『はじまりのうた』☆☆☆☆☆☆☆ 誰も傷つけない。 ネタバレ映画レビューブログ

はじまりのうた ☆☆☆☆☆☆☆




はじまりのうた

104分間のいい話。

【ストーリー】

ミュージシャンの恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)と共作した曲が映画の主題歌に採用されたのを機に、彼とニューヨークで暮らすことにしたグレタ(キーラ・ナイトレイ)。瞬く間にデイヴはスターとなり、二人の関係の歯車に狂いが生じ始め、さらにデイヴの浮気が発覚。部屋を飛び出したグレタは旧友の売れないミュージシャンの家に居候し、彼の勧めでこぢんまりとしたバーで歌うことに。歌い終わると、音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)にアルバムを作ろうと持ち掛けられるが……。

【キャスト】

キーラ・ナイトレイ:グレタ

マーク・ラファロ:ダン

ヘイリー・スタインフェルド:バイオレット

アダム・レヴィーン:デイヴ

ジェームズ・コーデン:スティーヴ

ヤシーン・ベイ:サウル

シーロー・グリーン:トラブルガム

キャサリン・キーナー:ミリアム

【スタッフ】

監督:ジョン・カーニー

製作総指揮:ナイジェル・シンクレア/ガイ・イースト/マーク・シッパー/トム・ライス/ベン・ナーン/サム・ホフマン/モリー・スミス

脚本:ジョン・カーニー

音楽:グレッグ・アレクサンダー

2013年 104分

<シネマトゥデイより>

はじまりのうたは104分間ずっといい話。

はじまりのうた

音楽を題材にして、良い映画を作る監督といえばジョン・カーニーが一番に浮かぶ。

ONCE ダブリンの街角で

はじまりのうた

シング・ストリート 未来へのうた

これらは全て音楽を題材にした映画です。

全てに共通しているのは観た人を誰も傷つけない所。

全部がハッピーエンドって意味ではない。

それぞれの映画で少しですが悲しいストーリーはあります。

でも、重さを全く感じさせない。

“音楽は人を救う”

多分、ジョン・カーニーは本気でそう思ってると思う。

この言葉は陳腐かもしれないけど、彼の映画を見るといつも思う。

そして、本当に心が軽くなる

 

この映画は幸せの絶頂!毎日が楽しい!

って人が見ても何も思わないかもしれない。

ありきたりなストーリーだし、お決まりの展開だし。

でも、少し元気ないな。

ちょっと気持ちを変えたいな。

って人には寄り添ってくれる映画です。

刺さる映画ではなく、寄り添ってくれます。

はじまりのうたのストーリー(ネタバレ)

はじまりのうた

自ら立ち上げた音楽レーベルで過去にはグラミー賞を受賞し、名プロデューサーだったダン(マーク・ラファロ)

彼はその会社から解雇され、酒に溺れ、妻とは別居し、自殺まで考えていた。

そんなダンが飲んでいたバーで、グレタ(キーラ・ナイトレイ)が弾き語りを始める。

ダンはその曲を聴き、すぐに契約をしようと申し出る。

グレタはデイブ(アダム・レヴィーン)と共にイギリスからニューヨークに来ていた。

デイブが映画の挿入歌でヒットし人気者になったのだ。

一緒に曲作りをしていたグレタはデイブと一緒に来たのだが、デイブの浮気で破局する。

イギリスに帰る前の晩、友人に連れられ行ったバーで曲を披露したのだ。

グレタはダンと共にアルバム制作に取り掛かる。

お金も機材もない2人は屋外でレコーディングをする事に。

ダンのコネを使い、様々な演奏者を呼びレコーディングを始める。

曲は順調に作られ、途中険悪だったダンと娘の仲もグレタが間に入る事で改善していく。

レコーディングも終わり、アルバムが完成した後デイブから連絡がある。

デイブが音楽賞を受賞したニュースを見たグレタは彼への気持ちを歌にして留守電に残していた。

それを聞いたデイブはグレタへの気持ちに気づき連絡をしてきた。

2人は再開し、それぞれの音楽への話をする。

その中でグレタが曲を書いたデイブの人気曲について、グレタはアレンジが好きじゃないと言う。

デイブは別れ際、グレタを次のライブに誘う。

ライブ当日、そこでグレタが書いた曲が歌われた。

そのアレンジはグレタが直した方がいいと言った方にアレンジされていた。

グレタは出来上がったアルバムを1ドルでダウンロード出来るようにダンに頼む。

ダンは音楽業界に喧嘩を売る行為だと一瞬躊躇するが、グレタの希望どうりに1ドルで配信する。

このアルバムはたった1日で1万ダウンロードされるほど話題になったのだった。

はじまりのうたの幸せな風景。

この映画のストーリーはシンプル。

全てを失ったダンと彼氏に裏切られたグレタが出会い、それぞれの才能を活かして曲を作り、アルバムは大ヒット。

ダンは家族と幸せに暮らし、グレタは元カレと踏ん切りをつける。

この映画が見ていて気持ちが良い理由はこのシンプルさだと思う。

観てる人がこうなったらいいなって展開通りに進む。

 

後は、幸せな風景の盛り合わせ。

この映画は観てる方が気恥ずかしくなるような幸せな風景が多い。

グレタの曲を初めて聞いた時、ダンが想像でアレンジを加えるシーン。

バンドのレコーディングシーン。

グレタとダンが一緒のipodを聴くシーン。

ダンの娘がギターで参加するシーン。

デイブが最後に歌うシーン。

他にも沢山ありますが、この辺で。

これらが観ていて微笑ましく、全くこちらを裏切るような演出をしない。

そこに潔さを感じた。

この映画は驚きを与えてくれる映画ではない。

でも、それが観ていて心地良いのだ。

アダム・レヴィーンのキャスティング。

はじまりのうた

主演はキーラ・ナイトレイ。

先に言うと彼女は何も悪くない。

美しさを前面に出さず、キラキラしたキャラでは全くない。

それでもあの目鼻立ちはどうしても目がいってしまいますが、、、

特別上手い訳ではない歌声。

ぎこちないギター。

これらがカジュアルな服装に身を包んだ彼女には似合っていた。

多分彼女が上手すぎたらこの映画は成立してなかっただろう。

どこにでもいそうな女の子を上手に演じてました。

 

マーク・ラファロのだらしない体型。

無精髭にくたびれた服装。

見た目は完全にダメ親父です。

それでも、ただのダメ親父に見えないのは何でだろう。

過去のコネを活かして大物アーティストに会いに行くのに違和感を感じさせない。

この人なら人望あるよなと素直に見れてしまう。

都合よく集まってくる演奏者達も、なんか納得できてしまう。

不思議な魅力のあるおじさんです。

浮気された嫁(キャサリン・キーナー)と元鞘に収まる展開は良かった。

彼女の浮気に対してどう思ってるか語られる事はない。

グレタに惹かれてた事も間違いない。

でも、元鞘に収まる決断をしたダンはカッコよかった。

これでもしグレタと一緒になってたら下心満載プロデューサーとしてしか見れなかったですからね。

 

個人的に衝撃だったのがアダム・レヴィーン演じるデイブ。

もちろん、マルーン5は知ってるし、アダム・レヴィーンの名前も知っている。

でも、顔は知らなかった。

出演している事も知らなかった。

だから劇中の歌を聞いた時の衝撃はこれから先忘れる事はないだろう。

正直キーラ・ナイトレイが可哀想だ。

7:3でキーラナイトレイが歌うシーンが多い。

主演だから当然だ。

ただ、たまに出てくるアダムが歌うもんだから、、、

上手いに決まってるじゃないですか。

プロだもん。

この感動は僕しか分からないだろうな。

アダムの顔知らなくて逆に良かった。

『はじまりのうた』のまとめ

はじまりのうた

劇中の曲が良い事はわざわざ書くまでもない。

一応書いておくと、劇中歌『Lost Stars』が第87回アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされてます。

 

誰が観ても楽しめるけど、見る人の心境によって大きく印象は変わります。

少しでもいいからネガティブな感情な時に。

少しでもいいから俯いてる時に。

少しでもいいから前を向きたい時に。

そんな人の背中を軽く押して、寄り添ってくれる映画です。

 

この映画をボロクソに書いてる人はよっぽど捻くれてるか、今が幸せな人でしょう。

そんな人はダンサー・イン・ザ・ダークでも見てればいいのだ。

少し落ち込んでください。

 

後、この映画の公開後に起きたジョン・カーニーのキーラ・ナイトレイに対する口撃。

これだけが唯一不快にさせた。

謝罪があったからまだ良いんだけど、、、

U-NEXT/PrimeVideo/Netflixで配信中。 

『はじまりのうた』のスタッフとキャストの他の映画。

監督:ジョン・カーニー:『ONCE ダブリンの街角で』/『シング・ストリート 未来へのうた

キーラ・ナイトレイ:『危険なメソッド』/『素晴らしきかな、人生』/『エンド・オブ・ザ・ワールド

マーク・ラファロ:『コラテラル』/『キッズ・オールライト』/『ブラインドネス』/『それでも、やっぱりパパが好き』/『グランド・イリュージョン』/『グランド・イリュージョン2 見破られたトリック』/『ゾディアック

キャサリン・キーナー:『40歳の童貞男』/『ゲット・アウト』/『デス・トゥ・スムーチー


*本ページの情報は2019年1月時点のものです。
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