何とも言えない映画です。
【ストーリー】
麻薬王から大金を奪う強盗計画を企てた5人の元特殊部隊の兵士たち。だが、この強奪が不測の事態に襲われるサバイバルバトルに変わるとき、彼らのきずなが試される。
【キャスト】
ベン・アフレック:トム・デイヴィス(レッドフライ)
オスカー・アイザック:サンティアゴ・ガルシア(ポープ)
チャーリー・ハナム:ウィリアム・ミラー(アイアンヘッド)
ペドロ・パスカル:フランシスコ・モラレス(キャットフィッシュ)
ギャレット・ヘドランド:ベン・ミラー
【スタッフ】
監督:J・C・チャンダー
脚本:J・C・チャンダー/マーク・ボール
製作:チャールズ・ローベン/アレックス・ガートナー
2019年 125分
トリプル・フロンティアは思ってた話と違う!
“麻薬王から大金を奪う強盗計画を企てた5人の元特殊部隊の兵士たち。だが、この強奪が不測の事態に襲われるサバイバルバトルに変わるとき、彼らのきずなが試される”
このあらすじを読んだ時に思い浮かべるたのはアクション映画だった。
最初の1時間、まあそうなるだろうなって展開。
でも、そこが楽しかった。
軍を退役してからイケてない生活を送る4人。
そこに共に戦った男が声をかけていく。
良い計画があるんだ。一緒にやろう。
仲間集めって分かっていてもテンション上がりません?
『シビル・ウォー』とかめちゃめちゃテンション上がったじゃないですか。
そんな感じで仲間を集めて麻薬王の家に侵入する。
ここまでは予想通りだったし、楽しかった。
ただ、そこからだ。
ここであっさりと大金を奪ってしまうのだ。
あれ?あと1時間ほどあるけど、、、
僕の思ってた不測の事態は大金を奪う時だと思っていた。
麻薬王とのバチバチの銃撃戦があると思っていた。
でも違ったのだ。
不測の事態はその後に起こるのだ。
自分たちが欲をかいたせいで。
そこからな何とも言えない気分になる。
仲間同士のいざこざ。
様々なトラブル。
でも、原因はいつも自分たち。
途中、オスカー・アイザック演じるポープの表情が印象的だった。
俺ら何してるんだろう。何をしに来たんだろう。
そんな事を言葉にはしなかったが、表情で物語っていた。
トリプル・フロンティアのストーリー(ネタバレ)
ポープ(オスカー・アイザック)は情報筋から長年追っていた麻薬王のアジトの場所を突き止める。
そこで過去に共に現地で戦った仲間を集めることに。
軍人たちの講演をする仕事をしているウィリアム(チャーリー・ハナム)
不動産販売の仕事をしつつも上手くいっていないトム(ベン・アフレック)
格闘家のベニー(ギャレット・ヘドランド)
パイロットのフィッシュ(ペドロ・パスカル)
彼らは気が進まなかったが、それぞれ退役後の人生が上手くいってるとは言えず、ポープに協力する事に。
彼らは偵察だけをするだけだったが、偵察後、自分たちで麻薬王の金を奪おうとポープは言い出す。
この提案にも乗り気ではなかったが、ポープの説得と莫大な金額が手に入る事から自分たちで麻薬王の家を襲う事に。
ポープの情報筋の協力により、麻薬王の家に侵入した男たちは家を制圧する。
そして、家の壁中に埋め込まれた札束を鞄に詰め込んでいくのだった。
だが、そこで欲をだしたのがトムだった。
本来立てた作戦の時間を超え、予定量以上に金を積み込む事により、敵と対峙する事に。
だが、元軍人の彼らは冷静に対処するのだった。
無事に大量の金を積み込んだ男たちは、逃げる為に用意した軍用ヘリに乗り込む。
だが、予定以上に金を積み込みすぎた為に、本来のルートを通る事が出来なくなり、さらにヘリが故障し墜落する。
山間の農村に墜落した男たちは、武装している村民ともめた為何人かを撃ち殺してしまう。
村長にお詫び金を渡し、男たちは計画していたルート通りに歩いて移動する。
森の中や山越えなど過酷な道を歩く中、時に仲間内で言い争いが起きるようになる。
そして、山を歩いている時に敵に襲撃される。
何とか敵の1人を撃ち殺した直後、もう1人いた敵にトムが頭を撃ち抜かれて死亡するのだった。
トムの死に責任を感じるポープ。
だが、トムの遺体と金を家族に届ける為に歩を進める。
少しでも移動しやすくする為に大量の金を谷底に捨てる。
その後も死んだ麻薬王の手下どもから襲撃を受けつつも逃げる事に成功した男たちは、最終的に1人106万824ドルずつ手に入れる事に。
だが、全員受け取る事を拒否し、全てトムの遺族に渡す事にするのだった。
生き残った4人は次の再開を楽しみにしつつ、別れる。
ウィリアムがポープに一枚の紙を手渡す。
そこには金を落とした谷底の位置情報が記されているのだった。
トリプル・フロンティアの前半と後半。
トリプル・フロンティアは前半と後半で話が大きく変わる。
前半は麻薬王の家に侵入し金を奪うまで。
後半は金を奪ってから帰国するまで。
前半はアクション。
かなりあっさり麻薬王の家に侵入し、あっけなく麻薬王を殺してしまうので拍子抜けはします。
少数精鋭の元軍人って事で彼らは派手な動きをしない。
粛々と計画通りに物事を進め、敵もあっさりと殺す。
そこには高揚感もなければ、楽しんでいる様子も伺えない。
単純にこなしている感じだ。
それが抜群にカッコいい。
いちいち動きが洗練されているのだ。
だが、終盤に予想外の事が起きる。
金を目の前にしてトムが変わるのだ。
トムはメンバーのリーダー的役割だった。
ウィリアムなんかトムが参加するなら俺も行くって言うぐらい。
周りからの信頼もあって、行動や計画立案能力も抜群。
そんな男が計画を無視して目の前の金に囚われてしまう。
そこから計画が狂いだす。
そして、ここからが後半部分。
良いことが1つも起きないドラマ。
トムが金を捨てない為にヘリが墜落。
金に執着するトムと、金が荷物だと考えるポープ。
その他のメンバーも小さな事で諍いを繰り返す。
そしてトムが殺される。あっさりと。
そこからメンバーは1つになる。
トムの遺体を帰す事が目的になったから。
そして最後のお金は全部トムの遺族にってやつ。
正直トリプル・フロンティアのドラマ部分に浅さを感じてしまった。
なんとか盛り上げようと諍いを起こしたりトムを殺したりと。
冷める訳ではないんだけど、グッともこなかった。
トリプル・フロンティアの男臭い豪華キャスト。
まあトリプル・フロンティアは男臭いメンバーを集めたもんだ。
しかも豪華。
まずベン・アフレックの体の大きさにビックリする。
引き締まってる大きさではなく絶妙な大きさ。
退役軍人がまあ似合う。
そして、メンバーで1番不幸だった。
離婚した為に金が必要だったトム。
そのせいで全てが狂ってしまった。
そして撃ち殺される。
劇的ではなくあっさりと。
オスカー・アイザックは悲しみを帯びた瞳がいいですね。
自分がメンバーを巻き込んでしまった後悔。
そして誰よりも優しい心を持っているポープ。
心から麻薬王を殺したかったポープ。
心の葛藤がオスカー・アイザックに良く似合ってた。
主演はベン・アフレックみたいな触れ込みでしたが、間違いなくオスカー・アイザックが主演です!
ただ、誰よりも良かったのがチャーリー・ハナム。
えっと、、単純にカッコいいです。
『トリプル・フロンティア』のまとめ。
トリプル・フロンティアは楽しかったのか正直良くわからない。
前半1時間のアクションはハラハラはするけど、絶賛するほどではない。
後半1時間の人間ドラマも深いのかどうか微妙だ。
でも、どちらも元軍人の設定が良かったと思う。
アクションでは的確で迅速な殺人。
ドラマでは諍いが合っても目的の為には引きずらず、考えを変える事、謝る事が出来る柔軟さ。
これらが他の映画とは違った新しい目線だったと思う。
ただ、はっきり言って盛り上がりには欠けている。
だけど、トリプル・フロンティアにはつまらないとは言えない雰囲気をだしています。
ちなみに製作にはキャサリン・ビグローが参加。
『トリプル・フロンティア』のキャストの他の映画。
ベン・アフレック:『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(監督)