俺の瞳は茶色だ。
【ストーリー】
地表から600キロメートルも離れた宇宙で、ミッションを遂行していたメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)。すると、スペースシャトルが大破するという想定外の事故が発生し、二人は一本のロープでつながれたまま漆黒の無重力空間へと放り出される。地球に戻る交通手段であったスペースシャトルを失い、残された酸素も2時間分しかない絶望的な状況で、彼らは懸命に生還する方法を探っていく。
【キャスト】
サンドラ・ブロック:ライアン・ストーン
ジョージ・クルーニー:マット・コワルスキー
【スタッフ】
監督,脚本:アルフォンソ・キュアロン(トゥモロー・ワールド監督)
2013年 93分
<シネマトゥデイより>
ゼロ・グラビティは映像以外の感想が出てこない。
2013年アカデミー賞監督賞の受賞作。
当時この映画の感想は、「映像がやばい」「宇宙にいるみたい」「映画館で見ないと意味がない」
など、ほとんど映像の事以外の感想がでてこなかった。
サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーが出ているのに。
でも改めて見てもやはり映像の虜になってしまう。
冒頭のアルフォンソ・キュアロン得意の長回しが映像に没入させるのだ。
気づいたら手を握りしめているという映画は他にあるだろうか。
緊迫し絶望的な状況と綺麗で無機質な宇宙との対比がそうさせているのだろう。
ただただ映像に圧倒される体験が出来る映画だ。
ゼロ・グラビティの名言”必ず生還する”と言え。
この映画はこの二人だから成立している。
個人的にジョージ・クルーニーが本当にかっこよかった。
ちなみにサンドラ・ブロックはアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、
ジョージ・クルーニーは何もなかったのだが、、
サンドラブロックを包み込むような演技が出来るのは彼ぐらいだろう。
宇宙に放り出される絶望的な状況でも余裕なのだ。
いや、余裕を見せるのだ。宇宙に不慣れなサンドラ・ブロックを救う為に。
この余裕は決して強がりではない。
「俺に惚れてただろ?」「青い瞳がステキだとよく言われる」
「とてもステキな…」
「俺の瞳は茶色だ」
このシーン。男でも惚れるわ。
全てはサンドラ・ブロックを救う為。落ち着かせる為に余裕を演じているのだ。
中盤、サンドラ・ブロックが全てを諦めようとするシーンでもしれっと現れて彼女を救う。
これは彼女が見た夢ではあったのだが、本当に現れたと思ったのは僕だけじゃないだろう。
もちろん夢だろうなとは思った。なぜなら死んだのだから。
それでもと思わせる存在であったのだ。
ゼロ・グラビティのジョージ・クルーニーは絶望的で救いのない世界で唯一の明かりであり救いであった。
「”必ず生還する”と言え」この言葉はあの状況だからこそ重さを持ったのだ。
『ゼロ・グラビティ』のまとめ
物凄い面白い映画ではないかもしれない。
でも見ておくべき映画だろう。
93分のうち、90分は宇宙が舞台。
なので景色はあまり変わらない。地球がオーロラに覆われたり、朝日が見えたりはするが
舞台はずっと宇宙なのだ。
さらに宇宙人もモンスターもガーディアンズ・オブ・ギャラクシーも出てこない。
ずっと二人。会話も少ない。表情も宇宙服のおかげでほとんど見えない。派手なアクションもない。
それなのに全く退屈させず魅入ってしまう。
この映画でしか出来ない没入体験を是非味わってほしい。
『ゼロ・グラビティ』のスタッフとキャストの他の映画
監督:アルフォンソ・キュアロン:『トゥモロー・ワールド』
サンドラ・ブロック:『完全犯罪クラブ』/『しあわせの隠れ場所』/『28DAYS』
ジョージ・クルーニー:『マイレージ、マイライフ』/『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』/『オー・ブラザー!』