駄目だ。全く分からない。
【ストーリー】
1974年、イギリス。19歳のマイケル・ピーターソン(トム・ハーディ)は有名になりたいと思い、自ら作った散弾銃で郵便局を襲撃。7年間の服役を言い渡される。マイケルは一度は出所するものの、再び事件を起こし刑務所に入所。自分を俳優のチャールズ・ブロンソンの分身であると勝手に触れまわり、30年以上もの獄中生活で暴力の限りを尽くす。
【キャスト】
トム・ハーディ:マイケル・ピーターソン/チャールズ・ブロンソン
ジェームズ・ランス:フィル・ダニエルソン
マット・キング:ポール・ダニエルズ
【スタッフ】
監督/脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本:ブロック・ノーマン・ブロック
2015年 92分
<シネマトゥデイより>
駄目だ。ブロンソンは全くわからない。
正直な感想だ。
全く分からなかった。
そもそもこの映画の楽しみ方を間違えたのだろう。
ストーリーとか感情移入とか共感とか全くない。
そんなのをこの映画に、ニコラス・ウィンディング・レフンに期待した僕が間違いであった。
トム・ハーディ演じるマイケル・ピーターソン/チャールズ・ブロンソンは実在の人物だ。
ちなみに途中で芸名が加わるのでこのような表記になってます。
本名/マイケル・ピーターソン 芸名/チャールズ・ブロンソンです。
歌は駄目、演技力もない。選択肢なんてないだろ?
と言う事で、有名になりたいが為に郵便局を襲う。
そして入った刑務所が修練の場だと。名前を知らしめるのにはうってつけの場所だと。
しまいには刑務所に戻してくれと叫ぶのだ。そして刑務所では意味のない暴力を振るう。
これは本当に意味のない暴力であった。
物語の後半に、職員を人質に立てこもるシーンがある。
「要求はなんだ」と聞かれるが、
ブロンソン、何もない。
暴れてる意味がないのだ。本当に。理屈じゃないのだ。
有名になりたいとは言っていたが、それさえも怪しいと思えてきた。
刑務所で暴れてるだけじゃ有名にならないだろと。
でも、イギリスで一番有名な受刑者で実際このように映画化されているのだから夢は叶ってるのか。
そう考えると無駄ではなかったのか。
表情豊かに喋るトム・ハーディ。そういう意味でブロンソンは貴重な映画である。
トム・ハーディは古いタイプの男のイメージがある。
多くを語らない。背中で語るタイプ。あくまでもイメージだが。
『マッドマックス』では主演なのにほとんど話さない。ちなみにタフ。
『欲望のバージニア』でも寡黙な次男坊。ちなみに不死身。
『ダークナイトライジング』では話すといえば話すが、ベイン役なので表情は見えない。ちなみにめちゃ強い。
などと男が惚れる男なのである。
だが、この映画では少し違った。強いのには変わりないが。強さの意味が他の作品とは異なる。
白塗りのトム・ハーディが表情豊かに観客に向かって話すのだ。
コロコロ表情を変えてみせる。こんなトム・ハーディは初めて見た。
こんな役も出来るのかと。
でも個人的に寡黙なトム・ハーディが好きだ。
『ブロンソン』のまとめ
みんなが楽しめる映画ではないだろう。
映像や音楽がおしゃれなので、好きな人は好きなんだろうなとは思う。
そもそもニコラス・ウィンディング・レフンは万人受けするような作品は作らない。
出世作である『ドライブ』は異例なのだ。
おしゃれさとエンターテイメント性とストーリーと役者陣が奇跡的にマッチしたのだ。
なのでこのブロンソンは一人で見よう。
僕は楽しい楽しくないで映画を評価してしまう。
なのでこの映画はあまりオススメしない。
でも、映画は楽しい楽しくない以外の評価がある事も知っています。