『疑わしき戦い』☆☆☆☆ 扇動者は扇動者のまま ネタバレ映画レビューブログ

疑わしき戦い ☆☆☆☆




疑わしき戦い

ジェームズ・フランコを嫌いになる。

【ストーリー】

舞台は、アメリカが大恐慌の波に揉まれた1930年代カリフォルニアのリンゴ農園地帯。
リンゴ農園で働く900人もの移民たちは過酷な労働を強いられたうえ、約束の賃金より安く働かされており地主たちと衝突。
ジム・ノーラン率いる労働者たちは結束し、一団がストライキを起こすが…。

【キャスト】

ジェームズ・フランコ:マック

ナット・ウルフ:ジム

ヴィンセント・ドノフリオ:ロンドン

セレーナ・ゴメス:リサ

エド・ハリス:ジョイ

サム・シェパード:Mr.アンダーソン

ジョン・サベージ:ダン

アナリー・ティプトン:ヴェラ

アシュリー・グリーン:アリス

ジョシュ・ハッチャーソン:ヴィニー

アナ・オライリー:エディ

キーガン・アレン:ケラー

ロバート・デュヴァル:ボルトン

ブライアン・クランストン:シェリフ

【スタッフ】

監督:ジェームズ・フランコ

製作:ビンス・ジョリベット/アイリス・トレス/アンドレア・レルボリーノ/モニカ・バガルディ/スコット・リード/ロン・シンガー

原作:ジョン・スタインベック

脚本:マシュー・レイガー

撮影:ブルース・ティエリー・チャン

美術:クリステン・アダムズ

衣装:デビッド・ペイジ

編集:アーロン・I・バトラー/ゲイリー・D・ローチ

音楽:ハウシュカ

2016年 113分

<amazonより>

疑わしき戦いの監督・主演はジェームズ・フランコ。

疑わしき戦い

ジェームズ・フランコが監督・主演を務めたこの作品。

情報が少なく、wikipediaにもタイトルが載っているだけで詳細ページはなく、監督のクレジットもない。

彼のファンだし、地味に豪華なキャストに惹かれて鑑賞したんですけど、、

あんまり面白くないぞ!

世界恐慌の時代、虐げられた季節労働者達のストライキを煽動し、雇い主と戦う話なんだけど、、

マジで無策なんです。こいつら。煽動者達。

もっとストライキを成功させる為の策とか、労働者との結束力を高めるとかないんかね!

リーダー役のジェームズ・フランコの事は間違いなく嫌いになります。

あんな最後だとしても。

原作のジョン・スタインベックはアメリカ文学の巨人と呼ばれる人物。

『エデンの東』や『怒りの葡萄』は聞いた事がある人も多いと思います。

そんな彼の原作で、キャストは地味に豪華!

でも全然面白くない!

これは監督のジェームズ・フランコのせいなのかな、、、

疑わしき戦いのストーリーは期待してたんだけどね。

疑わしき戦い

時代は1930年代、世界恐慌の影響で経営者と労働者の格差が広がっていた。

リンゴ農園で働いてる人達は過酷な環境と本来の提示された賃金よりも安い金額で働かされていた。

そこに、ストライキを起こさせようと潜り込んだのが急進派の2人。

マック(ジェームズ・フランコ)とジム(ナット・ウルフ)だ。

彼らはこの搾取される環境を改善するべくストライキの扇動をしていた。

リンゴ農園に潜り込んだ2人は、労働者のリーダーであるロンドン(ヴィンセント・ドノフリオ)と結託し、雇い主であるボルトン(ロバート・デュバル)の農場でストライキを起こす。

数々の人を犠牲にし結束力を強める労働者達だったが、現状を打破出来ない状況と物資の不足により士気が下がっていった。

士気が下がる中、ボルトン達は労働者を追い詰めるべく野営していた場所に火を放つ。

今まで場所を提供していた人物からも出て行ってくれと言われる始末。

そして翌朝までに出ていかないと軍を呼ぶと州の保安官に言われ、戦うか逃げるかを投票で決める事にする。

なかなか意見がまとまらないなか、マックは敵の犠牲となる。

それを見た労働者達はまた団結し、戦う事を決めるのだった。


雑になってしまった。

あまりにもストライキを煽動する2人に魅力がないのだ。

特にマックが。

まず無策である。

彼らはストライキを起こす所までは計画する。

その後の野営地の確保や物資の提供も準備する。

だが、そこから先がないのだ。

このストライキがどうなったら勝ちなのかが最後まで分からなかった。

そして、敵の勢力に押され出すと逃げ出そうとする始末。

さらに上手くいかない事があると周りに当たり散らす。

マック抜きで敵に一矢報いた後でもリーダー面をするのだ。

でも、あくまでも本当のリーダーはロンドンという姿勢を崩さない。

矢面に立つのはロンドンで自分は裏で画策をするだけ。

ジムが好きになった女にも手を出すし。

ストライキを起こさせる為には味方も犠牲にするし。

梯子に細工して味方に怪我させるとか、友人の死を利用するとか、、、

思い出すだけでイライラする!

最後は自分を犠牲にして労働者達を結束させたけど、最後だけそんな事してもね。

あくまでも自分は煽動するだけってのがなかなか共感出来なかった。

疑わしき戦いのヴィンセント・ドノフリオの迫力。

疑わしき戦い

主演のジェームズ・フランコとナット・ウルフも良かった

特にナット・ウルフは徐々にストライキにのめり込み、持ち前の正義感と相まって徐々に狂気を帯びて行った演技は素晴らしい。

でも、個人的にはヴィンセント・ドノフリオ!

彼は本当に季節労働者なんじゃないかと思わせるリアルな雰囲気。

粗暴さと不器用さ。リーダーに祭り上げられた若干の戸惑い。

これらが素晴らしく適役であった。

その他にもセリーナ・ゴメスやちょっと推してるアナリー・ティプトンも出演している。

さらにロバート・デュバルやエド・ハリス、ブライアン・クランストンも少し出てくるが、、まあそれでこの映画が楽しくなる訳ではなかった。

『疑わしき戦い』のまとめ

疑わしき戦い

最後まで扇動者は扇動者。

労働者の為という大義の為に一緒に戦っているように見えるが、疑わしい。

ただストライキを起こさせたかっただけに見えたのが残念だった。

最後までその先にある労働者の生活が見えてこなかった。

だからタイトルが”疑わしき戦い”なのか、、、

ただ、この時代に起きた数々のストライキのお陰で、今では労働者を守る数々の法律が出来ている。

過去の先人達が戦ってくれたお陰だ。感謝してもしきれない。

この映画はそれらを教えてくれたという点では良かったかもしれない。

最後に出てくる言葉がある。

“人々の本当の望みは富や権力じゃない 人生に価値を求めてる 自分の価値だ 自分の人生を自分で選択したい そのために戦う どんな犠牲を払おうと”

あまりに無策な扇動者と労働者。

それをしたたかに搾取する経営者。

あれ、この構図って今でも変わってない気が、、、

U-NEXT/Netflixで配信中。 

『疑わしき戦い』のスタッフとキャストの他の映画

監督:ジェームズ・フランコ:『バトルフロント』/『デート&ナイト

ナット・ウルフ:『きっと、星のせいじゃない

エド・ハリス:『ヒストリー・オブ・バイオレンス』/『ゴーン・ベイビー・ゴーン

アナリー・ティプトン:『ラブ・アゲイン』/『ウォーム・ボディーズ

ブライアン・クランストン:『30年後の同窓会』/『潜入者』/『ドライブ

ジョシュ・ハッチャーソン:『キッズ・オールライト

ロバート・デュヴァル:『アウトロー

セレーナ・ゴメス:『ゲッタウェイ スーパースネーク


*本ページの情報は2018年11月時点のものです。
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