もっと面白くなったはず!
【ストーリー】
事故で妻子を失い、自分も車椅子生活を余儀なくされているホアキン(レオナルド・スバラーリャ)は、家の2階部分を娘を抱えるストリッパーのベルタに貸すことに。二人との交流を通して少しずつ明るさを取り戻していく中、地下室でトンネルを掘っているような作業音と話し声を耳にする。やがて、犯罪者たちが銀行に押し入るための地下道を掘り、ベルタたちがその計画に加担させられているのを知る。ホアキンは母娘を救うと共に犯罪者たちが奪った金を横取りしようとするが……。
【キャスト】
レオナルド・スバラーリャ:ホアキン
パブロ・エチャリ:ガレリト
クララ・ラゴ:ベルタ
フェデリコ・ルッピ:グットマン
ワルテル・ドナード:カナリオ
【スタッフ】
監督:ロドリゴ・グランデ
脚本:ロドリゴ・グランデ
音楽:ルシオ・ゴドイ
2016年 120分
<シネマトゥデイより>
エンド・オブ・トンネルは面白いんだけど!
車椅子生活の主人公が、トンネル掘ってる銀行強盗から金を奪う。
このあらすじだけで期待できるスペイン・アルゼンチンの合作映画。
面白いです!
車椅子の主人公の頭の切れっぷり。
仲間にも容赦ない悪党。
色気ダダ漏れの悪党の彼女。
話すことの出来ない娘。
黒幕のおじいちゃん警察官。
様々な伏線が張られ、しっかりとラストに回収する爽快感。
最後までハラハラさせてくれるサスペンスです。
ただ、ちょっと残念な点がある。
あまりにも主人公の事が語られないのだ。
だから、無駄に色々と勘ぐった結果、何もなかったのは残念だった。
もっと語る時間とかあったでしょ。
120分もある映画なんだから、、、
エンド・オブ・トンネルのストーリー(ネタバレ)
事故で妻子を失ったホアキンはアルゼンチンで1人で暮らしていた。
ホアキンは足が不自由で車椅子生活を送っている。
そんなホアキンの元に、ストリッパーのベルタが娘のベティを連れて訪れる。
ホアキンは家の2階部分を賃貸にだしていたので、それを借りにきたのだ。
急な訪問に驚くホアキンだったが、ベルタの勢いに押され部屋を貸すことに。
ホアキンは地下室で電子機器の修理などを行っている。
すると、作業中に不審な声が聞こえてくる。
聴診器を使いしっかりと聞いてみると、銀行強盗の計画を企てている声だった。
ホアキンは自前の機器で、盗聴と盗撮をする。
面白いものが撮れたとベルタに見せようとしたが、その映像にはベルタが写っていたのだった。
ベルタは強盗一味のリーダーガリレトの恋人で、トンネルを掘ってる間、ホアキンを監視する為に送り込まれた女だったのだ。
この事実を知ったホアキンはベルタを監禁する。
計画を知っている事をベルタに伝え、協力を仰ぐ。
娘のベティが話すことが出来なくなったのは、ガリレトの性的イタズラが原因だという事も伝える。
ベルタはその事実に怒り、ホアキンの言う事を聞くのだった。
ホアキンは自身の地下室とトンネルとを繋ぎ、強盗一味よりも早く銀行から金を盗む。
そして、トンネルは水道管を破裂させ塞いでしまうのだった。
金を奪った直後、警官がホアキンの家を訪れる。
この警官が銀行強盗の黒幕で、ガリレト達を使い穴を掘らせていたのだった。
ホアキンは録画していた映像で、この警官が黒幕だと知っていた。
だが、相手はホアキンが金を盗んだとは知らず、連絡先だけを教え退散する。
すると、今度はガリレトの一味が家を訪れてくる。
ホアキンは知らないふりをするが、奥の部屋からベティが現れ言い逃れが出来なくなる。
絶体絶命のピンチだったが、ホアキンは盗聴していた内容を使い、ガリレト達に仲間割れをさせる。
お互いを打ち合った後、唯一生き残ったガリレトだったが、部屋から出てきたベルタに殺されるのだった。
あとは黒幕の警官が最後ホアキンを脅してくる。
金を渡せば、妻子の命と死体の処理、ホアキンの罪をなかった事にすると。
ホアキンはその要求を飲み、警官は車を走らす。
すると睡眠薬入りのクッキーを食べたせいで交通事故を起こすのだった。
そのクッキーはホアキンが飼い犬を安楽死させる為に用意していた物で、それを知らずに食べてしまったのだ。
全ての危機が去ったホアキンとベルタとベティは一緒に家を出て、新しい生活に進むのだった。
エンド・オブ・トンネルの偶然による伏線の回収。
結構ストーリーは端折ってます。
強盗からの強盗を計画→成功するが敵に疑われる→仲間割れに成功→黒幕は不運にも交通事故→ハッピーエンド。
こんな話です。
エンド・オブ・トンネルは伏線の回収がしっかりしている。
ただ、あからさまな伏線なので、驚きはなかったけど。
そして全てが偶然に頼ったものだったのが惜しかった。
・睡眠薬入りのクッキー。
黒幕が知らずに食べてしまう睡眠薬入りのクッキー。
これは冒頭に、もう立てなくなってしまった老犬を安楽死させる為にホアキンが用意していたものです。
だが、黒幕の警官が食べたのは完全に偶然。
ただ、この警官は最後に言う。
「最後は女か運で決まる 」
この警官は運に見放されたのだ。
ちなみにガリレトは女に見放された。
・仲間割れに使ったレフティの腕時計。
ホアキンは迫真の演技で、レフティを裏切り者に仕立てようとする。
そして仲間割れを決定的にしたのがレフティの腕時計だ。
これはベティがたまたまトンネルを通り、敵のアジトに行ってしまった時に持ってきてしまったもの。
ベティにはかくれんぼと収集癖がある事が序盤に語られていた。
その腕時計がホアキンの家にあるという事で、かわいそうなレフティは撃ち殺される。
レフティは1人スペイン人という事で馴染めてなかったのも、裏切り者扱いされた1つの要因。
そして、序盤の盗聴してた時のメモはこの時にいかされる。
大きな伏線はこんな感じ。
悪が倒されるスッキリする展開なので、なかなか痛快ではあります。
ただ、あまりにも分かりやすい伏線だったのは否めない。
エンド・オブ・トンネルはさり気ないという言葉を知らないのかってぐらい露骨だ。
特に上記した2つは特に。
さり気なかったら驚いたかもしれないオチも、やっぱりなって感想しかでてこない。
そして、敵は偶然この伏線に絡んでくる。
睡眠薬入りクッキーも、腕時計にしても。
少しでもホアキンが計算通りにやってたらよかったんだけどな、、
あんなに万能なんだから。
エンド・オブ・トンネルはホアキンに不満。
角度によってはジョージ・クルーニーに似ているホアキン。
車椅子をいかすシーンが全くなく拍子抜けしたのは、どのレビューでも触れられてます。
これには本当にがっかりした。
ユージュアル・サスペクツを期待したのに。
これ以外にもホアキンについて語られない事が多すぎて不満だ。
地下室で電子機器を大量に取扱い、恐らく修理をしてるんだけど語られる事はない。
その技術を使ってか、簡単に盗聴と盗撮・録画をしてしまう。
そして、銀行強盗を企てる。
これらを見た時に、こいつは元スパイなのかなと。
あるあるの設定だけど、このスキルと度胸は只者ではないと思わせる。
最後の迫真の演技。
銃口を向けられてる中、機転を利かせて仲間割れを誘う。
この頭の回転力!
やはり修羅場をくぐってきてるな!
と思わせて、、そのまま終了。
ホアキンの過去は言及なし!
いやいや、ちょっと待ってくれ!
一番期待してたんだぞ!
こっちは最後立ち上がるぐらいの想定してたんだぞ!
なんなら、妻と娘は事故死ではなく、ホアキンが殺したとも考えたんだぞ!
本当はめちゃくちゃ悪党で、肝が座ってるのもその為だと。
部屋を賃貸にだして家を売らないのは、借り主を殺す為だと。
勝手に期待したこっちも悪いけど、ちょっと残念だった。
『エンド・オブ・トンネル』のまとめ。
エンド・オブ・トンネルは良作サスペンスです。
最後の終わり方も後味が良い。
多分、誰が見ても楽しめる映画です。
ただ、手放しに絶賛出来ないのは書いた通りで。
他にも実はいっぱい不満はあります。
貸し金庫のマフィアの金の事とか、敵組織の銀行強盗の動機とか。
まあこんなに不満があるにも関わらず、楽しいって思わせたのはやはり凄いか。
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*本ページの情報は2019年2月時点のものです。
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