ジュード・ロウによる倍返し!
【ストーリー】
金融マンであった夫マーティン(チャニング・テイタム)が違法株取引で逮捕されたのを機に、以前に患ったうつ病を再発させてしまったエミリー(ルーニー・マーラ)は、交通事故や自殺未遂を引き起こすように。診察にあたる精神科医バンクス(ジュード・ロウ)は、かつて彼女を診ていたシーバート博士(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に相談。エミリーが抱える症状の詳細を聞き出し、彼女の了承も得て抗鬱剤の新薬アブリクサを投与する。症状が快方に向かっていたある日、マーティンがナイフで刺されるという事件が起き……。
【キャスト】
ジュード・ロウ:ジョナサン・バンクス博士
ルーニー・マーラ:エミリー・テイラー
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ:ヴィクトリア・シーバート博士
チャニング・テイタム:マーティン・テイラー
ヴィネッサ・ショウ
カルメン・ペラエス
マリン・アイルランド
ポリー・ドレイパー
ジェームズ・マルティネス
メイミー・ガマー
ケイティ・ロウズ
デヴィッド・コスタビル
【スタッフ】
製作総指揮:ジェームズ・D・スターン/マイケル・ポレール/ダグラス・E・ハンセン
脚本:スコット・Z・バーンズ
音楽:トーマス・ニューマン
2013年 106分
<シネマトゥデイより>
サイド・エフェクトは軽いサスペンス。
いかにもスティーヴン・ソダーバーグらしい映画だった。
街並みや部屋、それぞれの衣装に到るまでこだわり、クリーンでオシャレに仕上がっている。
面白い、面白くないは置いといて。
サイド・エフェクトはきっと誰が見ても面白いはず。
ストーリーは分かりやすく、最後にはしっかりと溜飲を下げてくれる内容。
ただ、サスペンスとしては非常に軽い。
全てを失った精神科医の思惑通りに事が運ぶが、それが少し物足りなかった。
そして、あまり感情を表に出さない演出のお陰で、感情があまりこちらに伝わってこなかった。
多分、この映画の一番の見所はルーニー・マーラ。
“傷ついた小鳥のようだった”
こんなセリフが劇中である。
まさにサイド・エフェクトのルーニー・マーラを的確に表していた。
壊れそうなほど繊細な体。
哀しげな表情。
思わず守ってあげたくなる女性なのだ。
そんな彼女が時折見せる色気。
こんなんね、男は騙されるわ。
最低な女だったけど。
サイド・エフェクトのストーリー(ネタバレ)
旦那のマーティン(チャニング・テイタム)がインサイダー取引で逮捕されたのきっかけに、うつ病が再発したエミリー(ルーニー・マーラ)
彼女は駐車場の壁にノーブレーキで衝突する事故を起こす。
幸いにも命に別状はなかったが、エミリーの様子を見る為に精神科医のバンクス(ジュード・ロウ)が病室に訪れる。
情緒不安定な状態で夢遊病が続くエミリーを見て、バンクスはかつてエミリーが診察を受けていた精神科医シーバート(キャサリンゼタ=ジョーンズ)に相談する。
彼女はバンクスに新薬のアブリクサを使ってはどうかと提案する。
バンクスはエミリーにアブリクサを処方し始める。
エミリーの鬱状態は改善されるが、夢遊病は改善されなかった。
ある日、マーティンが家に帰るとエミリーはキッチンで料理をしていた。
マーティンは3人分の食器が用意されてるのを見て、また夢遊病の症状が発症したと考えたマーティン。
エミリーを止めにキッチンに入ると、なんの前ぶりもなく包丁で刺されるのだった。
翌日、エミリーは死んでいるマーティンを見て通報する。
エミリーは昨日の出来事を覚えていなかったのだ。
エミリーが殺人犯なのか、薬の被害者なのかが焦点になる。
もし薬の被害者だとしたらバンクスが訴えられるのだ。
睡眠中の犯行に自覚があるかどうかが焦点となった裁判。
そこで弁護士とバンクスはエミリーに取引を持ちかける。
殺人罪は心神喪失により無罪になる。
その代わり、精神医療センターに入って引き続き治療を続ければ釈放するという内容だった。
エミリーはそれに同意し釈放される事に。
その後、エミリーの手記やメディアによって、バンクスが薬の投与を続けたせいで事件が起きたと世論が形成される。
バンクスは病院や患者からの信頼を失うのだった。
その後、バンクスはアブリクサを調べるとシーバートがアブリクサの夢遊病について言及している記事を見つける。
バンクスはシーバートにその事を問い詰めるが、シーバートは事件はバンクスのせいだと言うのだった。
その後もバンクスは失った信頼を取り戻そうと様々な捜査を続ける。
すると、エミリーが実は鬱でもなく、夢遊病でもなかったんじゃないかと思い始める。
治療という名目でエミリーに会いに行ったバンクスは、エミリーにちょっとした実験を行い彼女は正常だと考える。
次に、シーバートとエミリーの繋がりも見つけ、2人がグルになって金儲けをしていた事に気づく。
バンクスはエミリーとシーバートそれぞれに会い、上手く操作して彼女たちを仲間割れさせる。
エミリーを精神医療センターから解放し、シーバートの元に向かわせる。
シーバートはまさかエミリーが裏切っているとは知らずに、事件についてエミリーと話す。
エミリーには盗聴器がついており、言質がとれたという事で外で待機していた警察にシーバーとは逮捕される。
エミリーはバンクスの元に向かう。
裁判所命令でエミリーは精神医療センターから出る代わりに、バンクスの元に通わなければいけなかったのだ。
バンクスはそこで裁判所命令どおりの強い副作用のある薬を処方する。
エミリーは戸惑うが、それがバンクスの復讐だったのだ。
反抗的な態度をとったとし、またも精神医療センターに収容されるエミリー。
そこには強い副作用の薬を飲まされて、虚ろ気な表情のエミリーがいるのだった。
まさにサイド・エフェクトな痛快な復讐。
ストーリーはだいぶ端折りました。
簡単に言います。
鬱を装ってウザい旦那を殺して、金儲けもしよう→申し訳ないけど、精神科医には犠牲になってもらおう→復讐される。
これはなかなか痛快な話しでして。
何故かと言えば、復讐するのは精神科医のバンクス。
バンクスはストーリーの7割まではめちゃくちゃ可哀想なんです。
まずバンクスが狙われたのはたまたまだ。
エミリーとシーバートはバンクスに個人的な恨みはない。
偶然エミリーの診察をしたってだけで、狙われる。
そして全てを失った。
精神科医としての実績。
家族からの信頼。
仕事はなくなり、家族は家を出ていった。
何にも悪い事をしてないのに、、
ただ、そこからですね。
ただの精神科医がめちゃめちゃ推理するんです。
エミリーが車で事故を起こした時にシートベルトをしていた事。
シーバートがアブリクサの副作用を知ってて、なんでバンクスに勧めたのかとか。
ただの精神科医ですよ?
今回はワトソンじゃないんですよ?
そこからの復讐は痛快でした。
まず2人に猜疑心を抱かせ、仲間割れさせる。
エミリーなんて精神病患者の頭に電気を流すのを見て、すぐにびびっちゃいましたからね。
そして、バンクスとシーバートが2人で会ってる所をわざと目撃させる。←偶然に頼りすぎだろ!
こんなんしてたら、エミリー簡単に裏切る。
シーバートあっさり逮捕。
エミリーはシーバートを売って、バンクスとはもうおしまいって思ってたでしょう。
でもバンクスは容赦なかった。
「まずはソラジン 施設に虚ろな目の患者たちがいたろ? その薬だ」
「次がデパコート 気分を落ち着かせるが副作用で髪が抜ける」
こんな感じでちょっと笑みを含みながら処方箋を書いていくんですよ。
エミリーも何?この人何してんの?って表情をしてるんです。
でも、徐々に気づくんです。
バンクスは私を許してないって。
この時のバンクスの楽しそうな表情。
エミリーの戸惑った表情。
最高でした。
精神科医特有の復讐。
まさにサイド・エフェクト=副作用。
これは、、怖い。
サイド・エフェクトは豪華キャスト!特にルーニー・マーラは最高。
主演はジュード・ロウ。
ハゲ具合が精神科医にぴったりです。
そして、少し悪意のある顔。
これが最後の復讐する場面でいきてますね。
ただのイケメンではない。
他にも大御所キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
一番可哀想なキャラのチャニング・テイタム←いい事が一つもなかった。
彼らも良かったんですけど、サイド・エフェクトで一番良かったのはルーニー・マーラでしょう。
最初はまさかこんな悪い奴なんて思ってなかったからさ。
男は単純だから同情しちゃうんですよ。
若くして結婚した旦那が捕まり、健気に面会に行くシーン。
久しぶりのセックスで旦那がうまくいかないけど優しく包み込むシーン。
旦那を刑務所に送ったと思われる奴が主催のパーティーで涙を流し、自殺未遂もする(全部演技だったけど)
この、可哀想な私、、、ってのがめちゃめちゃ似合うんです!
“傷ついた小鳥のようだった”
まさにこれ!
このセリフ考えた人に拍手!
そして、しっかりとエロい部分も見せてくれるし、、
キャサリン・ゼタ=ジョーンズとの絡みもね、、最高です。
サイド・エフェクトのまとめ。
わかりやすく面白いサスペンス映画です。
序盤はなかなかストーリーが進まず、何が起きてどう着地するんだ?
って心配になりましたが、しっかりと回収してくれました。
ただ、トントン拍子に進みすぎるバンクスの捜査にちょっと冷めたり、2人の女の絆の浅さにちょっと引いたりはします。←簡単に裏切りすぎだろ!
犯人との駆け引きを楽しむサスペンスではなく、半沢直樹的な倍返しを楽しむ映画です。
最後病院送りにされたルーニー・マーラの表情。
めちゃめちゃむかつく子だったけど心が傷んだ。
多分僕は簡単に騙されるタイプです。
U-NEXT/Netflixで配信中。
『サイド・エフェクト』のスタッフとキャストの他の映画。
監督:スティーヴン・ソダーバーグ:『エージェント・マロリー』/『マジック・マイク』/『ハイ・フライング・バード 目指せバスケの頂点』
ジュード・ロウ:『ガタカ』/『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』/『ラウンダーズ』/『リプリー』
ルーニー・マーラ:『ソーシャル・ネットワーク』
チャニング・テイタム:『21ジャンプストリート』/『22ジャンプストリート』/『エージェント・マロリー』/『ドン・ジョン』/『マジック・マイク』
*本ページの情報は2019年2月時点のものです。
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