはり彼が出演しないと魅力は半減する。
ただ、どうって事ないセリフにちょいちょい良いセリフを挟んでくるのは相変わらずだ。
ソフィ「皮肉ばかり言って人の希望を砕くご気分は?」
スタンリー「嘘の希望だ」
ソフィ「それでも生きる希望よ」
このセリフをソフィはムキなって言い返す。
そこに彼女の本音が見えた。
騙していて心は痛む。
でも、彼女は相手を弄んで楽しんでいるわけではない。
そこがソフィを嫌いになれない理由だった。
後は、単純に可愛すぎだ。
ウディ・アレンに引っ張られる出演者。
ウディ・アレン映画はウディ・アレンみたいな言動を求められる(多分)
言葉数が多く、皮肉屋で動きもちょっとコミカルだ。
それが苦手な人は彼のどの映画を見ても楽しくないだろう。
マジック・イン・ムーンライトではコリン・ファースが見事にウディ・アレンになっている。
絵に描いたようなイギリス紳士の彼が吐く皮肉は良く似合っていた。
凡庸なセリフでも、彼が話せばそれっぽく聞こえる。
まさかコリン・ファースがここまでウディ・アレンと相性が良いとは思わなかった。
ウディ・アレン風が一番似合うのはジェシー・アイゼンバーグだと思うけど、コリン・ファースもなかなか良い。
エマ・ストーンは様々な衣装で目の保養です。
マジック・イン・ムーンライトで彼女の衣装を担当した人には拍手を送りたい。
魅力を存分に引き出してくれました。
いい感じの小娘を演じていましたが、コリン・ファースほどキャラが立ってないのが残念でしたけど、、
でもこれはエマ・ストーンのせいではない!はず!
『マジック・イン・ムーンライト』のまとめ
ウディ・アレンファンならギリ楽しめます。
ただ、やはり昔の作品と比べると物足りないのは確かでして。
ウディ・アレンも歳を重ねてまるくなってしまった。
最近の作品には圧倒的に毒が足りない。
綺麗に作りすぎだよ、、、
マジック・イン・ムーンライトを楽しいと感じたなら是非過去の作品も見てほしい。
古いから嫌だとか言わないで。
彼の映画は古いとか関係ない作風なので安心してください。
後はエマ・ストーンのファンにも見てほしい作品です。
貼ってる画像の彼女を見たら惚れるでしょ?
それ以外の人は、、まあ時間があればで。
『マジック・イン・ムーンライト』のスタッフとキャストの他の映画
監督:ウディアレン:『タロットカード殺人事件』/『教授のおかしな妄想殺人』/『ローマでアモーレ』/『マッチポイント』/『ミッドナイト・イン・パリ』
コリン・ファース:『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』
エマ・ストーン:『エマ・ストーン おすすめ映画ランキングまとめ』
*本ページの情報は2019年1月時点のものです。
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