『ボビー・フィッシャーを探して』☆☆☆☆☆☆☆ これが実話なのか。ネタバレ映画レビューブログ

ボビー・フィッシャーを探して ☆☆☆☆☆☆☆




ボビー・フィッシャーを探して

親になる前に見てほしい。

【ストーリー】

ジョシュはまだ7歳という年齢ながら、チェスに関して天才的才能を持っていた。父フレッドは息子の秀でた才能を、かつてチェスで世界に名を馳せたアメリカ人天才プレーヤー、ボビー・フィッシャーに重ね合わせ、本格的な英才教育を試みる。そして、彼は往年の名プレーヤー、ブルースに会い息子のコーチに雇う。ジョシュは特訓によって更に潜在していた能力を発揮、次々とタイトルを獲得した。だがある日、ジョシュの前に思わぬ強敵ジョナサンが現われる。

【スタッフ】

マックス・ポメランク:ジョシュ・ウェイツキン

ジョー・マンテーニャ:フレッド・ウェイツキン

ジョーン・アレン:ボニー・ウェイツキン

ベン・キングズレー:ブルース・パンドルフィーニ

ローレンス・フィッシュバーン:ヴィニー

マイケル・ニーレンバーグ:ジョナサン

デヴィッド・ペイマー

ローラ・リニー

ウィリアム・H・メイシー

ダン・ヘダヤ

ロバート・スティーヴンス

ハル・スカーディノ

トニー・シャルーブ

ボビー・フィッシャー

【スタッフ】

監督:スティーヴン・ザイリアン

製作総指揮:シドニー・ポラック

原作:フレッド・ウェイツキン

脚本:スティーヴン・ザイリアン

音楽:ジェームズ・ホーナー

1993年 110分

<allcinemaONLINEより>

ボビー・フィッシャーを探しては実話!親になる前に見てほしい。

ボビー・フィッシャーを探して

お決まりの展開だけど泣けてくる。

ボビー・フィッシャーを探しては親になる前に見なければいけない作品です。

7歳の天才少年チェスプレイヤーに、様々な大人が介入してくる。

自分の夢を託す者。

自分の過去を重ねる者。

自分のやり方を押し付ける者。

彼らが子供を惑わす。

ただ、チェスを楽しんでいただけなのに。

少年は優しさ故に、苦しむのだ。

そんな子供を守るのは母親だった。

そして、男どもは反省し考え直す。

彼はボビー・フィッシャーではないと。

そして、1人の少年として付き合う。

良き保護者として。

その時の少年の嬉しそうな表情。

これは是非見てほしい。

親を含め、保護者には何が必要なのか。

それが丁寧に描かれる。

 

原作は劇中にも出てくる、少年の父親が書いた本。

監督は『マネーボール』『ハンニバル』の脚本を手掛けたスティーヴン・ザイリアンです。

ボビー・フィッシャーを探してのストーリー(ネタバレ)

ボビー・フィッシャーを探して

ジョシュは公園でチェスをプレイするのを見てから、チェスに魅了される。

ジョシュが公園でプレイしているヴィニー(ローレンス・フィッシュバーン)とのプレイを見た父親は、息子にチェスの才能がある事を発見する。

新聞社に勤めている伝手を使い、かつてチェスの名手であったブルース(ベン・キングズレー)にジョシュのコーチを頼む。

ブルースもジョシュの才能に驚くのだった。

ジョシュは様々な大会で優勝をする。

だが、あるトーナメントでジョシュは負ける事に怯えるようになる。

そして、心が乱れたジョシュは格下の相手に負けるのだった。

すぐに負けた事で父親はジョシュを叱る。

ブルースはジョシュに自分が教えた通りにチェスをするように強制する。

そしてジョシュが好きだった公園でのチェスは、邪魔になるからと禁止するのだった。

ジョシュはチェスが楽しくなくなり負けが続く。

ある日、ブルースの教えを見ていた母親のボニーは、行き過ぎた指導に怒りブルースを追い出す。

そしてフレッドに対しても、ジョシュを苦しめるなら私が許さないとキツく言うのだった。

ジョシュは負けを恐れるというより、負ける事により父親の愛を失う事を恐れていたのだ。

そこから、フレッドはジョシュにチェスを押し付ける事を止める。

だが、ジョシュはチェスを止めなかった。

なぜなら勝ちたいから。

そこからは、公園に行きヴィニーとチェスをしたり、チェスとは無関係な事をして、普通の親子の付き合いをするようになる。

そして全国大会を迎える。

ブルースとも和解をしたジョシュは順調に勝ち進む。

そして決勝戦ではライバルを倒し優勝するのだった。

ボビー・フィッシャーを探してはチェスだけの話じゃない!

ボビー・フィッシャーを探して

ストーリーはだいぶ端折りました。

天才チェスプレーヤージョシュ現る→大人たちが主張を押し付ける→ジョシュスランプ→仲直りし復調→優勝。

ストーリーに驚きはない。

まあそうなるだろうって展開だ。

この映画が描きたかったのは、チェスで成功する過程ではない。

父と子。

母と子。

師と子。

友と子。

これらの関係を描いている。

まず、前提としてジョシュは優しい。

「優しい事は世の中で一番大事なことよ」

と母親に言われていた。

だからジョシュは戸惑った。

父親のフレッドとの関係。

父親の熱の入った期待にジョシュは苦しむ。

ブルースにコーチを頼む時、お金を払っているフレッドをジョシュは見る。

学校では担任の教師とチェスの事でもめる。

そして学校も転校することになる。

何よりもチェスを優先するフレッドは昔とは違っていた。

ジョシュはフレッドからの期待が重くなっていったのだ。

負けられない。

フレッドを裏切る事になるから。

この気持がジョシュの心を壊し、弱気にさせた。

フレッドは妻のボニーの言葉で我に帰る事ができた。

天才チェスプレーヤーの父親ではなく、ジョシュの父親に戻れた。

そこからの2人の関係は泣ける。

母親ボニーとの関係。

ボニーは何があってもジョシュの味方だった。

公園では柄の悪いホームレスが賭けチェスをやっている。

タバコで周囲は終始煙たい。

そんな場所でもジョシュが興味を持ったら連れていくのだ。

そして、ジョシュを傷つける人がいたら容赦しない。

旦那だろうがコーチだろうが。

ボニーは最初から最後まで天才チェスプレーヤーの母親ではなく、ジョシュの母親だった。

師のブルースとの関係。

ブルースは自身の過去とボビー・フィッシャーの影に取り憑かれていた。

ジョシュの才能を目の当たりにし、全てを叩き込みたくなる。

そして、チェスをゲームではなくアートとして捉えていた。

そこにはボビー・フィッシャーの影響があった。

チェスを強くする為に、ジョシュに様々な事を強制する。

公園に行くな、クイーンを大事にしろ、早く打つな、俺の言うとおりに打て。

これらは自分では成れなかったボビー・フィッシャーの影を、ジョシュに落とし込んでいるのだった。

だが、ボビーは気づく。

彼はボビー・フィッシャーではないと。

自分が出来なかった事を押し付けているだけだと。

そおからは、ただの保護者になる。

それだけでもジョシュには心強かった。

友人との関係。

まずは公園でプレーするヴィニー。

彼は浮浪者だ。

だが、ジョシュにはそんな事関係なかった。

一番最初にジョシュの才能に気づき、ジョシュをチェスの道に引きずり込んでくれた人物だったから。

最後の大会にもヴィニーを招待する。

そして最後の対局では、ヴィニーに教えられた攻めのチェスを展開し勝利するのだった。

年下のチェス仲間との関係。

エンディングは歳下の少年との会話で終わる。

その少年は大会で負けた後、父親からきつく指導を受けて肩を落としていた。

そんな子にジョシュは肩を抱きながら声をかける。

「僕の年になれば君も強くなるよ」

少年にとってこれほど優しくて心強い言葉はあるだろうか。

甘い言葉かもしれないけど、この言葉にどれだけ救われるか。

今すぐ強くならなくていい、焦らなくていい、でも強くなるから。

この言葉を無責任だと書いている人がいてビックリした。

お前は7歳の子供に責任を求めるのかと。

『ボビーフィッシャーを探して』のまとめ

ボビー・フィッシャーを探して

チェスやボビー・フィッシャーを知らない人も是非見てほしい。

キャストも地味に豪華ですし。

めちゃめちゃ痩せてるローレンス・フィッシュバーンは貴重です。

主演の子役の子は無名ですが、常に潤んだ瞳がピッタリでした。

 

家族や友人との絆が描かれます。

特に家族。

というか、母親。

この映画はボニーという母親に救われている。

ボビー・フィッシャーを探してを見てからは、理想の母親像はボニーです。

 

ボビー・フィッシャーを探しては、実際のボビー・フィッシャーの映像や言葉、奇行が紹介されます。

ボビー・フィッシャーに興味を持った人は『完全なるチェックメイト』を是非。

この映画でも紹介された、ロシアのプレイヤーとの勝負が描かれてます。

U-NEXT/PrimeVideoで配信中。 

『ボビーフィッシャーを探して』のスタッフとキャストの他の映画。

監督:スティーヴン・ザイリアン:『マネーボール』(脚本)

ローレンス・フィッシュバーン:『30年後の同窓会』/『アントマン&ワスプ

ウィリアム・H・メイシー:『セルラー

ローラ・リニー:『真実の行方


*本ページの情報は2019年2月時点のものです。
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