おしゃれで変態な主人公の映画。
【ストーリー】
美大に通っているベン(ショーン・ビガースタッフ)はガールフレンドのスージー(エミリア・フォックス)と別れてはみたものの、未練がましく「やり直したい」と申し出る。しかし、スージーにすでに新しい恋人がいるという事実を告げられベンはショックで不眠症になってしまう。
【キャスト】
ショーン・ビガースタッフ:ベン
エミリア・フォックス:シャロン
ショーン・エヴァンス:ショーン
ミシェル・ライアン:スージー
【スタッフ】
監督・脚本:ショーン・エリス
2006年 102分
<シネマトゥデイより>
フローズン・タイムはおしゃれな映画。でも嫌味じゃ無い。
見終わってから思ったのは意外と王道のラブストーリーだったなと。
主人公の男の子が彼女に振られて不眠症になり、なぜか時を止める能力を獲得し、
バイト先の女の子に恋をし、色々な事が起こるがハッピーエンドという。
なんで見終わってからふと思ったのかというと、映像やセリフがいちいちおしゃれすぎてストーリーを追うっていう感じで見ていなかったからだ。
僕は冒頭のセリフからぐっと心を掴まれた。
“頭蓋骨を砕くには227キロの重量がいる”
“だが人間の感情は繊細だ”
この後彼女に罵倒されIKEAのランプを投げられたりし振られます。
人間の心が砕くには227キロも必要なく言葉とIKEAのランプで簡単に砕けるのだ。
フローズン・タイムのショーン・ビガースタッフは変態
美大に通う主人公は幼い頃にホームステイに来ていたスウェーデン人の裸を見て美に目覚めた。
“性”に目覚めたではなく、”美”にである。
その変態性が遺憾無く発揮されるのが時間を止めれるようになってからだ。
不眠症の主人公(結果一ヶ月ぐらいが眠れなかった)が時間を持て余すぐらいならバイトしようと始めたのが夜勤のスーパー。
そこで時間を止めれるようになり、何をするのかというとデッサンだ。
お客さんの服を脱がし、半裸の状態にしてデッサンを始めるのだ。
触るでもなく、いたずらをするでもなく黙々とデッサンを始める。
そこに性的な興奮を覚えるのではない。ただ綺麗な物を見て描きたいという、、変態だ。
完全に変態だ。ここに少しでもいやらしい気持ちが表に出ていたら見ていて不快だっただろう。
それが全くなく純粋に見て描きたい。いやらしい気持ちゼロ。
こんな主人公は見ていて清々しかった。こんな可愛い子の服を脱がすシーンでも清々しかった。
『フローズン・タイム』のまとめ
おしゃれな映画はたくさんある。いわゆるミニシアター系と呼ばれる映画は大抵おしゃれ映画だ。と思っている。
ただ、時間を止められる能力が俺にもあるのかな?と思うぐらいつまらない映画がたくさんある。
それをおしゃれだからとか、映像が綺麗だよねとか、何もない感じが逆にいいとか、、
意味のわからない言い訳を自分にして、周りからおしゃれと思われたいから見ているという人がいる。
そんな意味わからない人はこの映画を見て欲しい。ちゃんとおしゃれで面白いから。
何で時間が止めれるようになったのか?とか、
どういう条件で能力が使えるのかとか?
主人公だけ能力者なのか?とか
時間止めている間に動ける人が他にいたけどどうなったの?とか
確かに思う事はある。ただ、そんな理屈はどうでもいいじゃないか。
この映画にそんなの求めるなよ。だっておしゃれ映画だよ。と逆に開き直れる。
そんなのはこの映画にとっては全く重要ではない。
あと、ラブストーリーではあるのだがコメディ要素も多く、ストーリーが一辺倒にならずいいアクセントになっている。
同僚の男が全員ふざけているのだ。
まともな会話がない。
いい意味で友情も育まれない。
カンフーなんて何でカンフーが好きかも語られないし、カンフー要素をいかすシーンも最初だけだ。
このショーン・エリスという監督はファッション誌でフォトグラファーとして確固たる地位がある人物だ。
おしゃれな訳である。
『フローズン・タイム』のスタッフとキャストの他の映画
監督:ショーン・エリス:『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』
ショーン・ビガースタッフ:『ハリーポッターと賢者の石』