何がアートだ!
【ストーリー】
「モンスター上司」などの俳優ジェイソン・ベイトマンがメガホンをとり、ニコール・キッドマンと姉弟役で共演したオフビートなファミリードラマ。前衛芸術家の両親を持つ姉弟アニーとバクスターは、街で奇妙なパフォーマンスを演じては人々を驚かせる両親のことが理解できないまま大人になった。現在、アニーは女優、バクスターは作家として自立した生活を送っていたが、バクスターの入院をきっかけに、家族4人が久々に再会を果たすことに。ところが、両親が殺人犯に誘拐されたことがわかり……。個性派俳優クリストファー・ウォーケンが父親役を存在感たっぷりに演じた。
【キャスト】
ニコール・キッドマン:アニー・ファング
ジェイソン・ベイトマン:バクスター・ファング
クリストファー・ウォーケン:ケイレブ・ファング
メアリーアン・プランケット:ケミーユ・ファング
ジェイソン・バトラー・ハーナー:若きケイレブ
マッケンジー・ブルック・スミス:若きアニー(少女時代)
テイラー・ローズ:若きアニー
カイル・ドネリー:若きバクスター
ジャック・マッカーシー:若きバクスター(少年時代)
【スタッフ】
監督:ジェイソン・ベイトマン
原作:ケヴィン・ウィルソン
脚本:デヴィッド・リンジー・アベイア
音楽:カーター・バーウェル
2016年 107分
<映画.comより>
ファング一家の奇想天外な秘密は日本未公開。
ニコール・キッドマン主演。
ジェイソン・ベイトマンが監督/主演を務めたこの映画。
日本未公開です。
日本未公開で良かったと思います。
多分、ファングを理解する事は難しい。
ストーリーが難しい訳ではなく、キャラクターに全く共感できないのだ。
だから最後の動機を説明されても全く納得いかない。
憎たらしい顔をぶん殴ってやりたくなる。
非常にストレスの溜まる映画だった。
ちなみにWikipediaではコメディとなっていますが、コメディ要素はゼロ。
ジャンルはミステリーです。
ファング一家の奇想天外な秘密のストーリー(ネタバレ)
前衛アーティストの両親を持つアニー(ニコール・キッドマン)とバクスター(ジェイソン・ベイトマン)
アニーは落ち目の女優。
バクスターは執筆の進まない作家。
ある日、バクスターは取材の事故で怪我をして入院をする。
そこで病院側は気を利かして両親にお見舞いを頼んでしまっていた。
それを聞いたバクスターは慌ててアニーを呼ぶ。
幼い頃から両親の前衛アートに協力させられていたが、ある事をきっかけに距離をとった。
それは兄弟が出演する”ロミオとジュリエット”の学校祭の劇で、アニーの相手役が急遽降板。
それによりバクスターが劇に出なきゃいけない状況に陥ったのだ。
ロミオとジュリエットなので2人がキスをするシーンがある。
バクスターは嫌がったが、キスをしない事で舞台で笑われるアニーを思いキスをする。
だが、これは両親によって仕組まれた前衛アートだったのだ。
担任のデラノと両親が結託し、アニーの相手役に金を渡し舞台から降ろさせたのだ。
デラノはこの件で学校からクビを宣告されたが、両親のファンだった為に後悔はなかった。
兄弟は両親の行き過ぎた行動に嫌気がさし、アートへの協力を拒み、家を出たのだ。
両親は久しぶりに家族が揃い、早速新しいアートに兄弟を巻き込もうとする。
だが、兄弟は拒否。
両親だけで行動を起こすが、その作品は失敗してしまった。
両親は兄弟を失って以降、アーティストとして輝きを放たなくなったのだ。
両親はその後、旅に出ると言い車で出かける。
すると家に保安官が訪ねてきて、両親が事件に巻き込まれた可能性があると言う。
近所では幾つか事件が起きており、車内には父親のDNAの血痕がついていたのだ。
アニーはこれらを聞いても、これもアート活動の1つとして捉える。
バクスターは判断がつかない感じだった。
2人は両親を探す為、古い繋がりから手がかりを得るが両親が生きてるかどうかは分からないままだった。
2人は捜索を諦め、両親の家にあった物をガレージセールに出す。
そこで、たまたま流していた音楽に2人は驚く。
その音楽は2人が幼い時に作詞した曲だったのだ。
でも発売されたのは最近となっている。
その曲を歌っている人物に会いに行った2人。
その家にいたのはデラノと父親だった。
説明を求めた2人に、両親はこれはアートだと言う。
自身を死んだことにして、別人になりすますアートだと。
過去の功績を曇らせるほどの大作だと。
デラノとはその為に偽装夫婦を演じていたが、子供ができてしまっていたのだ。
なんでそこまでするのとアニーは尋ねる。
父親の回答は全ては芸術の為だった。
到底納得出来ない兄弟だったが、2人は両親を死んだ事にして芸術を完成させてあげるのだった。
ファングの全く理解出来ない両親の行動。
前衛アーティストが死を装うが、子供達にバレるってだけの話です。
死を装う理由もアートだからってだけ。
全ての行動をアートだからと納得できる人はアーティスト活動をしてる人ぐらいなんじゃないだろうか。
それぐらい両親、主に父親の行動は突飛すぎるし、理解出来ない。
母親は父親の為なら何でもするので、同罪です。
尊敬する教授の事をボウガンで撃っちゃうような人ですからね。
完全に頭がいかれてます。
“アート”
この言葉を盾に好き勝手にやってるだけです。
周りの人を傷つけてもアートだから。
偽装夫婦に子供が出来たのもアートだから。
どの作品にも複雑な一面があるとか最低な言い訳もするし。
下記はクズな父親のセリフです。
“作品を通して人々に刺激を与えてるんだ”
“傍観者である彼らの目を覚まして人生を見つめ直すきっかけを作る”
“親は子供を傷つけてしまうものだ”
“だから何だって言うんだ”
“われわれの活動を理解も評価もしないだろうが、その効果は否定出来ないはずだ”
“人々の目を覚まさせ、人生を鮮やかに見せる”
“そのためにこの活動を続けてきた”
“善良な活動だ。”
最後に娘のアニーのセリフは良かった。
「人々はどう思う? 彼らは去り、二度と姿を見せない」
この後の両親の呆然とした表情。
最後まで腹たつ顔してやがる。
クリストファー・ウォーケンの顔。
ニコール・キッドマンは相変わらずの美しさ。
年齢を重ねて色気が抑えられません。
カジュアルな服装がね、いいんです。
後は、両親に見せる冷たく蔑む目は良かった。
落ち目の女優というキャラが何も活かされてないのは残念だったけど、これは彼女のせいではない。
ジェイソン・ベイトマンは特になし。
監督、主演とお疲れ様でした。
姉から一歩引いてる存在だったので、特に見所はありません。
ただ、ポテトバズーカは楽しそうだったけど。
この映画はクリストファー・ウォーケンが全部持っていったでしょう。
あの憎たらしい顔。
自分勝手な行動。
アートを語る口調。
偽装した嫁を孕ませるクズ。
それを複雑な一面とアーティストぶる所。
こいつは最初から最後まで腹たった。
それを成り立たせたのは、クリストファー・ウォーケンの顔なんだよなー。
凄い役者さんです。
『ファング一家の奇想天外な秘密』のまとめ。
非常に気分が悪くなる映画です。
最後のオチもアートだからと言われても、、、みたいな感じでスッキリしない。
兄弟のキャラクターも弱く、女優と作家という設定もまるで活かせず。
両親が生きていると気づいたのもとんでもない奇跡があったからで何もワクワクしない。
この映画で見てほしいのはクリストファー・ウォーケン。
ここまで腹を立たせる演技が上手い人はなかなかいない!
PrimeVideoで配信中。
『ファング一家の奇想天外な秘密』のスタッフとキャストの他の映画。
ジェイソン・ベイトマン:『マイレージ・マイライフ』
ニコール・キッドマン:『イノセント・ガーデン』/『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』
クリストファー・ウォーケン:『マイ・ボディガード』
*本ページの情報は2019年1月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。