![はじまりへの旅](https://cinemovie.tokyo/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
よくある展開にクレイジーな家族。
【ストーリー】
アメリカ北西部の森の奥深くで、6人の子供と暮らしているベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)。子供たちは社会と接点を持っていないが、厳格なベンが課す特訓と熱心な教育によって全員がスポーツ選手並みの体力を誇り、6か国語を自在に話し、長男に至ってはあらゆる名門大学に合格していた。そんな中、入院していた子供たちの母レスリーが他界し、一家は葬儀が行われるニューメキシコへ向けて旅に出ることに。およそ2,400キロメートルもの長い道のりを行く彼らだが、世間知らずゆえに先々で騒動を起こしてしまう。
【キャスト】
ヴィゴ・モーテンセン:ベン
フランク・ランジェラ:ジャック
キャスリン・ハーン:ハーパー
スティーヴ・ザーン:デイヴ
ジョージ・マッケイ:ボウドヴァン(ボウ)
サマンサ・イズラー:キーラー
アナリース・バッソ:ヴェスパー
ニコラス・ハミルトン:レリアン
シュリー・クルックス:サージ
チャーリー・ショットウェル:ナイ
【スタッフ】
監督:マット・ロス
製作総指揮:ニミット・マンカド/デクラン・ボールドウィン
脚本:マット・ロス
音楽:アレックス・ソマーズ
2016年 118分
<シネマトゥデイより>
はじまりへの旅の名言。人間は言葉より行動で決まる。
![はじまりへの旅](https://cinemovie.tokyo/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
はじまりへの旅は、最初から最後まで良い。
シカを狩るシーンから始まり、仕留めたシカの心臓を食べる。
どこの先住民族かと思いきや現代のアメリカ人家族。
昼は狩りを行い、幼い子供はビーバーを捌く為に姉のナイフを盗む。
訓練を積み筋トレだけでなく実践も行う。
娘同士も本気で戦わせる。
狙うのは肝臓か腎臓だ。
夜は小難しい本を読み(カラマーゾフの兄弟など)理解度のテストを行う。
親父がギターを取り出せば、家族のセッションが始まる。
世の中とは隔離された森に住むクレイジーな7人家族の物語です。
ヴィゴ・モーテンセン演じるベンの奥さんで、子供の母であるレスリーは、精神病を患っており入院していたのだが自殺をしてしまった。
義父(ちなみに裕福)は娘が死んだ原因はベンのせいだと言い、葬式には来るな、来たら逮捕させると言う。
子供は母に会いたい。
でも自分も逮捕される訳にはいかない。
レスリーは仏教徒で遺言書には火葬して欲しい(アメリカでは土葬が一般的)と書いてある。
でも義父は勝手にキリスト教式の葬式を進めようとする。
ベンは悩む。
諦めようともする。
でも決断する。
レスリーを救おう。
火葬して遺灰はトイレに流そう(遺言状に書いてある)。
「勝てない戦いもある 強者が弱者を支配するんだ それがこの世の中 不当で不公平だ 残念だが仕方がない 黙って受け入れろ、、、クソくらえだな 戦闘開始だ」
この言葉でレスリーの葬儀に向かう為に森を出て、ニューメキシコに向かうのだ。
僕はこの冒頭から引き込まれた。
なんて良い雰囲気の映画なんだ。
正直言って、はじまりへの旅はご都合主義の連続だ。
ありきたりの展開が続く。
ストーリーに裏切りなんてない。
それでも最高の映画だ。
この家族は最高だ。
はじまりへの旅の生活はクレイジー、でも普通のお父さん。
![はじまりへの旅](https://cinemovie.tokyo/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ベンはまともでクレイジーだ。
子供達を学校に行かせてない。
幼い子にセックスについて詳細な説明をする。
覚せい剤の説明も細かくする。
子供が崖登りでピンチに陥っても助けに行かない。
ふりちんで老夫婦に挨拶。
家族全員で万引き。
普通じゃないでしょ?
これで頭のおかしい奴だったら問題ない。なぜなら頭がおかしいから。
ベンが厄介なのは全てに理由がある所だ。
ふりちんにもちゃんと理由がある。
じゃあ何が問題なのかというと子供だ。
彼らは父の教えや本の知識しかない。
たとえ6ヶ国語話せようが、権利章典について話せようが不安なのだ。
「父さんのせいで変人だと思われてる 僕らはみんな変人だ 本で学んだ事以外知らないんだ」
長男に言われた時のベンの悲しそうな表情。
俺は間違っているのか、、と思っていたはず。
ここからベンは弱気になる。
というより多分自分の教えに不安になったのだろう。
子供達の為になっているのかと。
ベンも普通のお父さんなのだ。
どんなにクレイジーで高尚な知識があっても、子育てに悩む普通のお父さんなのだ。
子供達も森で育って小難しい本を読んでいるが、不安だし反抗期もあるのだ。
この家族は普通の家族です。
決して特別ではない。
だからこそ見る人の胸を打つ。
はじまりへの旅はヴィゴ・モーテンセンしか知らないキャスト。
![はじまりへの旅](https://cinemovie.tokyo/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ヴィゴ・モーテンセン以外ほぼ無名のキャスト。
それでもはじまりへの旅はそれで良かったと思う。
なんせ森に住むクレイジーな家族ですし。
ヴィゴ・モーテンセンが抜群に良かった。
アカデミー賞にノミネートされたのも納得。
カッコイイだけでなく、悩み、苦悩し、落ち込み、と普通の父親を完璧に演じています。
ギターも弾けてバグパイプも吹けて器用。
体も鍛えてるし、この映画でもフリちんを見せるし(イースタン・プロミスではふりちんで格闘)
この人は普通の役は似合わない。
ほんと『ダイヤルM』みたいな映画には出ないでほしい、、
あと、キャストのインタビュー動画の子供達が可愛い。
みんな「アラゴルンに会えるの!! ファンだったんだ」みたいな事を言ってて、、普通の子供でした。
お時間ある時に是非→キャストインタビュー動画
『はじまりへの旅』のまとめ
![はじまりへの旅](https://cinemovie.tokyo/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
はじまりへの旅を見て消費社会へのアンチテーゼなど小難しい考えはやめよう。
クレイジーな親父の、価値観の押し付け教育の是非を問うのも違う。
純粋に家族の物語として見てほしい。
どんな家族にも問題があって、子供の成長に悩むのだ。
ただ、この家族は全員が平等であり男女の区別もない。
互いにリスペクトをしている家族は、どんなにおかしな生活を送っていて、価値観が世間とは違っていても、見ていて気持ちがいいものだ。
「人間は言葉より行動で決まる」この言葉を実践している家族を是非見てほしい。
U-NEXT/PrimeVideo/Hulu/Netflixで配信中。
『はじまりへの旅』の出演者の他の映画
ヴィゴ・モーテンセン:『ヒストリー・オブ・バイオレンス』/『オン・ザ・ロード』/『ダイヤルM』/『危険なメソッド』/『ギリシャに消えた嘘』/『28DAYS』
*本ページの情報は2018年10月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。