『ビフォア・ミッドナイト』☆☆☆☆☆☆☆☆ 18年後はアダルト。 ネタバレ映画レビューブログ

ビフォア・ミッドナイト ☆☆☆☆☆☆☆☆




ビフォア・ミッドナイト

18年経っても2人は変わらない。

【ストーリー】

パリ在住の小説家ジェシー(イーサン・ホーク)と環境運動家のセリーヌ(ジュリー・デルピー)は、双子の娘を伴いギリシャでバカンスを過ごすことにする。同時にシカゴでジェシーの前妻と暮らす息子ハンク(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)も呼び寄せる。彼らは共に海辺の町で夏休みを過ごした後、ジェシーはハンクを空港まで見送るが……。

【キャスト】

イーサン・ホーク:ジェシー

ジュリー・デルピー:セリーヌ

シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック:ハンク

ジェニファー・プライアー:エラ

シャーロット・プライアー:ニナ

ウォルター・ラサリー:パトリック

ゼニア・カロゲロプールー:ナタリア

アリアーヌ・ラベド:アナ

ヤニ・パパドプロ:アキレアス

アティナ・ラヒル・ツァンガリ:アリアドニ

パノス・コロニス:ステファノス

【スタッフ】

監督:リチャード・リンクレイター

製作総指揮:ジェイコブ・ペチェニック/マーティン・シェイファー/リズ・グロッツァー/ジョン・スロス

脚本:リチャード・リンクレイター/ジュリー・デルピー/イーサン・ホーク

音楽:グレアム・レイノルズ

2013年 109分

<シネマトゥデイより>

ビフォア・ミッドナイトで完結。

ビフォア・ミッドナイト

1995年『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』で出会い。

2004年『ビフォア・サンセット』で恋人になる一歩手前。

2013年『ビフォア・ミッドナイト』で倦怠期の夫婦。

9年毎に続編が作られてきた映画。

こんな映画あります?

ラブストーリーですよ?

登場人物同じですよ?

監督も同じですよ?

しかも全部名作だし。

 

今作の『ビフォア・ミッドナイト』はこれまでのシリーズよりも苦い。

 

今までは甘かった。

2人は若く未来があった。

共に過ごした時間も短かった。

出会ってから付き合うまでの一番楽しい時間を丁寧に描いていた。

 

でも、今作では遂に2人は結ばれ、双子の子供まで出来ている。

それにより今まではなかった不満が出てくる。

前妻との親権。

相手の仕事。

41歳になり容姿も衰え魅力を失っている。

 

これらの不満が旅先のギリシャで爆発するのだ。

 

でも、決して重苦しい雰囲気にはならない。

 

2人のウィットに飛んだ会話。

ギリシャの風景。

ジェシーの幼さ。

セリーヌの頑固さ。

 

この2人は18年経っても何も変わってない。

それが心の底から嬉しかった。

ビフォア・ミッドナイトのストーリー(ネタバレ)

ビフォア・ミッドナイト

ジェシーとセリーヌはギリシャで休暇を過ごしている。

ジェシーは息子のハンクの事。

セリーヌは仕事の事。

あとは2人の生活について様々な口論が起きる。

セリーヌは「もう愛してない」とジェシーに言い放ちホテルの部屋を後にする。

だが、その後ホテルのカフェで時間を過ごしていたセリーヌの前にジェシーが現れる。

ジェシーは未来から来たと終始ふざけつつも、セリーヌに愛を伝え続ける。

セリーヌはそんなジェシーを見て態度を軟化させ、また仲の良い2人に戻るのだった。

ビフォア・ミッドナイトはストーリーだけ見たら何が楽しいか分からない映画。

ビフォア・ミッドナイト

1作目も2作目もそうだけど、この映画もストーリーだけ見ても何が楽しいか分からない。

2人の仲が悪くなったけど、最後は丸く収まりましたってだけの話だ。

でも、名作なのだ。

ただ、今作では今までとは違い様々な不満が出てくる。

 

1つはジェシーの息子ハンクについて。

 

ジェシーはハンクと共に過ごしたい。

息子が高校生になる歳に自分が側にいないといけないと思っている。

でも親権は前妻が持っている。

だからハンクをパリに連れてくるのは難しい。

でも自分たちはアメリカに行ける。

 

こんな感じでジェシーはセリーヌに話すんです。

セリーヌもハンクの事は好きだし、ジェシーの前妻はアル中でヤバイから引き離すべきだと思っている。

でも、アメリカに行くのは嫌なのだ。

自分のやりたい仕事が見つかるか分からない。

そして、誰かの為に人生を犠牲にするのが嫌なのだ。

自分の子供が産まれた時も愛しているが絶望を感じていた。

 

“あなたの言葉には遠回しの脅しを感じる”

“これをしないなら死ぬまで恨むぞ”

 

こんな風にジェシーの言葉を受け取っていた。

ジェシーの幼さが裏目に出てしまっているのだ。

自分の考えを伝えるだけで、相手の考えまで思考が及んでないのだ。

 

ビフォア・ミッドナイトではハンクの事以外にも2人の価値観の違いが顕著に出る。

それでも最後は別れる選択をしなかった。

愛してないと決定的な言葉を言い放ったにも関わらず。

理由は単純で愛していたから。

ただ、それだけだと思う。

年齢を重ねたイーサン・ホークとジュリー・デルピー。

ビフォア・ミッドナイト

1995年から18年が経ち、2人とも歳を重ねました。

 

イーサン・ホークはお腹がちょっとぽっこり。

そして渋すぎるオッサンになりました。

本当にかっこいい、、、

ただ、中身は18年前から変わってないです。

理性的な男を装いつつも中身は子供。

そこをセリーヌに見破られている。

高尚な会話をしたがる所も変わってない。

書店員と浮気をしてたのはショックだったけど、、、

 

ジュリー・デルピーもポッコリお腹で皺が増えてます。

でも相変わらずキュートなんです。

いちいち仕草が可愛い。

そして頑固さと独立心は18年前と変わっていない。

母になったセリーヌは戸惑っている。

上手くいかない仕事の事。

ハンクの事。

双子の娘を産んでも母性本能が生まれず呆然としてしまった事。

そんな年齢を重ねたセリーヌの苦悩を見事に演じています。

そしてヌードも披露する。

このシリーズで一番の驚きだった。

 

不満をぶつけ合う2人でしたが、3作目ともなると何故か安心して見てられます。

映画としては良くないかもしれないけど、しょうがない。

ファンはこの2人の会話が聞けるってだけで単純に嬉しいんです。

『ビフォア・ミッドナイト』のまとめ

ビフォア・ミッドナイト

今までのシリーズを見ている人をしっかり満足させてくれます。

苦味成分は増えたけど、大人になっても甘々の会話劇を作られる方が冷める。

アダルトな会話が増え、なかなかドキっとさせられます。

ただ、2人以外の登場人物が多いのはちょっと嫌だったけど。

 

こんなラブストーリーはこの先作られる事はないでしょう。

こんなに続編が作られて良かったと思う映画も少ない。

ジェシーとセリーヌみたいな雰囲気の2人はいない。

出来ればまた続編を作って欲しい。

タイトルは『ビフォア・ラストナイト』

どちらかを看取る話になりそうだ。

今まで映画を見て泣いた事はないけど、もしこんな映画が9年後に作られたら泣いてしまいそうだ。

U-NEXT/PrimeVideoで配信中。

『ビフォア・ミッドナイト』のスタッフとキャストの他の映画。

1作目:『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離

2作目:『ビフォア・サンセット

監督:リチャード・リンクレイター:『30年後の同窓会』『エブリバディ・ウォンツ・サム!!世界はボクらの手の中に

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*本ページの情報は2019年1月時点のものです。
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