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映画には合う合わないがある。
【ストーリー】
3年前に事故とも自殺とも言い難い不可解な死を遂げた写真家、イザベル(イザベル・ユペール)。その回顧展のため、彼女の息子ジョナ(ジェシー・アイゼンバーグ)は実家にいる父ジーン(ガブリエル・バーン)と引きこもり気味の弟コンラッド(デヴィン・ドルイド)と久々の対面を果たす。それぞれがイザベルへの思いを話しながら準備を進めていくうちに、これまで知ることのなかった彼女の素顔や秘密が浮かび上がっていく。それらに戸惑いながらも、改めて彼女の死を受け入れようとする彼らだったが……。
【キャスト】
ガブリエル・バーン:ジーン
ジェシー・アイゼンバーグ:ジョナ
イザベル・ユペール:イザベル
デヴィン・ドルイド:コンラッド
デヴィッド・ストラザーン:リチャード
レイチェル・ブロズナハン
ルビー・ジェアリンズ
メーガン・ケッチ
ラッセル・ポズナー
【スタッフ】
監督:ヨアキム・トリアー
製作総指揮:シグヴェ・エンドレセン/フレデリック・W・グリーン/マイケル・B・クラーク/エミリー・ジョルジュ/ニコラス・シューメイカー/ナイマ・アベド/ヨアキム・トリアー/エスキル・フォクト
脚本:エスキル・フォクト/ヨアキム・トリアー
音楽:オーラ・フロッタム
2015年 108分
<シネマトゥデイより>
母の残像を楽しめたら大人だと思う
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この映画は最高だ。
登場人物の心の機微が繊細に描かれ、人間の苦悩から受容、解放までを丁寧に描いている。
母の死がきっかけではあるが、残された家族のそれぞれの向き合い方も良かった。
一辺倒ではない。そしてよくある描き方ではない。”家族仲良くしよーぜ”みたいな。
母の死から3年経っている。
父は妻の死を受け入れている。
長男は結婚をして子供が産まれたばかりだ。だが、母との距離感が分からずにいる。
次男は未だに受け入れられない。どうしたらいいか分からないのだ。
そこから物語が進むに連れて3人の変化を描き出す。
この静かな描写を楽しんでほしい。
笑う事もハッとするような事も目を覆うようなシーンもない。
平坦でも足りないぐらい。この映画は滑らかだ。
この退屈な映画を是非見てほしい。ここには人間のリアルな感情が描かれている。
とオススメ出来たらどれだけかっこいいだろう。
上に書いた文章は本当に思った事。嘘ではない。
ただ、楽しめたかどうかで言えば楽しめなかった。
静かな映画が苦手ってのはあるけど、これはなんかその中でも別格だ。
別に難しいテーマじゃないはずである。
母の死をきっかけに家族に変化が起きる。
よくある話だろう。
話は頭に入っている。人物描写もわかるっちゃわかる。
一応理解はしてるはず。よく分からない演出もあるけど。
それでもこの映画は楽しめなかった。正直あまりオススメは出来ない。
これが良い映画だと言える人は大人だと思います。
母の残像のストーリーは平坦を通り越す。
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3年前に事故で死んだ戦場カメラマンのイザベル(イザベル・ユペール)の回顧展の準備から始まる。
イザベルは4人家族で、
旦那のジーン:学校の先生
長男ジョナ:大学教授
次男コンラッド:高校生
この4人家族である。
長男 ジョナ:ジェシー:アイゼンバーグ
イザベルの回顧展の準備の為、ジョナは6時間もかけて実家に帰ってくる。
ちなみにジョナは子供が産まれたばかりだ。
母の写真の整理をしている時に、母が戦場で浮気をしていた事を知る。そのデータは削除し胸にしまい込む。
妻には帰ってきてほしいと言われるが、回顧展の準備のせいにしてなかなか帰らない。
それどころか元カノと会い関係を持つ。
父がコンラッドに母が自殺という事実を伝える事に対して反対している。
次男 コンラッド:デヴィン・ドルイド
母の死から立ち直れずにいる。学校では1人で過ごし、家ではネットゲームに没頭。父の事も煩わしく感じている。
パソコンに自分の胸中や意味のない文章を綴る。高校生特有のやつ。
学校に好きな子がいるがどうしていいか分からない。
最後はたまたまパーティーで出会いいい感じになる。彼女が我慢できず外で排泄をしている時に急に涙が溢れる。この文だけ見ると完全な変態だ。
心のモヤモヤの発散場所を探している。
母が自殺という事実を新聞で知る事になるが、しっかり受け入れる。
意外と大人だった事に気付く。兄を気にする優しさもある。
父 ジーン:ガブリエル・バーン
妻とは仕事へのスタンスからそもそもあまり上手くいってなかった。
妻の浮気を知り、相手の所に乗り込む。
だが感情的にはならず、しょうがないかという諦めを感じた。
自身は妻の死後、同じ学校の教師と関係を持つ。ちなみにコンラッドの国語の先生。2人で会ってる所をコンラッドに見られ女教師は顔に唾を吐かれ軽蔑される。2人は関係を解消する。
コンラッドの扱いに戸惑っている。接し方が分からない感じだ。
でも最後は母の自殺を知ったコンラッドと抱き合う。やっと心が繋がった良いシーン。
母 イザベル:イザベル・ユペール
仕事への執念と家族への想いで葛藤しているけど、基本的に仕事優先。
仕事先で同行しているスタッフと関係を持つ。
国内にいた時は関係を持ってない!と浮気相手の男は主張していたが、そういう問題ではない。
戦場カメラマンの仕事を虚しく思う所もある。撮っても伝わらない悔しさ、虚しさ。
旦那もあまり仕事に理解してくれない。
家族の事を愛しているのは間違いない。
ストーリーは過去と現在を行ったり来たりするので説明が難しい。
あとは僕の理解力不足のせいで言葉に出来ない。
というかストーリーを楽しむ映画ではないな。もしそうだとしたら非常につまらない映画だ。
母の回顧展による登場人物の変化。それも大げさではなく、かつポジティブって訳でもない。
ジョナなんて浮気してるしね。
それぞれに葛藤があり、それぞれに悩みがあり、それぞれに今を生きている。
これらの繊細な心情を各キャストが見事に演じていた。
この映画はキャストに救われている。
『母の残像』のまとめ
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僕は楽しめなかったけど、好きな人がいるのも分かる。
映画にはそれぞれ相性がある。
心の機微を繊細に描いているのを退屈と思うか楽しいと思うかだ。
母の死から3年が経ってもそれぞれに影響を及ぼしている。
映画では人の死は割と軽く扱われがちだ。
“駄目な映画を盛り上げる為に簡単に命が奪われていく”
こう桜井和寿も言っている。
この映画の原題は『LOUDER THAN BOMBS』
『爆弾よりも騒がしい』
見る前はこの原題がなぜつけられたのか分からなかった。
でも、この映画を見て納得した。
爆弾が騒がしいのは一瞬。
母の死は一生。
U-NEXT/Netflixで配信中。
『母の残像』のスタッフとキャストの他の映画
監督:ヨアキム・トリアー:『テルマ』
ガブリエル・バーン:『ユージュアル・サスペクツ』
ジェシー・アイゼンバーグ:『ジェシー・アイゼンバーグ おすすめ映画ランキングまとめ』
イザベル・ユペール:『エル ELLE』
エイミー・ライアン:『潜入者』/『その土曜日、7時58分』/『ゴーン・ベイビー・ゴーン』
*本ページの情報は2018年10月時点のものです。
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