『パトリオット・デイ』☆☆☆☆☆☆☆☆ これが実話なのか。 ネタバレ映画レビューブログ

パトリオット・デイ ☆☆☆☆☆☆☆☆




パトリオット・デイ

オーティスに鳥肌。

【ストーリー】

2013年4月15日。アメリカ独立戦争開戦を記念して毎年開催されるボストンマラソンで、ギャラリーの歓声を受けながら多くのランナーが疾走していた。そしてすさまじい爆発音がとどろき、煙が吹き上がる。街がパニックに包まれる中、FBIは爆発をテロと断定。ボストン警察のトミー(マーク・ウォールバーグ)は、捜査の指揮を執る捜査官リック(ケヴィン・ベーコン)らFBIとぶつかり合いながらも共に犯人を追う。やがて、黒い帽子の男と白い帽子の男の存在が捜査線上に浮かび……。

【キャスト】

マーク・ウォールバーグ:ボストン警察巡査部長 トミー・サンダース

ジョン・グッドマン:ボストン警察警視総監 エド・デイヴィス

ケヴィン・ベーコン:FBI特別捜査官 リック・デローリエ

J・K・シモンズ:ウォータータウン警察巡査部長 ジェフ・ピュジリーズ

ミシェル・モナハン:キャロル・サンダース

ヴィンセント・カラトーラ

アレックス・ウルフ

テモ・メリキゼ

マイケル・ビーチ

ジェームズ・コルビー

レイチェル・ブロズナハン

メリッサ・ブノワ

カンディ・アレクサンダー

デヴィッド・オーティス

【スタッフ】

監督:ピーター・バーグ

製作総指揮:エリック・ジョンソン/ポール・タマシー/ニコラス・ネスビット/ダン・ウィルソン/ジョン・ローガン・ピアソン/ルイス・G・フリードマン

脚本:ピーター・バーグ/マット・クック/ジョシュア・ゼトゥマー

音楽:トレント・レズナー/アッティカス・ロス

2016年 133分

<シネマトゥデイより>

パトリオット・デイで珍しく活躍する警察と捜査官。

パトリオット・デイ

パトリオット・デイは2013年に起きたボストンマラソン爆破テロ事件を映画化したものだ。

この事件は当時ニュースで見て衝撃を受けた記憶がある。

そしてその記憶を鮮明に思い出させた。

実際の事件の映像が多用され伝わってくる緊張感。

そして痛み。

被害者の血の跡や怪我、千切れた足、横たわる子供。

パトリオット・デイの前半はショッキングな映像が流れる。

でも、それがリアルなのだ。

これは実際に起きたテロ事件なのだ。

その犯人を捕まえる為に警官やFBI、知事や市長、そして住民が協力する。

その規模と行動の速さ、そして逮捕後の警察や捜査官への惜しみない拍手。

 

もしパトリオット・デイがフィクションだったらどうって事のない映画です。

綺麗にまとめたなーと思うだけで。

でも、実際の映像を使われると、そこには温度が伴う。

僕は鳥肌がたった。

 

映画を見ていると汚職警官ばかりが目立つ。

あとは無能な捜査官。

そんなイメージがこびりついていた僕は反省しました。

 

ちなみに監督のピーター・バーグとマーク・ウォールバーグのタッグは3度目。

『ローン・サバイバー』『バーニング・オーシャン』を撮っていて、どちらも実話映画です。

パトリオット・デイのストーリー(ネタバレ)

パトリオット・デイ

2013年4月15日。

毎年パトリオット・デイ(愛国者の日)に開催されるボストンマラソンの最中に爆破事件が起きる。

現場はたくさんの負傷者が出て混乱。

3人の死者を出した。

ボストン市警察のトミー・サンダース(マーク・ウォールバーグ)は事件発生現場の近くにいた。

トミーは仲間や近くに住民と一緒に救護活動を行い、様々な指示を出す。

やがて現場に現れたのがFBI特別捜査官のリック・デローリエ(ケヴィン・ベーコン)

この事件の指揮はFBIの手に委ねられる。

リックの捜査とぶつかりながらもトミーも捜査を続ける。

現場近くの監視カメラの映像から怪しい人物を発見したFBI。

そこで現場に詳しいトミーが呼ばれ、共に検証を行い遂に犯人の顔を捉える。

犯人の顔をすぐに公表して情報を集めるべきとトミー達警察官は提案。

だが、あくまでも容疑者の段階で公表するのは早いとリックは拒否。

この事件をイスラム教徒のテロと断定してしまうと様々な反発や混乱が起きると判断したのだ。

だが、マスコミが顔写真をどこからか入手し発表するとの情報が入る。

そこでリックは渋々ながら顔写真を公表。

市民からの情報を募る。

犯人はタメルラン・ツァルナエフとジョハル・ツァルナエフの兄弟。

彼らは顔写真を公表された事により次の行動に移る。

それはニューヨークでの爆破テロだ。

その途中、拳銃が欲しいとジョハルが言った為、警官を殺害し拳銃を奪う。

逃げる為の車も盗み、車の持ち主は人質として同乗させられていた。

だが、一瞬の隙をつきこの人質は逃げる事に成功。

警察に連絡をして、ツァルナエフの兄弟は警察に追われる。

ある場所で警察に見つかった兄弟は激しい銃撃戦になる。

そこで兄のタメルランは死亡。

ジョハルは逃げる。

ジョハルを見つける為にボストン市内に外出禁止令が出される。

地道な捜査を続け、遂にジョハルを逮捕。

事件発生からわずか102時間後、街に平穏が戻った。

事件後、ボストン・ストロングを合言葉に街は1つになるのだった。

パトリオット・デイで分かる、平穏な日常に潜むテロ。

パトリオット・デイ

パトリオット・デイの冒頭は様々な人物の日常が映し出される。

 

トミーの捜査の風景。

カップルの会話。

大学生と警官との恋愛に発展しそうな繋がり。

ベンツを買った中国人。

老警官と奥さんとの仲睦まじいやり取り。

そして爆弾の作り方の動画をみる2人の兄弟。

 

これらの人物がボストンマラソンをきっかけに交差する。

 

カップルは爆弾テロの被害者として。

恋愛に発展しそうだった警察官は拳銃を奪われ射殺される。

ベンツを買った中国人は車を奪われる人質になる。

老警官は激しい銃撃戦で犯人の確保。

 

それぞれの日常がテロによって大きく変わったのだ。

 

ただ、平穏な日常を送っていただけなのに人生を変えられる。

 

犯人は悪い。

それは間違いない。

擁護する気もない。

 

ただ、パトリオット・デイでは犯人を100%の悪だと決めつけてない。

彼らを生み出した原因はアメリカにあると示唆するセリフを多様している。

 

“9.11はアメリカがビルを爆破した”

“この国は嘘だらけだ 誰も真実を知らない”

“全ては政府の仕業だ イスラムを嫌わせる為だ”

“9.11の目撃者は全員俳優だ”

“毎日シリアなどの国ではもっと大勢が殺されている 罪のない人々が”

 

言ってしまえば、誰もがスッキリする浅い勧善懲悪映画だったらこんなセリフを盛り込まないだろう。

都合の悪い実際の発言は編集してしまえばいい。

でも、わざわざこのセリフを盛り込んだのだ。

たくさんの犠牲者を出し、9.11以降最悪のテロと呼ばれた事件の犯人の口からこれらを言わせたのだ。

これらのセリフを見て気分を悪くする人もいるはずだ。

犯人に同情する人がいてもおかしくない。

 

真実を伝える為、カットせずに伝えたピーター・バーグの心意気が、これらのセリフから伝わってきた。

パトリオット・デイで知る警官達の奮闘。

パトリオット・デイ

パトリオット・デイのピークは犯人2人を取り囲んでの銃撃戦だろう。

このシーンには驚いた。

もちろん誇張している部分があると思うけど、それでもだ。

犯人を警察が取り囲む。

それもなかなかの数の警官達が。

それでも犯人の1人は逃してしまった。

何故か?

犯人は爆弾をたくさん持っていたから。

ボストンの街に爆弾ですよ?

平和ボケしてる僕は驚いた。

「いったいどうなってるんだ」って警官も思わず言ってましたからね。

これが日常なのが怖い。

周りには普通に家々があるし。

このシーンはのめり込むし、痛さが伝わってくる。

さすがピーターバーグ。

パトリオット・デイの主演は一応マーク・ウォールバーグ

パトリオット・デイ

パトリオット・デイの主演はマーク・ウォールバーグで間違い無いのだが、彼1人が活躍するかと言うとそうでは無い。

序盤の検証のシーン以外ではほぼ活躍していない。

でも、これはわざとだろう。

パトリオット・デイのヒーローはボストンなのだ。

誰か1人ではなく、ボストンにいる人全てがヒーローなのだ。

だからFBI特別捜査官のケヴィン・ベーコンも上司のジョン・グッドマンも大活躍はしない。

彼らは要所を引き締めるだけで、その他大勢の人物が活躍する。

この描き方は最高だった。

この映画にぴったりだ。

それでも、ケヴィン・ベーコンの格好良さには惚れましたが。

『パトリオット・デイ』のまとめ。

パトリオット・デイ

事件を知っている人も知らない人も是非見てください。

普段は汚職警官か無能捜査官ばかりが映画に出てきますが、この映画は違います。

キラキラしてませんが、泥臭く犯人を追い詰める姿はかっこいいです。

 

犯人を捕まえた後の、街の住民から警官や捜査官への労いの言葉や態度は熱くなります。

日本ではこんな光景見れないと思う。

単純だけど、アメリカっていいなって思わせる。

後は最後のオーティスの言葉。

「ここは我々の街だ 誰にも自由を奪わせない 強く生きよう」

この言葉に鳥肌が立たない人はいないでしょう。

U-NEXT/Netflixで配信中。

『パトリオット・デイ』のスタッフとキャストの他の映画。

監督:ピーター・バーグ:『ローン・サバイバー』

マーク・ウォールバーグ:『2ガンズ』/『ミニミニ大作戦』/『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』/『デート&ナイト』/『ザ・ファイター』/『シャフト

ケヴィン・ベーコン:『ラブ・アゲイン

ジョン・グッドマン:『オー・ブラザー!』/『悪魔を憐れむ歌

ミシェル・モナハン:『ゴーン・ベイビー・ゴーン』/『イーグル・アイ


*本ページの情報は2019年1月時点のものです。

最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。